第3288回 欧州選手権、本大会の組み合わせが決定
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■予選の成績でなされたシード分け
前回までの本連載では来年の欧州選手権予選の終盤戦を紹介してきたが、12月2日に本大会の組み合わせ抽選が行われた。
本大会に出場するのは24か国、予選リーグで各グループの上位2チームに入った20チーム、来年3月に行われるプレーオフの勝者3チーム、そして開催国のドイツである。
プレーオフ経由で出場する国は決定していないが、諸準備のためにこの時点で組み合わせ抽選が行われた。
まず、現時点で参加が決定している21チームのシード分けであるが、開催国のドイツは自動的に第1シードとなり、それ以外の20チームは予選の成績でシード分けされた。
予選には53チームが出場し、5チームまたは6チームで争われたが、同条件で評価するため、6チームのグループについては6位(最下位)のチームとの対戦成績を除外する。フランスの所属していたグループBは5チームであるため、8試合の成績(7勝1分、総得点29、総失点3、得失点差+26)であるが、唯一全勝で予選突破したポルトガルは6チームで構成されるグループJに所属していたため、最下位のリヒテンシュタインとの対戦結果は除外されるため、戦績は10勝ではなく8勝、総得点は36ではなく30、総失点は2のまま、得失点差は+34ではなく+28となる。
■フランスが成績で第1シードとなるのは2004年大会以来
このようにして予選突破20チームを順に並べ、1位から5位を第1シード、6位から11位を第2シード、12位から17位を第3シード、18位から20位までとプレーオフ勝者を第4シードとした。
第1シード6か国は、開催国ドイツと予選成績の順に紹介するとポルトガル、フランス、スペイン、ベルギー、イングランド、第2シードはハンガリー、トルコ、ルーマニア、デンマーク、アルバニア、オーストリア、第3シードはオランダ、スコットランド、クロアチア、スロベニア、スロバキア、チェコ、第4シードはイタリア、セルビア、スイスとプレーオフの勝者3チームとなる。意外に思われるのが前回大会の優勝国であるイタリアが第4シードに沈んでいることであろう。また、フランスは第1シードになったが、前回大会は第2シード、また2016年大会は開催国として第1シードに入っており、成績で第1シードになったのは実に2004年大会以来のことである。
■本大会でオーストリア、オランダ、プレーオフ勝者と対戦するフランス
予選の組み合わせ抽選については政治的に対戦が困難なケース、地理的な移動条件を勘案するケース、気候的に試合開催が困難な日程を避けるなどの配慮することがあったが、本大会に関しては一切そのような条件なしで組み合わせ抽選が実施された。
フランスはグループDに入り、第2シードからはオーストリア、第3シードからはオランダ、第4シードからはプレーオフAの勝者が入った。開催日時、場所も決まっており、まず6月17日にデュッセルドルフでオーストリア、21日にライプチヒでオランダ、25日にプレーオフAの勝者とドルトムントで対戦する。
■UEFAネーションズリーグの成績で決まるプレーオフ出場チーム
さて、プレーオフであるが、予選の成績ではなく、UEFAネーションズリーグの成績によって出場国が決められる。UEFAネーションズリーグはリーグAからリーグDまでの4レベルに分けてそれぞれのリーグで複数のグループが行われるが、リーグAからリーグCまでの各グループ1位のチームで本大会出場権を獲得していないチームにプレーオフの出場権が与えられる。これに該当するのがイスラエル、ボスニア・ヘルツェゴビナ(以上リーグB)、ジョージア、ギリシャ、カザフスタン(以上リーグC)であり、残るチームはまずグループ1位のチームがプレーオフ出場権を得た場合に同じグループでそれに次ぐ成績のチームが出場権を得る。リーグAのポーランドとウェールズ、リーグBのフィンランド、アイスランド、リーグCのルクセンブルクが該当する。残り2チームであるが、まずリーグDのランキング最高チームのエストニアが権利を得て、最後の椅子は本大会にもプレーオフにも出場権を得ていないチームの中でランキング最上位のウクライナに割り当てられる。
プレーオフAはウェールズ-フィンランドの勝者とポーランド-エストニアの勝者が対戦し、来年3月26日にフランスの相手が決まるのである。(この項、終わり)