第3396回 ポーランドともドロー、2位通過(2) 両エースがPKを決めてドロー

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■フェイスガードを着用して出場したキリアン・ムバッペ

 前回の本連載ではポーランドのエースであるロベルト・レバンドフスキが3試合目にして先発することを紹介したが、フランスのエースのキリアン・ムバッペについても注目が集まる。第1戦のオーストリア戦の試合終盤に鼻を骨折、第2戦のオランダ戦はベンチで90分間を過ごした。前回の本連載で紹介した通り、最終戦の結果を問わず、フランスは決勝トーナメント進出を決めているが、ディディエ・デシャン監督はフェイスガードを付けたムバッペを先発で起用した。年齢の差こそあるが、両国の最大のスターであり、エースの2人がそろってピッチに立つことになったのである。

■攻撃陣はパリサンジェルマンのトリオ、若いメンバーのフランス

 フランスは今大会で初めて青いユニフォームを着用、上から下まで青一色で赤一色のポーランドとは対照的である。
 フランスの先発メンバーはGKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ウィリアン・サリバ、テオ・エルナンデス、MFは中央にオーレリアン・チュアメニ、右にエンゴロ・カンテ、左にアドリアン・ラビオ、FWはムバッペが中央に入り、右にウスマン・デンベレ、左にブラッドリー・バルコラという4-3-3システムとなった。GKとDFの最終ラインは変更がないが、ここまでオウンゴールとPKしか得点のない攻撃陣はムバッペの復帰だけではなく、アントワン・グリエズマンをメンバーから外すという荒療治に出た。先発メンバーの平均年齢は26.5歳、これは欧州選手権では第1回大会の2試合(準決勝と3位決定戦)に次ぐ、若いメンバーとなった。また3人のFWはいずれもパリサンジェルマン所属、FW3人の所属クラブが同じというのは1958年ワールドカップのブラジル戦のスタッド・ド・ランス組以来のことである。
 一方のポーランド、GKはウカシュ・スコルプスキ、DFは3人、ヤン・ペドナレク、パベウ・ダビドビチュ、ヤクブ・キビオルと並び、その両サイドにはプジェミスワウ・フランコフスキとニコラ・ザレフスキが陣取り、5バック気味の布陣である。MFはヤクブ・モデルとピオトル・ジエリンスキ、FWは中央にレバンドフスキ、右にセバスティアン・シュマンスキ、左にカツペル・ウルバンスキというメンバー、こちらも守備陣には手を入れず、攻撃陣は大きく手を入れ、白星で最終戦を飾りたい。

■ポーランドのGKの好セーブにあうフランス

 1万2000人のフランスのファンがドルトムントに駆け付けた中でポーランドのキックオフで試合が始まる。初勝利を目指すポーランドは序盤から臆することなく積極的に攻める。ただ、最初のビッグチャンスはフランスに訪れた。11分、右サイドを攻めあがったデンベレからのクロスをテオ・エルナンデスがシュートするが、ポーランドのGKにセーブされる。42分にはバルコラとムバッペというパリサンジェルマンのホットラインでチャンスを作ったが、ムバッペのシュートはまたポーランドのGKに阻まれてしまう。さらに前半アディショナルタイムに入ったところでまたムバッペがシュート、これもセーブされて、ハーフタイムを迎えた。

■ムバッペがPKで先制、ロベルト・レバンドフスキはPKのやり直しで成功

 押し気味ながら得点を奪えなかったフランス、積極的に攻撃を仕掛けたポーランド、先手を取ったのはフランスであった。55分にドリブルでペナルティエリア内に入ったデンベレに対し、DFのキビオルがファウル、このPKをムバッペが決める。ついムバッペは欧州選手権本大会での初ゴールをあげたのである。その後も75分にゴール前でムバッペはチャンスをつかむが、ジャストミートできずに追加点はならず。
 逆にその直後にウパメカノがペナルティエリア内でポーランド選手の足を踏んだとしてVAR判定の結果、ポーランドにPKが与えられた。キッカーはレバンドフスキである。レバンドフスキのPKをフランスのGKメニャンは見事にストップするが、レバンドフスキが蹴る前にメニャンが動いていたということでやり直し。今度はレバンドフスキが勝り、見事にネットを揺らした。このまま試合は終了し、試合は1-1で引き分けたのである。(続く)

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