第3429回 第4回UEFAネーションズリーグ開幕(3) 低迷期から脱出できないイタリア

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■1年ぶりとなるパルク・デ・プランスでの代表戦

 ディディエ・デシャン監督にとって10回目のタイトルマッチとなる第4回UEFAネーションズリーグが開幕した。初戦はイタリア、第2戦はベルギーと強豪とホームで連戦する。まず、欧州選手権では不調だったイタリアに勝利して、好スタートを切りたいところである。スタッド・ド・フランスがオリンピック、パラリンピックにより使用できないため、イタリア戦の舞台はパルク・デ・プランスとなる。パルク・デ・プランスでフランス代表が試合を行うのは2023年9月7日の欧州選手権予選のアイルランド戦以来のことである。この時はラグビーワールドカップでスタッド・ド・フランスが使用できなくなったために、パルク・デ・プランスに会場を移して試合が行われた。

■2021年欧州選手権以外は低調な成績の続くイタリア

 イタリアは2020年から延期されて2021年に開催された欧州選手権では優勝を果たしたものの、2022年のワールドカップは2018年大会に続き予選で敗退している。2023年8月にはロベルト・マンチーニ監督が突然辞任する。後任にはルチアーノ・スパレッティ監督が就任する。イタリアのクラブで数々の栄光を手にした名将が巻き返しを図った今回の欧州選手権では決勝トーナメントに進出したとはいえ、内容は乏しく、復活を印象付けることができなかった。
 ただ、UEFAネーションズリーグは第2回大会と第3回大会はいずれも決勝ラウンドに進出しており、複数回決勝ラウンドに進出したのはイタリア以外にはスペインとオランダ(ともに2回)だけである。今度こそチームを立て直したいイタリアのスパレッティ監督はフランスとイスラエルとの連戦に向けて2人の新人を含む23人のメンバーを発表した。フランス戦の会場のパルク・デ・プランスを本拠地とするパリサンジェルマンのGKとして活躍しているジャンルイジ・ドンナルンマの名もあり、かつてパリサンジェルマンに所属し、現在はフィオレンティーナでプレーするモイズ・キーンも昨年11月以来の復帰となる。

■イタリアに3連勝中のフランス

 さて、このところ低迷しているイタリアであるが、フランスがイタリアと最後に戦ったのは2018年6月、ワールドカップの直前の親善試合である。ニースで行われた試合でフランスは予選で姿を消したイタリア相手に3-1と勝利している。この試合に出場していた選手で今回のメンバーに入っているのはフランスにはアントワン・グリエズマン、キリアン・ムバッペ、ウスマン・デンベレ、ルカ・エルナンデス、エンゴロ・カンテがいるが、イタリアは誰もおらず、低迷期でメンバーが次々と入れ替わったことを示している。フランスとイタリアの対戦歴をさかのぼると、2016年、2012年に親善試合で対戦しているが、いずれもフランスが勝利し、現在フランスが3連勝している。イタリアの勝利は2008年の欧州選手権までさかのぼらなくてはならない。すなわち、ディディエ・デシャン監督はイタリア戦で勝ったことしかないのである。

■緩やかな世代交代、初選出のミカエル・オリーズが先発

 さて、3年ぶりに代表チームを迎えたパルク・デ・プランス、イタリアが白のユニフォーム、フランスは青のユニフォームで臨む。
 フランスの先発メンバーであるが、GKはマイク・メニャン、DFは右からジョナタン・クロース、イブラヒマ・コナテ、ウィリアン・サリバ、テオ・エルナンデス、中盤は低い位置にユスフ・フォファナとカンテ、高い位置には右からミカエル・オリーズ、グリエズマン、ブラッドリー・バルコラ、FWは1トップでムバッペという陣容である。この中でオリーズは唯一の新人である。オリーズはオリンピックの決勝に続き、パルク・デ・プランスの試合となる。その他のメンバーは欧州選手権のメンバーに入っていたが、欧州選手権の決勝でも先発したのはメニャン、サリバ、テオ・エルナンデス、カンテ、ムバッペのみ、欧州選手権時の控え組が出場機会をつかんだのである。(続く)

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