第146回 UEFAカップも惨敗(2) UEFAカップ初出場の2部ロリアン、1回戦で敗退
■1回戦から出場したボルドー、パリサンジェルマン、ロリアン
前回紹介したUEFAカップへの3つの道のうち前シーズンが終了した時点で出場権を得ることができたパリサンジェルマン(リーグ4位)、ロリアン(フランスカップ優勝)、ボルドー(リーグカップ優勝)の3チームの戦いについて紹介しよう。UEFAカップも8月に予備戦が行われたが、フランス勢3チームは9月中旬に始まった1回戦からの出場となった。
フランス勢の1回戦の対戦相手は、ボルドーはスロバキアのプホフ、パリサンジェルマンはハンガリーのウィペシュティ、ロリアンはトルコのデニズリシュポールである。
■1回戦を突破したボルドーとパリサンジェルマン
ボルドーは他の2チームより一足早く9月17日にホームのシャバン・デルマス競技場で初戦を迎えた。3日前にマルセイユに敗れ、リーグ戦7位に交代したボルドーであるが、ホームで快勝して弾みをつけたいところである。そのボルドーの思い描くような試合展開となり、ゴールラッシュ、6-0と言う大差で初戦を飾った。
9月19日にパリサンジェルマンはパルク・デ・プランスに日本でもおなじみのブタペストの名門を迎える。ウィペシュティ・ドージャと名乗り、国立を皮切りに大宮、長居、岡山、鴨池、西京極と日本を縦断して日本代表と6試合を行ったことから日本のファンの方にこのチームはよく知られているであろう。今回のワールドカップで16強に残った日本代表を4勝2分と圧倒し、日本のファンにマジック・マジャールの実力を見せつけたことは前日本代表監督のフランス人フィリップ・トルシエを通じてパリにも情報が届いていたであろう。パリサンジェルマンも前週にリールに2-1と敗れており、ホームで立て直したいところ。2万6000人の地元ファンの期待に応え、南米勢が大活躍する。ブラジル代表のロナウジーニョ、アルゼンチン代表のマウリシオ・ポチェッティーノ、代表経験こそないが2001年のアルゼンチンリーグで得点王の経験もあるマルティン・カルデッティが得点を重ね、3-0と安全圏の得点差で勝利をおさめる。
この両チームは2週間後の10月3日に行われたアウエーの第2戦でもボルドーは4-1、パリサンジェルマンは1-0と危なげない勝利をおさめ、2回戦に進出する。
■2部に降格したロリアンがUEFAカップに初挑戦
3番目のチームとしてフランスカップ優勝のロリアンがUEFAカップに挑戦した。昨年度はフランスカップで優勝しながらリーグで最下位となり、2部リーグに降格して欧州カップ初挑戦となる。フランスの2部リーグからのUEFAカップ出場は3年連続となるが、2000-01シーズンはグーニョンがギリシャのイラクリスに、2001-02シーズンにはストラスブールが出場したが、1回戦でベルギーのスタンダード・リエージュに1回戦で敗れている。ロリアンは1回戦の壁を突破したいところである。9月19日にフランス勢唯一のアウエーゲームでのスタートとなったロリアンはトルコのデニズリに乗り込む。1回戦の相手のデニズリシュポールも欧州カップ初登場である。しかし、2部リーグでも中位をさまよっていたロリアンにアウエーゲームで勝ち点をあげることは期待できず、0-2と完敗する。
■ロスタイムのゴールも実らず、1回戦で敗退
2点差を追うロリアンはリーグ戦でも連勝し、順位を4位に上げて10月3日の第2戦を迎える。ロリアンは立ち上がりからフランス代表としてパトリス・ロコを中心に攻める。しかし、先制点は20分にデニズリシュポール、デニズリシュポールのFKをロリアンのDFのリシャール・マルティニがヘッドで自ゴールにたたきこんでしまう。ロリアンは先制点を許し、2回戦進出に大量点が必要である。前半終了間際にザイ・クルニが今度はCKから相手のゴールにヘッドで押し込み、同点に追いつく。そして後半開始早々の47分にロコのパスがコートジボワール人のチレスア・グエルの勝ち越し点につながる。あと1点で得失点差で追いつくが、アウエーゴール2倍ルールで敗退するロリアンはその後も必死の攻めを続けるが、デニズリシュポールのドイツ人GKダーク・ヘイネンの好セーブに阻まれる。試合はついにロスタイム。ロスタイムに入って3分、ここでようやくアントニー・ゴーバンが3点目、しかしゴールに喜ぶのもつかの間、欧州カップ初勝利は苦い記憶となる。デニズリシュポールとは1勝1敗、得失点差で並んだが、アウエーゴール2倍ルールでロリアンは欧州の舞台から去り、1部復帰を目指す日常へと戻ったのである。(続く)