第3430回 第4回UEFAネーションズリーグ開幕 (4) ブラッドリー・バルコラの 最速ゴールも実らず、逆転負け
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■パリサンジェルマンのチームメイトだった両チームの主将
4回目を迎えたUEFAネーションズリーグが開幕、フランスとイタリアはこれが両国にとって40回目の対戦、フランスにとってはベルギーに次いで対戦歴の多い相手であるが、UEFAネーションズリーグでは初めての顔合わせとなる。過去の対戦成績はフランス11勝、イタリア18勝、10引き分けであるが、現在フランスが3連勝中であることは前回の本連載で紹介した通りである。
パルク・デ・プランスのピッチに立って両国国歌が斉唱され、両チームの主将はフランスはキリアン・ムバッペ、イタリアはジャンルイジ・ドンナルンマ、ムバッペは昨季までパリサンジェルマンに所属し、ドンナルンマは今季もパリサンジェルマンのゴールを守る。
■開始14秒でゴールを決めたブラッドリー・バルコラ
試合はイタリアのキックオフで開始したが、フランスはブラッドリー・バルコラがダッシュして、イタリアのジョバンニ・ディ・ロレンツォからボールを奪い、左サイドを駆け上がり、そのままドンナルンマと1対1になる。中央にはムバッペもいたが、バルコラはそのままシュート、これが決まり、フランスが先制する。バルコラは代表6試合目で初ゴールを記録したが、この得点は開始わずか14秒、これはフランス代表史上最速のゴール記録となる。
これまでの記録は1991年3月30日の欧州選手権予選でアルバニア戦でフランク・ソゼーが記録した34秒であり、33年ぶりに更新した。
パリサンジェルマンのチームメイトに記録的なゴールを献上したドンナルンマであるが、ドンナルンマの代表デビューは2016年のフランス代表戦、その試合でドンナルンマからゴールを奪ったのが当時パリサンジェルマンに所属し、後にドンナルンマをチームメイトとして迎え入れたレイバン・クルザワであり、パリサンジェルマンとは縁がある。
■前半のうちに追いついたイタリア
この一撃で勢いづいたフランスは新人のミカエル・オリーズもドリブルでイタリアの選手を抜いてシュートを放つが、これはドンナルンマがキャッチする。イタリアも6分に反撃、ロレンツォ・ペレグリーニからのクロスをダビデ・フラッテージがヘディングでシュート、バーに当たって跳ね返ったところを今度はマテオ・レテギが再びヘディングするが、枠を外れた。
立ち上がりからゴール前の攻防の多い試合となったが、イタリアは30分に右サイドから大きく左サイドにチェンジ、ボールを受けたフェデリコ・ディマルコはいったんサンドロ・トナーリに預けたが、トナーリはアクロバティックなパスでマークの外れたディマルコにボールを戻し、ノーマークのディマルコが鮮やかに同点ゴールを決めた。トナーリは規律違反で代表から離れ、ほぼ1年ぶりの代表復帰、所属チームのニューカッスルユナイテッド(イングランド)でもほとんど試合に出場しておらず、ルチアーノ・スパレッティ監督の起用に応えた。
■イタリアらしい攻撃で後半に2点を決めてアウエーの試合を制す
試合は1-1というタイスコアで後半を迎えたが、51分、フランスはハーフウエーライン付近でユスフ・フォファナがボールを失う。イタリアはそこから一気に攻め上がり、レテギからのスピードのあるクロスをゴール前でフラッテージが飛び込んで、シュートを決める。ボールを奪ってからの速攻、黄金期のイタリアのサッカーのようであった。
逆転されたフランスは58分にはマヌ・コネを投入する。代表デビューしたコネは出場早々にイタリアのCKからの攻撃をクリアし、見せ場を作る。また出場2分でファウルを犯し、警告も受けた。
リードされたフランスは攻勢を強め途中出場のウスマン・デンベレも積極的にゴールを狙うが、追いつけない。逆に74分に左サイドのアンドレア・カンビアッソから中央のデスティニー・ウドギにつなぎ、最後はジャコモ・ラスパドーリがウィリアン・サリバをかわしてシュート、決定的な3点目を入れる。残された時間でフランスはアントワン・グリエズマン、コネらが惜しいシュートを放つも、ゴールネットを揺らすことなく、1-3と初戦を落としたのである。(続く)