第3174回 2024年欧州選手権に向け、好発進(3) 代表入りしたブリス・サンバとウェスレイ・フォファナ
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■いきなり強敵と連戦が待ち受けている新チーム
すでに本連載で紹介してきたように、ワールドカップに出場したメンバーのうち、ベテラン選手のGKのウーゴ・ロリスとスティーブ・マンダンダ、FWのカリム・ベンゼマは代表からの引退を表明し、年が明けてから、ラファエル・バランも代表から身を引くこととなった。これまで主将を長らく務めてきたロリスの後継主将として目されていたバランの代表からの引退は監督を継続するディディエ・デシャン監督にとっては若干の誤算だったかもしれない。
さて、欧州選手権予選の組み分けを前回の本連載で紹介したが、フランスは3月のインターナショナルマッチデーは2試合とも予選を戦う。そして第1戦はオランダとのホームゲーム、そして第2戦はアイルランドとのアウエーゲームである。オランダは第1シード、アイルランドは第2シードといきなり上位国との対戦がワールドカップ明けの最初の試合となる。
■オランダ、アイルランドと対戦する23人のメンバー
この強敵相手との連戦に向けてデシャン監督が選んだメンバーは以下のとおりである。GKはアルフォンス・アレオラ、マイク・メニャン、ブリス・サンバの3人、DFはエドゥアルド・カマビンガ、ウェスレイ・フォファナ、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、バンジャマン・パバール、ウィリアン・サリバ、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはユスフ・フォファナ、アドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニ、ケフラン・テュラム、ジョルダン・ベレトゥの5人、FWはキングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、ムサ・ディアビ、オリビエ・ジルー、キリアン・ムバッペ、ランダル・コロムアニ、マルクス・テュラムの7人である。
ワールドカップ明け、さらにはデシャン監督の任期が4年ということで、どのような新人がメンバーに加わるかが、ファンの関心を集めることになった。
23人のメンバーのうち、新人についてはGKのサンバ、DFのウェスレイ・フォファナ、MFのケフラン・テュラムの3人にとどまった。
■2人のベテランが抜けたGK争いに加わるブリス・サンバ
まず、28歳のサンバは現在はRCランスの選手であるが、昨季まではイングランドのノッティンガム・フォレストに所属していた。かつてピーター・シルトンが所属し、欧州チャンピオンとなり、東京で行われたインターコンチネンタルカップにも出場したチームを23年ぶりにプレミアリーグに復帰させてRCランスに移籍した。
GKは注目のポジションであり、アレオラ、メニャンはこれまでに何度も代表入りしているが、ロリス、マンダンダに次ぐ第3GK扱いであり、これまでの代表での出場試合数は30歳のアレオラも27歳のメニャンも5試合に過ぎない。フィールドプレーヤーに比べて経験が必要とされるポジションであり、メニャンはACミラン(イタリア)と欧州でも実績のあるチームでは活躍しており、デシャン監督のファーストチョイスとなるであろう。アレオラはウェストハム・ユナイテッド(イングランド)では第2GK扱いであるが、現時点では、正GKのウカシュ・ファビアンスキが負傷離脱のために現在は出場している。それらの経験が代表チームでどのように発揮されるかが注目である。
■コートジボワール代表ではなくフランス代表を選択したウェスレイ・フォファナ
ブリス・サンバは父親もブリス・サンバという名でGKであったが、同姓同名という点ではウェスレイ・フォファナはラグビーのフランス代表選手と同姓同名である。イングランドのチェルシーに所属する22歳の選手で、出場機会に恵まれなかったが、3月になってからはコンスタントに試合に出場している。コートジボワール代表の資格も有していたが、結局フランス代表を選択した。
実はこの発表の前にホッセム・アウア、ジャウアン・ハジャム、フェレ・シャイビなどフル代表やアンダーエイジのフランス代表の経験のある選手がフル代表のアルジェリア代表を選択したばかりであり、フォファナもその去就が注目され、フランス代表を選択したのである。(続く)