第404回 フランス勢5チームが越年 (1) 最終節に挑むモナコとパリサンジェルマン

■ブラウン管の主役、チャンピオンズリーグ

 フランスも代表人気は自国開催のワールドカップが頂点で、スタッド・ド・フランスの主役はラグビーのフランス代表となり、ブラウン管の中の主役はクラブチームに変わった。国内リーグの試合は地上波では放映されず、地上波で放映される国内タイトルはフランスカップやリーグカップであり、多くのファンが注目するのはチャンピオンズリーグである。今年のチャンピオンズリーグについては昨年度リーグ上位3チームのリヨン、パリサンジェルマン、モナコが出場し、9月ならびに11月に本連載で紹介し、グループリーグの第4節までの戦いを紹介した。
 第4節を終了した時点でリヨンは早々と決勝トーナメント進出、パリサンジェルマンとモナコは3位で残り2試合に決勝トーナメント進出を託すことになった。

■地元で3連勝したモナコ

 グループリーグ第5節は11月23日と24日に行われた。グループAのモナコは11月23日にリバプールを地元に迎えて、決勝トーナメントを目指した。リバプールはオリンピアコスと並び勝ち点7で首位、モナコは勝ち点6であり、リバプールに勝てば順位が逆転する。モナコはこれまでデポルティーボ・ラコルーニャ、オリンピアコスに本拠地で勝利している。これまでは熱心なファンが少なくホームアドバンテージを享受することができなかったが、昨年あたりから多くのファンが集まるようになってきた。リバプールとの戦いも2万人近いファンがスタジアムに集まった。モナコとリバプールは第1節で対戦し、本連載第372回で紹介したとおり、リバプールが2-0と完勝しているが、今回は勝ちたいものである。リバプールは開始早々に負傷者が出てフォーメーションを変えざるを得なくなる。モナコも決していい出来とはいえなかったが、55分にサビオラがゴールをあげ、この唯一の得点を守りきって勝ち点3を獲得する。
 そしてグループAのもう一つの試合のオリンピアコス-ラコルーニャ戦はオリンピアコスが勝って勝ち点を10に伸ばし、首位をキープする。モナコは決勝トーナメント進出をかけて最終戦ですでに望みを絶たれたデポルティーボ・ラコルーニャの本拠地に乗り込むことになった。

■監督就任1000試合目の引き立て役となったリヨン

 同日にマンチェスターではリヨンがマンチェスター・ユナイテッドと対戦、マンチェスター・ユナイテッドはアレックス・ファーガソン監督の就任以来1000試合目という記念すべき試合を2-1で飾り、8年連続のグループリーグ突破という花を添え、すでにグループリーグ突破を決めていたリヨンは引き立て役になったのである。

■強豪相手にアウエーで引き分けたパリサンジェルマンが迎える大一番

 そして第4節でポルトを破ったパリサンジェルマンは第5節ではアウエーでチェルシーと対戦する。これまで4連勝のチェルシーはすでにグループHの首位を確定、ホームゲームとはいえメンバーを落としてパリサンジェルマンを迎える。パリサンジェルマンとって勝てば2位浮上のチャンスである。しかし相手は今季ほとんど負けていないチーム、パリサンジェルマンもチャンスをつかむが、なかなか得点をあげることはできず、結局スコアレスドロー。パリサンジェルマンは最大の難敵相手に勝ち点1を獲得する。
 最終節を迎える時点で首位はチェルシー(勝ち点10)、2位CSKAモスクワ(勝ち点5、得失点差-2)、3位パリサンジェルマン(勝ち点5、得失点差-3)、4位ポルト(勝ち点5、得失点差-3)となり、2位から4位までの3チームが同勝ち点で並んだ。グループHの最終節は12月7日に行われ、パリサンジェルマンがCSKAモスクワを、ポルトがチェルシーを迎える。パリサンジェルマンはCSKAモスクワに勝てば決勝トーナメント進出、引き分けの場合でもポルトがチェルシーに引き分け以下の成績ならばベスト16進出である。逆にCSKAモスクワに敗れた場合、パリの夢は絶たれる。また、CSKAモスクワはパリサンジェルマンに勝ってもポルトがチェルシーに勝ってしまえばパリでの勝利は無意味となる。本連載第372回で述べたように12月7日のパリでの直接対決が大一番となったのである。(続く)

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