第3444回 中盤を迎えたUEFAネーションズリーグ(2) 主将はオーレリアン・チュアメニ

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■アントワン・グリエズマン不在の代表チームを発表

 イスラエル、ベルギーと戦う10月のUEFAネーションズリーグ、ディディエ・デシャン政権のフランス代表を支えてきたアントワン・グリエズマンが9月30日に代表からの引退を表明した。
 これを受けて、10月3日にデシャン監督は23人の選手を発表した。GKはマイク・メニャン、アルフォンス・アレオラ、ブリス・サンバの3人、DFはジョナタン・クロース、ルカ・ディーニュ、ウェスレイ・フォファナ、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエドゥアルド・カマビンガ、ユスフ・フォファナ、マテオ・ゲンドウジ、マヌ・コネ、オーレリアン・チュアメニ、ウォーレン・ザイール・エメリの6人、FWはブラッドリー・バルコラ、ウスマン・デンベレ、ランダル・コロムアニ、クリストファー・ヌクンク、ミカエル・オリーズ、マルクス・テュラムの6人である。
 また、この中でウパメカノはメンバー発表後に行われたブンデスリーガのフランクフルト戦で負傷したため、チームから離脱する。代わりに招集されたのはロイック・バデである。バデはオリンピックのメンバーであり9月には追加招集されたが、合宿中に負傷してチャンスをつかむことができなかった。バデだけが今回の招集メンバーでは代表未出場である。
 9月の連戦のメンバーに入っていなかったのはカマビンガとヌクンクの2人である。カマビンガは負傷から立ち直り、所属のレアル・マドリッド(スペイン)では活躍している。また、ヌクンクは昨年6月以来の代表入りである。

■キリアン・ムバッペとエンゴロ・カンテが負傷離脱、オーレリアン・チュアメニが主将

 9月のメンバーから外れたのは引退したグリエズマン、9月の招集後に負傷して離脱したフェルラン・マンディに加え、エンゴロ・カンテとキリアン・ムバッペである。カンテもムバッペも負傷が原因であり、主将を務めているムバッペは9月24日のリーグ戦で負傷したため、代表辞退の申し入れがあった。また、カンテは副将、リーダー2人を欠くメンバー構成となった。チームの戦術的な中心であったグリエズマンがチームを去り、精神的支柱のムバッペ、カンテが不在の陣容であり、誰が主将を任されるかが注目を集めたが、デシャン監督は主将にチュアメニを指名した。チュアメニは24歳とまだ若いが、デシャン監督自身も所属していたナントでは19歳で主将を任され、フランス代表では26歳で主将となり、54試合でキャプテンマークをつけている。誰よりも主将という役割を知るデシャンの眼は確かであろう。

■ブダペストでホームゲームを行う戦火のイスラエル

 10月の連戦は14日のブリュッセルでのベルギー戦が重要であるが、その前に控えているのが10日のアウエーのイスラエル戦である。イスラエルは2敗、そして戦火の下ではホームゲームを国内で実施することができず、ホームの3試合はいずれもハンガリーのブダペストでの開催となる。マジックマジャールと言われた1950年代の名選手の名を冠したボジク・ヨージェフ競技場は1万人収容のコンパクトな仕様であるが、観客数を2000人に制限してホームゲームが行われる。

■前回のUEFAネーションズリーグでリーグAへの昇格を決めたイスラエル

 イスラエルについては1970年代まではアジアサッカー連盟に所属していたことから、日本の読者の皆様はよくご存じであろう。1990年代にUEFAに加盟したが、それ以降、ワールドカップ、欧州選手権の本大会に出場したことはない。
 ただし、2022年から2023年にかけて行われた前回のUEFAネーションズリーグではリーグBのグループ2で首位となり、リーグAへの初昇格を決める。また、今回の欧州選手権は予選ではグループIでルーマニア、スイスに次いで3位となったが、UEFAネーションズリーグの成績が良かったためにプレーオフへの出場権を得る。3月21日にブダペストで行われたアイスランド戦で敗れ、初の主要大会出場はならなかったが、戦火の中でイタリア、ベルギー、そしてフランスという強豪と対戦する機会を得たのである。(続く)

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