第149回 UEFAカップも惨敗(5) オセール以外の4チームが3回戦で敗退
■12月12日に欧州各地で5試合
フランス勢にワールドカップイヤー最後の国際試合の日がやってきた。11月末のUEFAカップ3回戦の第1戦で今ひとつの成績であったが、第2戦で所定の成績を残し、年越しを決めたいところである。12月12日、東京では大江戸線全線開業2周年のイベントが繰り広げられたその日、欧州各地でフランス勢の5試合が繰り広げられた。
■昨年度リーグチャンピオンのリヨン、不覚
まず、先鋒となったのは昨年のリーグチャンピオンのリヨン、アウエーの第1戦でスコアレスドロー、18時キックオフのホームの第2戦では勝てばいい。ところが、リーグ戦でも得点ナンバーワンのリヨンの調子がおかしい。地元有力企業のクレディ・リヨネがクレディ・アグリコル・インドスエズに吸収されるというショッキングなニュースが選手たちにも動揺を与えたのであろうか。試合開始早々の5分にデニズリシュポールに先制点を許す。ここでリヨンは2点が必要になる。ほぼ満員のジェルラン競技場のファンの期待に応えることなく、ゴールが奪えない。リヨンにとっては1991-92シーズンにUEFAカップでトラブゾンシュポールに連敗して以来のトルコ勢との対戦での敗退となったが、前年度リーグチャンピオンが欧州カップでトルコ勢に敗れたのは1985-86シーズンの欧州チャンピオンズカップ1回戦でボルドーがフェネルバフチェに敗退して以来の歴史的な敗戦である。
■オセール、見事な逆転勝利
このリヨンの敗戦を挽回したのが19時30分キックオフの次鋒オセールである。アウエーではベティスに0-1と最少得点差での敗退で、ホームのアベ・デシャン競技場に戻ってきた。2点差で勝つことができれば3回戦進出である。内弁慶と言われるベティスはオセールでは完全に沈黙、19分にティーヌ・タイニオが先制点。48分に主将のヤン・ラシュールが目標を達成する2点目をあげる。フィリップ・メクセスを中心とする守備陣も安定し、失点を許さず、2試合通算で2-1と理想的なパタンで逆転勝ちを収めたのである。
■ボルドーの遅すぎた反撃、ランスは及ばず
ところが、中堅以降が大崩れする。中堅は20時30分にブリュッセルで試合を行うボルドー。アンデルレヒト相手にホームで0-2と絶望的なスコア。今までのアンデルレヒトは欧州カップでフランス勢と4回対戦したが、敗退したのは、1992-93のUEFAカップでのパリサンジェルマン戦しかなく、自信を持ってホームの試合に臨む。そのとおりアンデルレヒトは29分、68分と得点を重ね、勝利をほぼ手中にする。ところが、ボルドーも意地を見せ、昨年のロリアンの首相としてフランスカップ優勝の原動力となり、今季ボルドーに加わったジャン・クロード・ダルシュビユが83分と90分に連続得点し、ドローに持ち込む。結果的には遅すぎた2ゴールとなった。
4番手の副将は21時15分に地元フェリックス・ボラールでポルトを迎えるランス。アウエーでの0-3という大敗を挽回するためには4点が必要である。奇跡を期待してほぼ満員の観衆が黄色と赤のチームカラーに染まり、28分にストッパーのリゴベール・ソングがダニエル・モレイラのCKから始まったチャンスを活かし、先制点。ところが、その後ゴールネットを揺らすことなく、奇跡は起こらず、フランス勢の3回戦の負け越しが決定した。
■パリサンジェルマン、ボアビスタに逆転負け
そして22時30分にポルトのもう1つのチーム、ボアビスタとポルトで対戦するパリサンジェルマンが大将として登場する。ホームで2-1と辛勝したパリサンジェルマンは引き分け以上の成績ならば4回戦進出、負けた場合はハイスコアの1点差試合のみ許される。試合は両チーム無得点が続く。スコアレスドローもパリサンジェルマンにとっては重要な可能性である。ところが、後半に入り56分、パリサンジェルマンのGKリオネル・レティジのシルバへのプレーにPKが与えられる。パリサンジェルマンには不幸な笛であったが、ここはポルト。シルバが決めて、そのまま試合は終了。アウエーゴール2倍ルールでボアビスタが4回戦進出。パリサンジェルマンにとってはPKよりもホームの第1戦の結果が悔やまれ、大将も敗退。すでにその時フランスは日付が変わり13日の金曜日となっていた。(ポルトガルとフランスの間に時差は1時間)
結局、5チームが出場したUEFAカップ3回戦は1勝4敗。唯一の希望であるオセールは4回戦でジェラール・ウリエ率いるリバプールと対戦するのである。(この項、終わり)