第3463回 UEFAネーションズリーグでファイナルラウンドに進出(4) イスラエルとホームでドローながら2位以内を確定
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■リーグAの厚い壁を思い知らされたイスラエル
これまでのフランスとイスラエルの対戦歴はフランスの5勝4分1敗である。唯一の敗戦が前回の本連載で紹介した31年前のワールドカップ米国大会予選の痛恨の敗戦である。最新の対戦は今回のUEFAネーションズリーグのアウエーでの試合、10月10日にハンガリーのブダペストで行われた試合は、本連載第3446回で紹介した通り、フランスが4-1と快勝している。イスラエルは9月の連戦で連敗し、10月最初の試合では大きくメンバーを変えたものの、力の差は明確で、リーグAの壁の厚さを思い知らされた。
■514日ぶりのスタッド・ド・フランスでの試合となるフランス
サッカーのフランス代表がスタッド・ド・フランスで試合をするのは実に514日ぶりのこととなる。1998年のスタッド・ド・フランスの開業以来、フランス代表が1年以上、このホームスタジアムで1年以上しなかったことはこれまでになかった。この間、欧州選手権があり、多くの選手が入れ替わっている。イスラエル戦の先発メンバー11人を514日前のギリシャ戦の先発メンバーと比較すると、GK(マイク・メニャン)とDFライン(右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ダヨ・ウパメカノ、テオ・エルナンデス)は変更がない。しかし、中盤はエドゥアルド・カマビンガだけが同じでアントワン・グリエズマンは引退し、オーレリアン・チュアメニは負傷で戦列を離れており、エンゴロ・カンテが復帰し、ウォーレン・ザイール・エメリは当時は代表メンバーではなかった。FWもランダル・コロムアニだけがギリシャ戦にも先発しており、キリアン・ムバッペは9月に続いて代表から離れ、キングスレー・コマンはベンチスタート、欧州選手権後に代表入りしたブラッドリー・バルコラとミカエル・オリーズが先発メンバーに名を連ねた。
■攻め続けるも得点をあげられないフランス
青いユニフォームのフランスのキックオフで試合は始まった。10月まで4連敗のイスラエルは10月に対戦した時から7人のメンバーを入れ替えてきた。しかし、フランスとの力の差は明白、白いユニフォームのイスラエルは自陣ゴール前にくぎ付けとなる。フランスは立ち上がりから攻め続けるが、シュートにはなかなかつながらない。ようやく初めての決定機は19分、コロムアニがカマビンガからのパスをヘディングシュートするが、イスラエルのGKが左手一本でCKに逃れた。このCKのチャンスもバルコラのシュートが枠から外れる。その直後にもカンテがシュートを放つが、これもGKの左手に阻まれ、フランスはなかなか先制点をあげることができない。
前半も終盤になり、カマビンガが警告を受け、36分にはイスラエルが決定機をつかむが、シュートが外れ、フランスは救われる。前半終了間際にはカマビンガがペナルティエリア内で倒されたとPKをアピールしたが、主審は反応しない。両チームはゴールネットを揺らすことなくハーフタイムを迎えた。
■後半も無得点、スコアレスドローとなるが、ベルギーの敗戦により2位以内を確定
後半はイスラエルのシュートから始まった。47分のアバダのシュートはイスラエルにとって初めての枠内シュートであったがメニャンが難なくキャッチした。そして試合はフランスが大きく支配し、イスラエルのゴールを目がけて次々とシュートを放つものの、得点をあげることができない。
70分になっても両チームとも選手交代がなかったが、先に手を打ったのがディディエ・デシャン監督、攻撃陣を3人入れ替え、クリスファー・ヌクンク、アドリアン・ラビオ、コマンを投入、コマンは昨年6月以来の代表戦出場となった。攻めに攻めたフランスであるが、有効なシュートが少なく、結局スコアレスドローに終わる。
フランスは勝ち点1の獲得にとどまったが、同日同時刻にキックオフされたベルギー-イタリア戦で、イタリアが1-0と勝利し、3位のベルギーが勝ち点を積み重ねることができなかったため、フランスは2位以内を確定、ファイナルラウンド進出を決めたのである。(この項、終わり)