第3399回 ベルギーに勝利し準々決勝進出(2) 主要大会でベルギーに勝利して栄冠を獲得したフランス

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■動きの中から得点のないフランス

 決勝トーナメント1回戦で唯一の第1シード勢対決となったフランスとベルギー、フランスはグループリーグ3試合はPKによる1失点のみでしのぎ、最終ライン以下は同じメンバーで戦い、安定していたが、攻撃陣はエースのキリアン・ムバッペの負傷があったものの、得点はPK1点、オウンゴール2点であり、動きの中から得点をあげることができなかった。

■グループリーグで思うような戦いができなかったベルギー

 一方のベルギーも2022年のワールドカップではグループリーグ敗退と残念な結果に終わったが、予選は6勝2分と負けなしで通過する。FIFAランキングも3位、欧州勢ではフランスについで2位であり、有力視されてドイツ入りする。しかし、グループリーグ初戦のスロバキア戦は序盤の7分に先制点を奪われ、その後は攻め続けたが、ゴールは遠く、黒星発進となる。第2戦の相手はルーマニア、初戦でウクライナを破っているチームである。ベルギーは開始2分にロメル・ルカクからのパスをユーリ・ティーレマンスが決めて先制、その後も攻め続けるが、なかなか追加点が奪えない展開となる。後半も終盤の80分、GKのクーン・カステールスからのGKをゴール前に走りこんだケビン・デブライネがシュート、ようやく2点目が入り、2-0と勝利して、4チームが1勝1敗で並んだ最終戦を戦う。最終戦のウクライナ戦はウクライナが再三の好機を活かすことができずにスコアレスドロー、結局、4チームが勝ち点4(1勝1分1敗)で並んだが、デブライネの追加点が決め手となって2位に滑り込んだ。
 カタールでのワールドカップまで6年にわたって指揮を執ったロベルト・マルティネス監督が退き、青年監督のドメニコ・テデスコ監督にとって、最初の主要大会はやはり簡単ではなかった。ただ、決勝トーナメントでいきなりフランスと対戦するが、本調子でないフランスに勝利して軌道に乗りたいところである。

■直近の対戦は3年前のUEFAネーションズリーグの準決勝

 本連載でもしばしば紹介しているがフランスにとって最も対戦回数の多いライバルはイングランドでもドイツでもなく、ベルギーである。これが76回目の対戦となる。近年は両国とも充実し、直近の対戦は2021年10月7日にイタリアのトリノで行われたUEFAネーションズリーグの準決勝である。この試合は前半にベルギーがヤニック・カラスコとルカクのゴールで2点をリードして折り返した。フランスは後半に入ってカリム・ベンゼマがキリアン・ムバッペのアシストでゴール、そしてアントワン・グリエズマンがティーレマンスにペナルティエリア内で倒され、VARの判定で得たPKをムバッペが決めて同点、そして試合終了間際の90分にはテオ・エルナンデスが決勝ゴールを奪い、3-2とフランスが勝利、決勝に進出した。なお、フランスは決勝でスペインに勝利し、初優勝を果たしている。

■6年前のロシアワールドカップでも準決勝でフランスが勝利

 そしてその前の対戦は2018年7月のロシアワールドカップの準決勝である。ベルギーが優位に試合を進めたが、この試合唯一のゴールを奪ったのはフランスであった。グリエズマンのCKにニアでサミュエル・ウムティティがヘディングで合わせ、名手チボー・クルトワの壁を破る。フランスは決勝に進出し、クロアチアを破って優勝した。
 すなわち、直近2回の対戦はタイトルマッチの準決勝での対戦であり、いずれもフランスが勝利して、決勝でも勝って優勝している。
 さらに両国のタイトルマッチでの対戦の歴史をさかのぼれば、1986年ワールドカップの3位決定戦と1984年の欧州選手権がある。1986年ワールドカップの3位決定戦はジャン・ピエール・パパンのゴールなどで勝利し、フランスが3位になっている。そして1984年の欧州選手権はグループリーグで対戦、ミッシェル・プラティニのハットトリックなどで5-0と大勝、フランスは主要大会の初優勝を飾る。
 このようにフランスはタイトルマッチの本大会でベルギーにはすべて勝利、その後に栄冠を獲得しているのである。(続く)

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