第3465回 ファイナルラウンドへ首位突破(2) 主将を務めるイブラヒマ・コナテ
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■イスラエル戦から先発7人を入れ替えたフランス
UEFAネーションズリーグの最終節、フランスは逆転首位突破をかけてミラノでイタリアと対戦する。イスラエル戦では攻撃陣が得点を記録することができず、スコアレスドローに終わった。すでにファイナルラウンド進出を決めているとはいえ、首位突破を狙う2位のフランスとしてはイタリア相手に最低3得点とらなくてはならない。
ディディエ・デシャン監督がミラノのサンシーロ競技場に送り込んだ先発メンバーは次のとおりである。GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ウィリアム・サリバ、ルカ・ディーニュ、MFは中央の低い位置にマヌ・コネ、高い位置の右にはマテオ・ゲンドウジ、左にアドリアン・ラビオ、トップ下にはクリストファー・ヌクンク、FWは右にランダル・コロムアニ、左にマルクス・テュラムと、イスラエル戦とは7人が入れ替わるという大幅な変更となった。
■フランス代表で今年6人目の主将となったイブラヒマ・コナテ
そしてイスラエル戦で主将を務めたエンゴロ・カンテがベンチスタートということで主将はコナテが務めることになった。この試合はフランス代表にとって2024年の16試合目で最後の試合となる。これまでの15試合のうち9試合で主将を務めてきたのがキリアン・ムバッペである。欧州選手権までの10試合のうちムバッペは8試合で主将を務めてきた。ムバッペが先発しなかった試合ではオリビエ・ジルー(6月のカナダ戦)、アントワン・グリエズマン(欧州選手権グループリーグのオランダ戦)が主将を務めた。ムバッペが負傷のため代表から外れた10月の時点では代表にはジルーもグリエズマンもおらず、オーレリアン・チュアメニをデシャン監督は主将に任命した。ところがチュアメニは主将2試合目のベルギー戦でイエローカード2枚で退場となってしまう。
結局、11月に招集されたメンバーで主将経験者はカンテだけとなり、カンテが出場しない試合でコナテがキャプテンマークを着用することになった。コナテは所属するイングランドのリバプールでも守備陣のリーダーとして期待されているが、フランス代表の2024年の試合で主将を務める6人目の選手となった。これだけ主将が変わるのは8人が主将を務めた1995年以来のことである。
■ジャンルイジ・ドンナルンマ、直前にウイルス性の腹痛で離脱
一方のイタリアの布陣であるが、3日前にブリュッセルで勝利したベルギー戦と2人しか入れ替えていない。すでにファイナルラウンド進出を決めながらも、首位通過を確保したいという強い意志の表れであろう。しかし、その入れ替わった2人のうちの1人が主将のジャンルイジ・ドンナルンマである。パリサンジェルマンの選手でもあるドンナルンマはフランス戦に対しては特別な感情を持っているであろう。そしてドンナルンマは2021年までは子のサンシーロを本拠地とするACミランの選手であった。ミラノを去ったドンナルンマにとって里帰りとなる試合であった。しかし、ドンナルンマはフランス戦の直前にウイルス性の腹痛に見舞われ、試合を欠場することになった。2021年10月に実質的に歴代最年少の22歳でイタリア代表の主将となり、それ以来、チームの精神的支柱となってきたが、このミラノでのフランス戦に主将として出場することができなくなった。
ドンナルンマに代わってゴールを守るのはグリエルモ・ビッカリーオ、イングランドのトッテナム・ホットスパーの選手である。今年3月のエクアドルとの親善試合で代表にデビュー、まだ3試合しか出場経験がない。そしてドンナルンマに代わって主将を務めるのはFWのニコロ・バレッラである。
■6万8000人の観衆の集まったサンシーロ競技場
チケットは前売りの時点で完売し、6万8000人の観衆がサッカーのオペラ座と言われるサンシーロ競技場を埋め尽くした。フランス代表にとっては空席だらけの3日前のスタッド・ド・フランスとは全く違う光景の中での試合開始となったのである。(続く)