第3253回 アイルランドに勝利し、5連勝(1) パルク・デ・プランスでアイルランド戦
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■ラグビーワールドカップ開幕の前後にサッカーのインターナショナルマッチデー
パリオリンピック開幕まで1年を切り、国内はオリンピックムードで盛り上がり、奇数年ということで数多くのワールドカップや世界選手権が行われている。特に前回までの本連載で紹介した通り、9月8日に開幕したラグビーワールドカップは自国開催であり、初優勝への国民の期待は大きい。
その中でもサッカーは国内のリーグ戦等が秋には再開し、チャンピオンズリーグなどの欧州カップもグループリーグが始まる。さらに代表チームも来年開催される欧州選手権の予選が実施されている。ちょうどラグビーワールドカップ開幕と同じ時期に予選が行われたので紹介することにしよう。
欧州選手権予選は3月から11月までのインターナショナルマッチデーに行われ、フランスはグループBに所属し、オランダ、アイルランド、ギリシャ、ジブラルタルと戦い、上位2チームが本大会出場となる。フランスは8試合中4試合を消化し、4戦全勝で首位を走っている。9月のインターナショナルマッチデーには2試合行われるが、フランスは9月7日にアイルランドと予選を戦うが、12日はドイツと親善試合を行った。欧州選手権予選はグループが5チームで形成されることから、予選を戦わないチームが生じ、9月12日はフランスが該当した。この機会を利用してフランスは親善試合を行った。フランスが親善試合を行うのは昨年3月29日の南アフリカ戦以来のこととなる。
■アイルランド、ドイツと戦う23人のメンバー
アイルランド、ドイツの連戦に向けてディディエ・デシャン監督は8月31日に23人のメンバーを発表した。GKはアルフォンス・アレオラ、マイク・メニャン、ブリス・サンバの3人、DFはアクセル・ディザジ、ルカ・エルナンデス、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、バンジャマン・パバール、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエドゥアルド・カマビンガ、ユスフ・フォファナ、ブーバカ・カマラ、アドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニの5人、FWはキングスレー・コマン、ウスマン・デンベレ、オリビエ・ジルー、キリアン・ムバッペ、ランダル・コロムアニ、マルクス・テュラム、アントワン・グリエズマンの7人である。また合宿入り前日の9月3日にはコナテが左ひざの負傷のため、辞退し、代わりにジャン・クレール・トディボがメンバーに入った。
■パリオリンピックも重視するディディエ・デシャン監督
代表の試合は6月初めのジブラルタル、ギリシャとの連戦以来3か月ぶりであるが、ルカ・エルナンデスが復帰したが、サウジアラビアのアル・イテハドに移籍したエンゴロ・カンテは招集されなかった。また、若手の抜擢もなかったが、デシャン監督は来年は欧州選手権に加え、パリオリンピックがあり、両方のタイトルを狙いたいと公言している。若手の有望選手はオリンピックチームに入れ、惨敗した東京大会の雪辱を期していると考えてよいであろう。
■ミッシェル・イダルゴ氏を記念した設備がオープン
各国リーグ戦の終わった9月4日にメンバーはクレールフォンテーヌに集まった。ちょうど合宿2日目の9月5日にはクレールフォンテーヌに元フランス代表監督のミッシェル・イダルゴ氏を記念した設備が開設され、サッカー連盟会長のフィリップ・ディアロ会長、イール・ド・フランス地域圏のバレリー・ペクレス知事、ミッシェル・イダルゴ氏の妻のモニーク・イダルゴ氏、1984年欧州選手権優勝メンバーなどが参列し、セレモニーが行われた。
この設備は1984年欧州選手権優勝を果たし、2020年3月に亡くなったイダルゴ氏の功績を記念して2021年7月にサッカー連盟の理事会で建設が決定したもので、4.5ヘクタールの敷地の中にサッカーコート2面、5つの建物(そのうち1つは研究棟)からなるもので、フランスのサッカーの発展のために寄与するはずである。
そのイダルゴ監督が欧州選手権優勝を飾ったパルク・デ・プランスで久しぶりにフランス代表が試合を行うのである。(続く)