第39回 さらば、ヨーロッパ(1) 秋の陣、8チームが欧州へ挑戦
■2年連続でベスト8に残れなかったフランス勢
欧州のクラブチームの夢である欧州カップ。フランス勢が頂点に立ったことはパリサンジェルマンが1995-96シーズンに欧州カップウィナーズカップで優勝しただけであるが、コンスタントに好成績を残してきた。しかし、今年は2月末のチャンピオンズリーグの二次リーグ第4節とUEFAカップ4回戦を最後にすべてのフランスのチームが消え、フランスのチームがベスト8入りできない、という2年連続の深刻な結果になってしまった。
■6月から始まったインタートトカップ
欧州の頂点を目指す欧州カップはリーグ戦以上の長丁場である。UEFAカップの予選にあたるインタートトカップは昨年6月16日に開始されている。フランスからは2000-01シーズンのリーグ戦6位から9位までのレンヌ、トロワ、バスティア、パリサンジェルマンが参戦した。レンヌを除く3チームは2回戦から出場し、バスティアは初戦で1回戦から登場したクロアチアのスラベン・ベルポに敗れたが、トロワとパリサンジェルマンは2回戦、3回戦と順調に勝ち上がった。
一方、リーグ戦6位で3回戦から参戦したレンヌも3回戦を突破し、3チームが準決勝に進出した(3つの決勝が行われるため、準決勝は6試合行われる)。準決勝でレンヌはイングランドのアストンビラにアウエーゴール2倍ルールで敗退、決勝にはトロワとパリサンジェルマンが残り、トロワはニューキャッスル(イングランド)、パリサンジェルマンはブレシア(イタリア)と欧州への道をかけて戦うことになった。両チームともホームで戦った第1戦はスコアレスドロー。暗雲が立ち込めたが、第2戦でトロワはニューキャッスルで4-4、パリサンジェルマンはブレシアで1-1といずれも得点を奪ってドローに持ち込み、見事にUEFAカップの切符をつかんだのである。
■チャンピオンズリーグの予備戦と一次リーグ
一方、前年度のフランスリーグで3位になったリールはチャンピオンズリーグの予備戦の3回戦から登場し、イタリアの強豪パルマを破り、一次リーグに進出したことは日本の皆さんも驚かれたことであろう。チャンピオンズリーグの一次リーグは9月から10月にかけて4チームずつ8つのグループで争われ、各グループの上位2チームが二次リーグに進出、3位のチームはUEFAカップの3回戦に回ることになる。フランスリーグ1位のナントはグループDでガラタサライを押さえてグループ首位で二次リーグに進出したが、フランスリーグ2位のリヨンはバルセロナ(スペイン)、レバークーゼン(ドイツ)に及ばずグループFで3位、同じくリールもグループGでラコルーニャ(スペイン)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の後塵を拝し3位にとどまり、UEFAカップを目指すことになったのである。
■様々なチームが参戦するUEFAカップ
各国のリーグ上位チーム、各国のカップ戦の勝者、各国のリーグカップの勝者に加えてインタートトカップの勝者ならびにチャンピオンズリーグの一次リーグで惜敗したチームなど様々なチームの争うUEFAカップ。フランスからはリーグ戦上位チームとして4位のボルドーと5位のスダン、フランスカップの勝者であるストラスブール、インタートトを勝ち抜いたトロワとパリサンジェルマン、という5チームが9月に行われた1回戦から参戦し、チャンピオンズリーグからリヨンとリールが11月と12月に行われた3回戦から加わった。(リーグカップの勝者はリーグ2位でチャンピオンズリーグに出場したリヨン)
まず、1回戦を突破したのはボルドー、トロワ、パリサンジェルマンの3チーム。スダンはプリブラム(チェコ)、ストラスブールはスタンダード・リエージュ(ベルギー)に敗れた。10月に行われた2回戦、ボルドーはホーム、アウエーともスタンダード・リエージュを2-0と下し、ストラスブールの敵を討つ。パリサンジェルマンは1996年にカップウィナーズカップを制覇した時の決勝の相手ラピッド・ウィーン(オーストリア)を下す。しかしながらトロワはリーズ(イングランド)に1勝1敗ながら第2戦の78分にロビー・キーンに奪われたゴールにより得失点差で及ばず涙をのんだ。
フランスでは11月の初めは諸聖人祭のバカンス。フランスからは欧州カップに8チームが出場(インタートトカップも含めれば10チーム)したが、このバカンスが終わった時点で残っているチームはチャンピオンズリーグのナント、UEFAカップのボルドー、パリサンジェルマン、リヨン、リールという5チームになったのである。(続く)