第3392回 オランダとドロー(1) 予選では連勝したフランス
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ワールドカップ、欧州選手権の初戦に強いフランス
欧州選手権初戦でフランスはオーストリアに勝利した。ディディエ・デシャン監督になってからワールドカップ、欧州選手権の初戦は必ず勝利(2014年:フランス3-0ホンジュラス、2016年:フランス2-1ルーマニア、2018年:フランス2-1豪州、2021年:フランス1-0ドイツ、2022年:フランス4-1豪州)してきた。この初戦の高い勝率がこれまでの好成績の源泉となっていることは事実であろう。
■第2戦はお互いに決勝トーナメント進出をかけたオランダ戦
そのフランスの第2戦の相手はオランダである。オランダは第1戦をフランスの前日に行い、ハンブルクでポーランドに2-1と逆転勝利している。第1戦に勝利したチーム同士が第2戦で戦うのはフランスの所属するグループD以外にスペインとイタリアの対戦するグループB、ポルトガルとトルコが対戦するグループFがある。フランス-オランダ戦の前日に行われたスペイン-イタリア戦はスペインがオウンゴールで得た1点で勝利し、決勝トーナメント進出を決めている。
二強二弱と言われたグループDにおいて、二強は順調に第1戦で二弱を下してきており、この1戦で決勝トーナメント進出を決めるのが両チームの目論見であろう。また、フランス-オランダ戦の前に行われたグループDのもう1つの試合ではオーストリアがポーランドに3-1と勝利し、勝ち点と得失点差では暫定首位を奪っており、この直接対決で敗れた場合は3位に落ちることになる。
■今回の欧州選手権予選ではフランスが2勝
これまでのフランスとオランダの対戦成績はフランスが15勝4分11敗と勝ち越しているが、この欧州選手権予選で同じグループBで戦ったことは記憶に新しい。予選のグループ分けのシード順はUEFAネーションズリーグの成績を使用したために、フランスはグループリーグで3位となったため第2シードにとどまり、第1シードはUEFAネーションズリーグでグループ首位でファイナル4に出場したオランダであった。いわばチャレンジャーとなったフランスは予選の第1戦でオランダをスタッド・ド・フランスに迎え撃つ。この試合は開始早々のダヨ・ウパメカノのゴールなどでフランスが4-0と大差で勝利する。この勝利で波に乗ったフランスは5連勝、得点11、失点0という圧倒的な成績でオランダとのアウエーゲームを2023年10月13日に迎えた。フランスは勝てば本大会出場という中でアムステルダムのヨハン・クライフ競技場で行われた試合、フランスはエースのキリアン・ムバッペが2ゴールをあげて先行し、この予選で初の失点を喫したものの、2-1と勝利し、早々に本大会出場を決めたのである。
欧州選手権予選ではオランダ戦の連勝を含み7勝1敗という圧倒的な成績を残したフランスは本大会では第1シードになる。フランスに連敗したオランダはそれ以外の試合は全勝し、勝ち点18となったが、得失点差では+10にしかならず、第3シードに甘んじた。
■欧州選手権の本大会の対戦ではオランダに軍配
過去の戦績ではフランスが上回っているとはいえ、欧州選手権本大会に限定するとオランダに軍配が上がる。欧州選手権では予選でも対戦したことがなく、最初の対戦は1996年大会の準々決勝(この時は決勝トーナメントは8チームで争われた)、120分戦っても両チーム無得点、PK戦で5人全員が成功させたフランスが準決勝に進んだ。
続く2000年大会、両チームはグループリーグで対戦する。双方2勝あげ、決勝トーナメント進出を確定した後の第3戦、オランダの攻撃力が上回り、3-2と勝利し、首位の座はオランダのものとなる。しかし、最終的には2位通過のフランスが優勝した。
そして最新の対戦は2008年大会、フランスはオランダとグループリーグで対戦し、ティエリー・アンリの1点のみで1-4と大敗する。この大会でフランスはルーマニアと引き分け、イタリアに敗れ、グループ最下位で敗退した。これがフランスが欧州選手権の本大会で決勝トーナメント進出を逃した最後の大会となったのである。(続く)