第3448回 中盤を迎えたUEFAネーションズリーグ(6) ベルギーにアウエーで勝利

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■序盤は一方的に押し込んだベルギー

 10月14日、ベルギーの首都ブリュッセルのボードワン国王競技場、2位争いをするフランスはベルギーと対戦する。フランスのマテオ・ゲンドウジのキックオフで試合は始まる。開始早々、マイボールにしたベルギーはレアンドロ・トロサールからペナルティエリア内のシャルル・デケテラーレにパスが渡る。デケテラーレはユーリ・ティーレマンスにパス、新時代のリーダーである主将はシュートを放つが、フランスのGKマイク・メニャンにキャッチされる。
 試合は激しいものになり、5分にはセンターサークル付近でオーレリアン・チュアメニとデケテラーレが接触、7分にはルカ・ディーニュのジェレミー・ドクへのファウルにイエローカードが出される。8分にはベルギーはFKのチャンスをつかみ、ティーレマンスがゴール前にあげて、ロイス・オペンダがヘディングするが、枠の外に外れる。ここからベルギーの時間帯になり、次々とフランスのゴールに向けて攻撃を仕掛け、13分にはオペンダがティーレマンスのクロスをボレーシュートするが、これも枠を外れる。試合の序盤はベルギーが一方的にフランスを押し込む展開となった。

■ベルギー、主将のユーリ・ティーレマンスがPKを失敗して先制ならず

 フランスにとって初めてベルギーのゴール前まで攻め込んだのは16分のCKまで待たなくてはならなかった。しかし、ディーニュがゴール前にあげたボールはチュアメニ、ブラッドリー・バルコラがヘディングしたが、結局ゴールの枠をとらえることができなかった。そして20分、ベルギーがフランスゴール前に攻め込む。オペンダがオフサイドと判定されたが、一連のプレーの中でウィリアン・サリバがオペンダにファウルを犯したとして、VARの判定を待つ。VARの結果、サリバのファウルを取り、サリバにはイエローカード、そしてベルギーにPKが与えられた。キッカーはティーレマンス、ここまではケビン・デブライネに勝るとも劣らぬ活躍を見せてきた。ティーレマンスが右足で蹴ったボールはバーの上を通り過ぎ、PKを失敗してしまう。

■苦しい展開からランダル・コロムアニのPKで先制点をあげたフランス

 先制点は許さなかったものの、フランスは厳しい時間が続く。テクニカルエリアで指示を出すベルギーのドメニコ・テデスコ監督に対し、ベンチで座って戦況を見つめるタイプのディディエ・デシャン監督も立ち上がり、選手を鼓舞する。ようやく30分過ぎにフランスのリズムとなり、33分にバルコラがドリブルでペナルティエリア内にボールを持ち込む。これをボウト・ファエスが倒してしまい、PKがフランスに与えられる。フランスのキッカーはランダル・コロムアニ、35分に放たれたシュートは見事に成功、劣勢のフランスが先制点をあげる。

■前半アディショナルタイムに追いつかれるも、コロムアニのヘディングで勝ち越す

 しかし、前半アディショナルタイム、ベルギーはオペンダがティモシー・カスターニュのクロスをヘディングして、シュートを決めるが、得点が取り消される。しかし、VARの結果、得点が認められ、ベルギーが追いついてハーフタイムを迎えた。ベルギーはホームゲームで35試合連続得点、100年近く有していた記録を更新した。
 前半はボールを持たされながら、攻撃のチャンスのなかったフランスであるが、後半は先にゴールネットを揺らす。58分にマヌ・コネが得点を決めたかに見えたが、このプレーの中でコロムアニのハンドが認められ、フランスの勝ち越し点は取り消される。
 しかし、ハンドで得点を取り消してしまったコロムアニはその直後に挽回する。62分にフランスは左サイドでディーニュとバルコラがボールをつないで中央にクロスを上げる。これをコロムアニがヘディングで合わせる。ベルギーのGKクーン・カステールスは反応したが、スピードとパワーに追いつけず、フランスが勝ち越す。コロムアニは代表通算8ゴール、今回選出されたメンバーの中では最多得点となる。
 76分にチュアメニが2枚目のイエローカードでフランスは1人少なくなったが、守り切ってベルギーを2-1と下したのである。(この項、終わり)

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