第3527回 UEFAネーションズリーグ準々決勝(4) PK戦でクロアチアを下し準決勝進出

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■アウエーの第1戦で敗れて中2日で第2戦を迎えるフランス

 UEFAネーションズリーグの準々決勝、クロアチアとのアウエーの第1戦を0-2と落としたフランス、これでクロアチア戦は直近3試合は1分2敗と勝ちがない。代表チームには非難が殺到した。特に9か月ぶりに代表チームに復帰したキリアン・ムバッペ、所属チームのパリサンジェルマンでは活躍しているウスマン・デンベレの2人の攻撃陣は押し気味の試合の中で無得点に終わったことからやり玉にあげられた。
 第2戦はスタッド・ド・フランスで行われるが、スプリトでの試合から中2日の3月23日に予定されている。フランス代表の多くの選手はチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの決勝トーナメントなどで同じ相手とホームアンドアウエー方式で連戦することには慣れているが、中2日というケースはなく、その2試合の間に国内リーグ戦などで別の相手と戦うのが通常である。ワールドカップ予選や欧州選手権予選のプレーオフに限定される非日常の環境の中で両チームはパリに移動した。

■大幅に選手を入れ替えたディディエ・デシャン監督

 ディディエ・デシャン監督は大幅に先発メンバーを入れ替えた。GKはマイク・メニャンと変わらないが、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ウィリアン・サリバ、テオ・エルナンデス、MFは低い位置にマヌ・コネとオーレリアン・チュアメニを配し、高い位置の中央にはミカエル・オリーズ、右にウスマン・デンベレ、左にブラッドリー・バルコラ、そして1トップにはキリアン・ムバッペという攻撃に重点を置いたメンバーをそろえた。第1戦と比べるとシステムも変更しているが、半数近い5人のメンバーが入れ替わった。逆に、第1戦を制したクロアチアは先発メンバーの変更は1人だけにとどまった。
 第2戦もフランスは上から下まで青一色のユニフォーム、クロアチアは赤と白の市松模様でデザインの違うユニフォームでフランス入りした。

■前半は無得点、後半のミカエル・オリーズとウスマン・デンベレのゴールで追いつく

 なんとしても2点の欲しいフランスは前半の立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛ける。開始早々には第1戦では先発メンバーではなかったテオ・エルナンデスやバルコラがサイドから攻めあがる。フランスのボール支配率は7割を超えるが、なかなか先制点をあげることができない。38分にはバルコラがGKと一対一となるが、ドミニク・リバコビッチに防がれる。両チーム無得点のままハーフタイムを迎えるが、フランスは12本のシュートを放つが、枠内は1本のみ、一方のクロアチアは2本しかシュートがなく、枠内シュートはなかった。第1戦同様、押し気味のゲームで得点が入らないフランスにファンのフラストレーションがたまる。
 しかし、デシャン監督の選手起用が当たった。52分にオリーズがゴール前20メートル弱のFKを直接決める。代表5試合目でうれしい初ゴールとなった。フランス代表の試合でFKから直接ゴールを決めたのは2018年3月のロシアとの親善試合でのポール・ポグバ以来年ぶりのことである。
 そして同点ゴールを決めたのはここまでファンの期待に応えられなかったデンベレであった。ルカ・モドリッチからボールを奪ったフランスはパスをつなぎ、デンベレのシュートはリヨンに所属するドゥイエ・チャレタ・ツアルの足の間を抜けてゴールネットを揺らす。

■延長戦では無得点、PK戦は7人目で決着

 試合はそのまま90分が終わり、延長戦に突入する。延長戦ではフランスが一方的に攻めるが、勝ち越し点を奪うことができず、120分が経過した。
 試合はPK戦となったが、先蹴のクロアチアのトップのマルティン・バトゥリナのシュートをメニャンが止める。フランスのトップのムバッペは成功させる。2人目と4人目は両チームとも成功、3人目は両チームとも失敗、後蹴のフランスの5人目はテオ・エルナンデス、成功させれば勝利であったが、失敗する。6人目は両チーム成功、そしてクロアチアの7人目のヨシプ・スタニシッチをメニャンが止める。最後はウパメカノが成功させて、フランスを準決勝に導いたのである。(この項、終わり)

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