第3447回 中盤を迎えたUEFAネーションズリーグ(5) 水色ユニフォームのベルギーと対戦
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■アウエーでベルギーを下せば2位以内をほぼ確定できるフランス
久しぶりの対戦となったイスラエルを終盤に突き放して、フランスは勝ち点を6とした。第4節はブリュッセルでのアウエーでのベルギー戦である。ベルギーは第3節ではアウエーでイタリアと対戦、2点のリードを許したが、イタリアに退場者が出たこともあり、追いついてドロー、アウエーで貴重な勝ち点1を獲得した。
イタリアが勝ち点7と一歩リード、続いて勝ち点6のフランス、勝ち点4のベルギーと続き、イスラエルは苦しい勝ち点0、第4節でベルギーはフランスにホームで勝利して逆転したいところである。逆にフランスはアウエーでもベルギーを下せば2位以内をほぼ確定できる。
9月9日にリヨンで行われた試合では本連載第3431回と第3431回で紹介した通り、フランスが2-0と勝利した。ディディエ・デシャン監督が就任してからタイトルマッチでベルギーとは4回対戦したが、そのいずれもフランスが勝利している。
■イスラエル戦と5人先発メンバーを入れ替えたフランス
さて、白いユニフォームで青いショーツのフランスの先発メンバーであるが、GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ウィリアン・サリバ、ルカ・ディーニュ、中盤は低い位置にオーレリアン・チュアメニ、高い位置には右にマヌ・コネ、左にマテオ・ゲンドウジ、FWは中央にランデル・コロムアニ、右にウスマン・デンベレ、左にブラッドリー・バルコラという布陣である。
イスラエル戦と比較するとシステムが4-2-3-1から4-3-3に変更し、両サイドバックがジョナタン・クロースとテオ・エルナンデスからクンデとディーニュに入れ替わっているのと、中盤、攻撃陣ではコネ、ゲンドウジとバルコラが入り、エドゥアルド・カマビンガ、クリストファー・ヌクンク、ミカエル・オリーズがベンチに回り、半数近い5人が入れ替わった。デシャン監督は10月の連戦はこのベルギー戦に照準を合わせてきており、これがデシャン監督の考えるベストメンバーと言えるであろう。
■モナコOBの両主将、ユーリ・ティーレマンスとオーレリアン・チュアメニ
一方のベルギーも4-3-3システムである。GKクーン・カステール、DFは右からゼノ・デバスト、ボウト・フォエス、アルトゥール・テアテ、ティモチー・カスターニュ、MFは右からシャルル・デケテラーレ、オレル・マンガラ、ユーリ・ティーレマンス、FWは右にジェレミー・ドク、左にレアンドロ・トロサール、中央にロイス・オペンダという陣容である。9月の時にはメンバーから外れていたトロサールがチームに復帰、逆にケビン・デブライネはメンバーから外れている。
これまでデブライネが務めてきた主将はティーレマンスが務める。なお、フランスの主将はイスラエル戦同様チュアメニが務める。チュアメニは現在はスペインのレアル・マドリッド、ティーレマンスはイングランドのアストン・ビラに所属しているが、この2人は入れ違いでかつてモナコに所属していた。
■タンタンを由来とする水色のアウエーユニフォームを着用するベルギー
ブリュッセルのボードワン二世競技場でのホームゲームであるが、「赤い悪魔」というニックネームのベルギーはホーム用の赤いユニフォームを着用せず、アウエー用の水色のユニフォーム、茶色のショーツ、白いストッキングを着用する。この配色はベルギーの誇る漫画「タンタンの冒険」の主人公のタンタンに由来している。ベルギー人漫画家のエルジェが1929年に子供向け新聞に連載したのが始まりで、エルジェは亡くなる1983年まで制作を続け、ロングセラーとなった。この作品の主人公のタンタンは少年記者で世界中を飛び回り、問題に巻き込まれながらも愛犬スノーウィとともに解決し、世界中にファンが存在する。このタンタンの服装が上衣は水色、ズボンは茶色、ソックスは白であり、これと同じ配色がアウエーユニフォームに使用されており、サッカーのユニフォームとしては極めて珍しい色の組み合わせであるが、まさに世界を飛び回るアウエーにふさわしい考え方、今年の3月のアイルランド、イングランドとのアウエーの試合から使用されているのである。(続く)