第274回 UEFAカップ秋の陣(2) 4チームすべてが2回戦進出

■中堅以下の国の代表と戦うフランス勢4チーム

 ボルドー、ソショー、オセール、ランスの4チームがチャレンジするUEFAカップ本戦の1回戦は9月24日から始まった。最初に欧州挑戦のキックオフを迎えたのはランスとソショー。ランスはマケドニアのセメンタルニカ、ソショーはフィンランドのマイパといずれもアウエーでフランス時間の18時にキックオフ。マケドニアもフィンランドもワールドカップや欧州選手権の本大会には及ばない国であるが、国内リーグでは首位を争うチームがUEFAカップに出場するため、国内リーグの成績が中の上であるフランス勢にとっては油断大敵である。

■ソショー、ランス、オセールの第1戦は1-0の辛勝

 ソショーもランスも相手からゴールを奪えず、時計の針は進む。先に得点を奪ったのはバルカン半島で戦うソショーだった。前半終了間際の45分にスーレイマン・ディアワラがゴールを奪い、ハーフタイム。一方の北欧ではランスが得点を奪えない。フェアプレー枠で出場したランスであるが、選手も苛立ちを隠せず、イエローカード3枚を提示される。このまま試合終了かと思われた90分にパパ・ディオップが決勝点、ソショーもランスも敵地での第1戦を1-0と制す。まさに油断大敵を認識させる戦いとなったのである。
 ソショー、ランスが敵地での戦いに苦しみ、ようやく勝利をあげて安堵している20時45分、日も暮れたオセールではスイスのヌシャーテルを迎えてキックオフ。こちらはオセールが試合開始早々の6分にボナバンチュール・カルーが先制点。昨年まで小野伸二と同じフェイエノールトに所属していたことから日本の読者の皆様もよくご存知の選手であろう。ホームゲームでは大量点を狙いたいオセールであるが、全く攻め手を欠くスイスリーグ3位のヌシャーテルに追加点を奪えない。結局、オセールは、ソショー、ランスと同じ1-0と言うスコアで第1戦を終えたが、ホームで戦ったことを考えれば不満の残るスコアである。

■ボルドー、ホームで失点、アウエーでかろうじて引き分け

 1日遅れてボルドーが登場する。相手はスロバキアのペトルザルカ。前日の3チームが今ひとつの成績で第1戦を終えており、欧州カップの常連としての貫禄を見せたいところである。シャバンデルマスに集まった観衆の期待に応えて7分にアルベルト・リエラが先制点。ところが16分にまさかの同点ゴールを奪われる。他の3チームはいずれも無失点で第1戦を乗り切っており、不覚である。ボルドーが勝ち越し点を奪うことができたのは36分のことであった。ジャン・クロード・ダルシュビルの勝ち越し点の後もボルドーは一方的に攻め込むが、そのまま両チーム無得点で試合終了。ボルドーの勝利は1点差であり、しかもホームでゴールを許していることから2週間後の第2戦に向けて暗雲が立ち込めたのである。
 10月15日に第2戦が行われたが、フランス勢4チームは時間差をつけて登場した。まず18時45分にボルドーが登場する。ブラスチラバの試合を0-1で落とすとアウエーゴール2倍ルールによって1回戦敗退となる。このゲームはペトルザルカのホームスタジアムに照明設備がないため、スロバン・ブラスチラバのホームスタジアムで行われた。欧州カップ開催に適さないスタジアムしか有しないクラブがホームゲームを本拠地以外で行うと言うケースは、一昨年のUEFAカップ4回戦でリヨンを倒したチェコのスロバン・リベレツを本連載の読者の皆様ならご存知であろう。ボルドーは優位に試合を進めるが、得点は奪えず、2年前の悪夢が脳裏をよぎる。スコアレスドローで逃げ切りか、と思われた86分にまたもやダルシュビルがボルドーを救う先制点。ペトルザルカもロスタイムに追いつくが、ボルドーは1勝1分でかろうじて2回戦に進出したのである。

■第2戦も1-0のソショーとオセール、唯一大勝したランス

 30分遅れでキックオフしたソショーは58分に決勝点、その1時間後に登場したオセールも53分に決勝点を上げて両チームとも2戦連続して1-0の勝利で2回戦に進出する。唯一快勝と言えたのが、殿を務めたランスであった。本拠地フェリックス・ボラールで20時45分にキックオフされた試合でゴールラッシュ、5-0と言う大差でフラストレーションのたまったフランスのサッカーファンの溜飲を下げたのである。不本意な試合の多かったフランス勢であるが4チームすべてが負けることなく2回戦に進出したのである。(続く)

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