第3431回 第4回UEFAネーションズリーグ開幕(5) メンバーを大きく入れ替えたベルギー戦

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■ワールドカップ決勝のアルゼンチン戦以来の3失点

 4回目となるUEFAネーションズリーグ、フランスは開幕戦でイタリアと対戦、開始14秒でブラッドリー・バルコラが先制ゴール、フランス代表史上最速の得点となったが、前半のうちに追いつかれ、後半に2点を奪われて、1-3と敗れた。フランスはボール支配率で優位に立ったが、イタリアは少ないチャンスをスピードある攻撃でフランスからゴールを奪い、試合内容以上の点差となった。フランスが3失点したのは2022年のワールドカップの決勝のアルゼンチン戦以来のことである。

■フランスと最も対戦回数の多いベルギー

 初戦を終えて勝ち点を上げることができなかったが、3日後の9月9日には第2戦が待っている。第2戦の相手はベルギー、会場はリヨンのグルーパマ競技場である。ベルギーは9月を迎える時点で世界ランキング6位、欧州勢の中ではフランス、スペイン、イングランドに次ぐ4番手である。欧州選手権では決勝トーナメント1回戦でフランスはベルギーと対戦し、1-0と勝利している。この試合が両国の77回目の対戦であった。フランスとベルギーは第二次世界大戦以前は毎年のように定期戦を行っており、それが対戦歴の多さにつながっている。ちなみにフランスと対戦数が2番目に多いのはイタリアであり、フランスはこの連戦で対戦歴の多い2チームと対戦することになる。
 欧州選手権での7月1日の対戦は終盤にランダル・コロムアニのシュートがベルギーの選手に当たってゴールイン、オウンゴールによるフランスの勝利となったが、フランスは準々決勝のポルトガル戦はPK戦による勝利、準決勝のスペイン戦で敗れている。ポルトガル戦は記録上は引き分けであり、フランスはベルギー戦を最後に3試合勝ちがない。
 ベルギーとの直近の対戦もイタリア戦同様、フランスが3連勝している。ベルギーが世界ランキングで1位だった時代にもフランスが勝利しており、相性がいいといってよいであろう。ただ、同じ相性の良かったイタリアにフランスは敗れており、ホームの試合である以上勝利したい。

■リヨンでは今年2回目のフランス代表戦

 パリを離れて、舞台はリヨンのグルーパマ競技場、リヨンでのフランス代表戦はこれが12回目であるが、この競技場でフランスが試合をするのは3月23日のドイツ戦以来である。同じ地方都市でフランスが年に2回をしたことはこれまでに2回しかない。1998年と2016年のマルセイユである。1998年はワールドカップ、2016年は欧州選手権といずれも主要大会の自国開催である。グループリーグで1試合、決勝トーナメントで1試合という形であったが、今回のリヨンは3月のドイツ戦は親善試合、9月はタイトルマッチということでこれまでになかったパターンである。なお、リヨンでは2009年以降は従来のジェルラン競技場に代わって、グルーパマ競技場で試合を行っているが、3月のドイツ戦は初めての黒星であった。

■イタリア戦から先発8人を入れ替え

 フランスの先発メンバーを紹介しよう。GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ウィリアン・サリバ、ルカ・ディーニュ、中盤は中央の低い位置にマヌ・コネ、高い位置には右にエンゴロ・カンテ、左にマテオ・ゲンドウジ、FWは右にウスマン・デンベレ、左にマルクス・テュラム、中央にコロムアニという布陣である。イタリア戦と比較すると大きくメンバーが入れ替わり、2試合連続で先発したのはGKのメニャン、最終ラインのサリバ、中盤のカンテという3人だけになった。イタリア戦で細則ゴールを決めたバルコラも、主将を務めたキリアン・ムバッペも先発から外れた。また、ゲンドウジはオーレリアン・チュアメニの負傷によって追加招集された選手であるが、フランス代表での先発は2022年のワールドカップカタール大会のグループリーグ最終戦のチュニジア戦以来のことである。これだけのメンバーの入れ替えはディディエ・デシャン監督の危機感の表れである。(続く)

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