第3432回 第4回UEFAネーションズリーグ開幕(6) パリサンジェルマン勢の活躍でベルギーに勝利

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■ドメニコ・テデスコ監督に立て直しを託す「赤い悪魔」

 かつては世界ランキング1位になったこともあったベルギーであるが、直近の主要大会である欧州選手権はベスト16、2022年のワールドカップはグループリーグ敗退、2021年の欧州選手権もベスト8と「赤い悪魔」の名にふさわしい結果を残しておらず、2018年ワールドカップ3位が最後の主要大会の表彰台である。現在の世界ランキングは6位にとどまっており、昨年2月にドメニコ・テデスコ監督が就任した。ドイツに歴史的な勝利するなど、2023年は無敗で乗り切り、欧州選手権予選も突破し、当初のテデスコ監督の任期は欧州選手権までであったが、2026年のワールドカップまでに延長された。欧州選手権ではグループリーグでかろうじて2位、そして決勝トーナメント初戦でフランスに敗れたが、成績よりもその内容である。わずか2ゴールであり、さらに選手のパフォーマンスに関係なく同じ選手をテデスコ監督が起用し続けたことも非難の対象となった。

■これまでの主力選手が多数外れたベルギー

 ベルギーはシーズン初めとなるこの時期にイスラエル、フランスと連戦するが、GKのチボー・クルトワが今回の招集を拒否、これまで代表チームの中心となってきたロメル・ルカク、レアンドロ・トロサール、アクセル・ビッツェル、ヤニック・カラスコなどがメンバーから外れている。それでもケビン・デブライネ、ジェレミー・ドク、アルトゥール・テアテ、ユーリ・ティーレマンスなど欧州のビッグクラブで活躍する選手がフランス戦の先発に名を連ねている。
 ベルギーは9月6日にイスラエルとアウエー(ハンガリーで開催)で対戦し、デブライネの2ゴール、ティーレマンスの1ゴールで3-1と勝利している。 白いユニフォームのフランスの主将はエンゴロ・カンテ、欧州選手権のオーストリア戦でキリアン・ムバッペが負傷交代した後にキャプテンマークを着けたが、先発として主将を任されるのはこれが最初である。一方のベルギーはベテランのデブライネが主将を務める。

■先制点はランデル・コロムアニ、追加点はウスマン・デンベレ

 試合は赤いユニフォームのベルギーのキックオフで始まった。3分にはマヌ・コネがロイス・オペンダに対しファウル、オペンダは倒れ、コネにはイエローカードが出される。このシリーズで代表にデビューしたコネはイタリア戦に次いで警告を受けた。序盤から攻めこんだのはベルギーであった。デブライネ、ドク、ドディ・ルクバキオなどがゴールを襲い、マイク・メニャンが防ぐ。守勢一方のフランスの初めてシュートは14分まで待たなくてはならなかった。カンテからパスを受けたマテオ・ゲンドウジのシュートはベルギーのGKクーン・カステールがキャッチした。
 以降もベルギーが優勢に試合を進めていたが、先制点を奪ったのはフランスであった。28分にカンテが攻撃の起点となり、中央にクロス、これをウスマン・デンベレがシュートするが、カステールがクリア、しかし、ランデル・コロムアニがよく詰めており、クリアボールをヘディングで押し込んで先制する。
 この1点でフランスは覚醒した。次々にシュートを放ち、前半のうちに追加点を奪うことができなかったが、一方的にベルギーを押し込んだ。
 後半に入ってもフランスの勢いは止まらず、51分にはコネのシュートが枠を外れるが、57分にはデンベレが追加点を決める。

■オウンゴール以外は6得点連続でパリサンジェルマンの選手が記録

 試合は2-0でフランスが勝利したが、記録が生まれた。先制点を決めたコロムアニ、イタリア戦でフランス史上最速のゴールを決めたブラッドリー・バルコラもパリサンジェルマンの選手である。さらには欧州選手権の準決勝のスペイン戦の得点はコロムアニ、1回戦はオウンゴールであったが、グループリーグ最終戦ではキリアン・ムバッペがPKを決め、初戦はオウンゴールで勝利している。欧州選手権前のスパーリングマッチはカナダ戦はスコアレスドローであったが、その前のルクセンブルク戦は3-0と勝利し、その3点目はムバッペであった。実はオウンゴール以外ではフランス代表は6点連続でパリサンジェルマン所属の選手が得点を決めており、これは2006年にアーセナル所属の選手が決めたゴールと並んだ。10月に記録更新なるかが楽しみである。(この項、終わり)

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