第3460回 UEFAネーションズリーグでファイナルラウンドに進出(1) 代表初選出のルカ・シュバリエ
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■11月14日のイスラエル戦でスタッド・ド・フランスに戻ってくるフランス代表
前回までの本連載では1年ぶりにスタッド・ド・フランスに戻ってきたラグビーのフランス代表が日本に52-12と快勝したことを紹介した。
ラグビーの次はサッカーである。終盤を迎えたUEFAネーションズリーグのグループリーグで、11月14日にイスラエルをスタッド・ド・フランスに迎える。イタリアに次いで2位のフランスはファイナルラウンド進出圏内であるが、終盤はイスラエル戦の後は17日にアウエーでのイタリア戦が控えている。
■キリアン・ムバッペ、先月に続き代表から外れる
この2試合に向けて、ディディエ・デシャン監督は23人のメンバーを11月7日に発表した。GKはマイク・メニャン、ルカ・シュバリエ、ブリス・サンバの3人、DFはジョナタン・クロース、ルカ・ディーニュ、ウェスレイ・フォファナ、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエドゥアルド・カマビンガ、マテオ・ゲンドウジ、エンゴロ・カンテ、マヌ・コネ、アドリアン・ラビオ、ウォーレン・ザイール・エメリの6人、FWはブラッドリー・バルコラ、ウスマン・デンベレ、ランダル・コロムアニ、クリストファー・ヌクンク、ミカエル・オリーズ、マルクス・テュラムの6人である。
■キリアン・ムバッペ、先月に続き代表から外れる
10月のベルギー、イスラエル戦に続き、キリアン・ムバッペはメンバーから外れた。ムバッペは負傷により10月の連戦のメンバーを辞退したが、その間にスウェーデンのストックホルムでナイトパーティーを主催し、この行動が社会からの非難を浴びた。すでに負傷から復帰し、所属するレアル・マドリッド(スペイン)での試合には出場しているが、今回は選外となった。メンバー発表の記者会見ではムバッペがメンバーから外れたことが話題となったが、質問に対してデシャン監督はムバッペは代表入りを望んでいたが、デシャン監督自身の判断でメンバーから外したと答えている。
ムバッペも含め、おおむねメンバーは10月と同じであるが、ムバッペと並ぶリーダー格のカンテが代表に復帰した。また、10月は最終的に負傷でメンバーから外れたウパメカノも復帰した。
■唯一の初招集、リールのGKルカ・シュバリエ
そして唯一の初招集がGKのシュバリエである。アルフォンス・アレオラの負傷に伴ってメンバー入りしたが、所属するリールでの活躍は目覚ましい。カレー出身でリールの下部組織でキャリアを積んできた。2020-21シーズンにリールはリーグ優勝を果たしたが、この時のリールには正GKのメニャンがおり、シュバリエは第3GKであった。シュバリエは出場機会を求めて2021-22シーズンには2部のバランシエンヌにレンタルされる。バランシエンヌではほとんどの試合に出場し、1年でリールに復帰、メニャンがACミラン(イタリア)に移籍したこともあり、シュバリエはここでレギュラーの座をつかんだ。パリオリンピックの代表にもティエリー・アンリが選出したが、リールが8月上旬から行われるチャンピオンズリーグの予備戦、プレーオフに出場するため、やむなく辞退した。リールはチャンピオンズリーグのリーグフェーズに進出、ここまで2勝1分1敗という成績であるが、2勝の相手がレアル・マドリッド、アトレチコ・マドリッド(いずれもスペイン)というところに価値があり、シュバリエはこの2チーム相手を1失点に抑えている。またリーグ戦でも現時点で4位、この躍進の原動力にシュバリエがいる。
このシュバリエの成長の源泉となったのが2020-21シーズンでリーグ優勝を果たした時のメンバーであるメニャンである。メニャンからの指導を受けてシュバリエは成長し、23歳での代表入りとなった。メニャンも初めて代表に招集されたときは23歳であった。ファイナルラウンド進出のかかるイスラエル戦、首位突破をかけて戦うイタリア戦と、3番目のGKであるシュバリエの出場は期待薄であるが、この代表での経験は有意義なものとなり、チャンピオンズリーグ、国内リーグでの成果につながるであろう。(続く)