第3401回 ポルトガルに雪辱、準決勝進出(1) PK戦で1回戦を勝ち抜いたポルトガル

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■攻撃陣に明るい兆しの見えたフランス

 決勝トーナメント1回戦で実現した第1シード対決のフランス-ベルギー戦、グループリーグでは調子を出し切れなかったチーム同士の対戦となったが、フランスが1-0で勝利した。記録の上ではフランスの得点はオウンゴールであり、グループリーグ以来、オウンゴールとPKでしか得点を記録していないが、ベルギー戦の決勝点はランダル・コロムアニのゴールと判定されてもおかしくない。そしてグループリーグ3戦で精彩を欠いた攻撃陣にようやくエンジンがかかった。ボールを支配するだけではなく、シュートまでつながることになった。ただ、シュートの精度はまだまだであり、それが流れの中からの得点を記録できない原因であろう。
 フランスは準々決勝に進出し、前回大会を超える成績になったが、これで満足はしていない。調子を取り戻しつつある攻撃陣のさらなる進化を期待したい。

■予選で10戦全勝したポルトガル、グループリーグでも連勝スタート

 フランスの準々決勝の相手はポルトガルである。ポルトガルは予選では10戦全勝、第1シードの中でもトップである。ポルトガルはグループリーグでは初戦のチェコ戦では先制されたが、追いつき、後半アディショナルタイムにフランシスコ・コンセイソンの決勝点で勝利した。第2戦の相手はトルコ、中堅国と侮るなかれ、ドイツには多くのトルコからの移民が住んでいる。この多くのドイツ在住のトルコ系住民の声援を受けて、初戦はジョージアに3-1と勝利している。すなわち、ポルトガル-トルコ戦は勝利した方が決勝トーナメント進出という試合になった。ドイツにおけるトルコ系住民の大声援はさながらパリにおけるポルトガル住民の声援にひき適するであろう。しかし、戦いの舞台はドルトムントであった。ポルトガルはベルナウド・シルバが先制点を決め、オウンゴールで追加点、最後にブルーノ・フェルナンデスが3点目を決め、3-0とトルコを下して決勝トーナメント進出を確定した。

■初出場のジョージアに敗れるも首位通過

 決勝トーナメント進出を決めたポルトガルのグループリーグ最終戦の相手はジョージアである。ワールドカップ、欧州選手権を通じて本大会初出場となったジョージア、クルセイダーズというニックネームであるが十字軍のようにはいかず、初戦のトルコ戦は0-3と敗れる。第2戦はチェコと引き分け、勝ち点1で最終戦を迎える。勝ち点4にすれば決勝トーナメントが見えてくる。ポルトガルが選手を休養させたということはあるが、ジョージアはポルトガルから2ゴールを奪い、勝ち点を4とした。 敗れたポルトガルはトルコと並んで勝ち点6となったが、直接対決の結果で首位がポルトガル、2位がトルコとなった。

■スロベニアとのPK戦で3連続セーブを見せたディオゴ・コスタ

 ポルトガルは決勝トーナメント1回戦ではグループCを3位で終えたスロベニアと対戦した。ポルトガルはジョージア戦の敗戦を引きずっているのか、攻め込みながらも得点を奪うことができず、90分終えたところで0-0、前後半15分ずつの延長戦でも両チームともスコアレス、PK戦となる。24年ぶりの本大会となるスロベニアの最大のスターは主将を務めるGKのヤン・オブラク、スペインのアトレチコ・マドリッド所属の選手である。延長前半の103分にはクリスティアーノ・ロナウドのPKを止めたオブラクに注目が集まったがヒーローとなったのはポルトガルのディオゴ・コスタであった。ディオゴ・コスタはスロベニアのPKを3本連続でセーブする。一方のポルトガルはクリスティアーノ・ロナウド、ブルーノ・フェルナンデス、ベルナウド・シルバの3人が決めて、3-0で1回戦を突破したのである。
 苦しみながら決勝トーナメント1回戦を勝ち抜いたポルトガルであるが、今大会がおそらく最後のメジャー大会となるクリスティアーノ・ロナウドにまだゴールが生まれていないのである。(続く)

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