第2699回 リヨン、ユベントスを下す (2) アウエーゴールの差でリヨンが準々決勝進出

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■リーグ終盤は不振だったイタリア王者のユベントス

 セリエAの王者としてフランスリーグ7位のリヨンを迎えるユベントスであるが、およそ王者らしからぬ戦いが続いている。再開後は6月イタリアカップでは準優勝、リーグ戦では3連勝したところで7月を迎えたが、7月の戦績は3勝2分4敗と負け越した。特に最後の2試合は連敗、結局2位のインテルミラノとの勝ち点差はわずか1であった。
 第1戦はリヨンがホームで1-0で勝利していることから、ユベントスとしてはまずは勝利が必要であり、さらには得点差をつけての勝利が欲しいところである。一方のリヨンは何とかロースコアの試合に持ち込みたいところである。

■第1戦、リーグカップ決勝とほとんどメンバーが変わらないリヨン

 リヨンの先発メンバーであるが、GKはアントニー・ロペス、DFは3バックで右からジェイソン・デナイヤー、マルセロ、マルシャル、MFは5人、右からレオ・デュボワ、マクサンス・カケレ、ブルーノ・ギマラエス、ホッセム・アウア、マクスウェル・コルネ、2トップは右にメンフィス・デパイ、左にカール・トコ・エカンビという布陣となる。このメンバーは1週間前のリーグカップ決勝とはムーサ・ダンベレとトコ・エカンビが入れ替わっただけである。さらに5か月前のリヨンでの第1戦の際は負傷中のデパイに代わってダンベレが出場していた。つまり、このメンバーに関してルディ・ガルシア監督は絶対の自信を持っているといえよう。なお、リヨンでの試合で決勝点をあげたルカ・トゥザールはドイツのヘルタ・ベルリンに移籍している。

■得点を取りたいユベントスからPKで先制点を奪ったリヨン

 得点を取りたいユベントスはトップにゴンサロ・イグアインを起用、両翼には左にクリスティアーノ・ロナウド、右にフェデリコ・ベルナルデスキという攻撃力のある攻撃陣である。また、中盤にはアドリアン・ラビオ、ベンチにはブレイズ・マツイディとパリサンジェルマンから移籍したフランス代表選手が名を連ね、ジャンルイジ・ブッフォンもパリサンジェルマンからの移籍組である。
 ユベントスは8分にイグアインからのパスをクリスティアーノ・ロナウドがシュートするがオフサイドとなる。逆に10分にリヨンはアウアがペアルティエリア内に侵入、ユベントスのロドリゴ・ベンタンクールが倒してしまい、主審はPKを宣告するが、VARを利用する。VARの結果、PKとなり、この日主将を務めるデパイがPKを蹴る。デパイは大胆にもパネンカでPKを成功させ、リヨンは願ってもないアウエーゴールを手にした。ユベントスはこれで3点を取らなくてはならなくなった。序盤はユベントスがボール支配をするものの、それがなかなかシュートに結びつかない展開となり、フラストレーションがたまっているのか、クリスティアーノ・ロナウドが主審に不満を言うが、受け入れられない。

■PKで追いつかれ、勝ち越しを許したが、アウエーゴールの差で競り勝ったリヨン

 41分にユベントスはペナルティエリアの外からFKのチャンス、ミラレム・ピャニッチのシュートはリヨンの黒い壁に跳ね返されたが、このプレーの中でデパイのハンドがあったのではないかということでVARとなる。VARの結果、PKとなり、クリスティアーノ・ロナウドが決めて、前半のうちにユベントスは追いつく。
 あと2点必要なユベントスは、後半に入り、60分にクリスティアーノ・ロナウドがリヨンの選手を交わして左足でシュート、このシュートをリヨンのGKアントニー・ロペスは防げず、ユベントスが2-1と勝ち越す。しかし、このスコアのままではユベントスは敗退となってしまう。ユベントスは攻勢を強め、試合は一方的な展開となる。両チームともためらうことなく選手交代を進めるが、84分にユベントスは途中から入った切り札のパウロ・ディバラが負傷して退場する。
 試合の最後の見せ場は後半アディショナルタイム、92分にユベントスが好位置でFKを得て、クリスティアーノ・ロナウドが狙うが、壁に当たり、万事休す。
 試合は2-1でユベントスが勝利したが、2試合合計スコアは同じで、アウエーゴールの差でリヨンが準々決勝に進んだのである。(この項、終わり)

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