第3254回 アイルランドに勝利し、5連勝(2) 42年ぶりにパルク・デ・プランスでアイルランド戦

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■スタッド・ド・フランス完成後にパルク・デ・プランスで行われた代表戦

 フランスは9月7日にパルク・デ・プランスでアイルランドと対戦する。1998年のワールドカップに向けて建設されたスタッド・ド・フランスが完成してから、フランス代表がパルク・デ・プランスで試合をするのはこれが4回目である。
 まず、2007年9月の欧州選手権予選は、今回と同様、ラグビーワールドカップと時期が重なり、国内の主要なスタジアムが使用不可能となった。そのため、パルク・デ・プランスを使用したが、この試合は0-1と敗れている。
 次の試合はその6年後、2013年10月の親善試合の豪州戦である。この試合は6-0と大勝、パルク・デ・プランスで実に16年ぶりの勝利をあげた。
 そして最新の試合は2021年11月のワールドカップ予選のカザフスタン戦である。この時はもともとスタッド・ド・フランスで試合が予定されていたが、鉄道の工事と重なり、パリから観客が鉄道で移動するルートが減ったため、試合会場をパリ市内のパルク・デ・プランスに移動させた。

■パルク・デ・プランスでのアイルランド戦

 そして今回は2007年同様にラグビーワールドカップの開催により、パルク・デ・プランスに代表戦の会場が戻ってきた。
 フランスとアイルランドの戦いというと2009年11月に行われたワールドカップ南アフリカ大会予選のプレーオフ、ティエリー・アンリの疑惑のハンドが有名であるが、これはスタッド・ド・フランスが舞台であった。フランスとアイルランドはパルク・デ・プランスでも対戦経験があり、4回ワールドカップ予選で顔を合わせている。1954年スイス大会、1974年西ドイツ大会、1978年アルゼンチン大会、1982年スペイン大会の予選であるが、これらのうちでフランスが本大会に出場できたのは1978年大会と1982年大会であるが、1982年大会予選は今でも語り継がれる激戦であった。この時のフランスの代表監督はミッシェル・イダルゴである。欧州予選グループ2はフランス、ベルギー、アイルランド、オランダ、キプロスからなり、上位2チームが本大会出場、四強一弱という激戦区であった。上位4チームはキプロスに全勝、上位4チーム同士の勝ち点の奪い合いでスペイン行きのチケットが争われた。フランスはパルク・デ・プランスでアイルランドに2-0と勝利したが、アイルランドでは敗れている。ベルギーが勝ち点11、フランスとアイルランドが勝ち点10、オランダが勝ち点9となり、フランスは得失点差でアイルランドを上回り、本大会出場となった。

■4連勝のフランス、不振のアイルランド

 それ以来のタイトルマッチでのパルク・デ・プランスでアイルランド戦となる。今大会のアイルランドは振るわない。初戦はホームでフランスとの対戦であったが、0-1で落とし、6月にはアウエーでギリシャに敗れ、ようやく初勝利をあげたのはホームでのジブラルタル戦、1勝2敗でフランス戦を迎える。一方、フランスはオランダ、アイルランド、ジブラルタル、ギリシャと同じグループの対戦相手と一巡し、4連勝、しかも無失点である。

■30度以上の気温の中で試合開始

 パルク・デ・プランスのピッチに立った先発メンバーはGKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ルカ・エルナンデス、テオ・エルナンデス、MFは低い位置にアドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニの2人が並ぶ。攻撃陣であるが右にウスマン・デンベレ、左にキリアン・ムバッペ、中央にアントワン・グリエズマン、そして1トップにオリビエ・ジルーという4-2-3-1フォーメーションである。
 夜21時近くなろうというのに気温は31度という中で試合はキックオフされる。フランス代表にとって900試合目という記念すべき試合、キャプテンマークはムバッペの左腕に巻かれる。ワールドカップ後、メニャンはこれが3試合目となるが、これまで無失点を続けており、ポスト・ロリスとしての地位を築くことができだろうか。満員の観客の中、アイルランドのキックオフで試合は始まった。(続く)

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