第407回 フランス勢5チームが越年 (4) 3チームがUEFAカップ1回戦を突破
■フランスから4チームが挑戦したUEFAカップ
今年はチャンピオンズリーグの前身のチャンピオンズカップがフランス人ジャーナリストによって提唱されてから、今年でちょうど50年。しかし忘れてはならないのは、UEFAカップがチャンピオンズカップ以上の歴史を持ち、そして1990年前後には最も獲得するのが難しいと言われてきたことである。そのUEFAカップは現在、チャンピオンズリーグよりも下位のタイトルとされ、日本ではテレビ放映されることがあるが、フランス国内では地上波でのテレビ放映がなくなって久しい。
しかしながら、出場権を得たチームは「欧州の頂点」を目指して強行日程を戦うことになる。今年、フランスからはフランスカップ優勝チームがパリサンジェルマンであったため、代理として準優勝チームのシャトールー、リーグカップを制覇したソショー、リーグ上位チームとして4位のオセール、そしてリーグ10位ながら、上位チームのインタートトカップ辞退による繰上げ出場のチャンスをものにしてインタートトカップを勝ち抜いたリール、この4チームがUEFAカップでもう1つの欧州の頂点を目指した。
毎年のように大会規定が変わる欧州カップであるが、本年のUEFAカップはチャンピオンズリーグ同様、リーグ戦方式が導入された。まず、出場80チームがホームアンドアウエーで1回戦を行い、勝ち抜いた40チームが5チームずつに分かれてグループリーグを行う。各グループ上位3位の24チームに、チャンピオンズリーグでグループリーグ3位となった8チームを加えた32チームが決勝トーナメントを戦うことになる。
■ソショー、オセールは難なく1回戦を突破
9月に行われた1回戦でフランス勢は上々のスタートを切った。ソショーはノルウェーのスタバックと対戦、第1戦をホームで4-0、アウエーの第2戦も5-0と連続して大勝、66年ぶりの国内タイトルがフロックではなく、リーグ戦5位の力を実証した。オセールはエースのジブリル・シセがリバプールに去った中での欧州挑戦となったが、デンマークのAaBと対戦、アウエーの第1戦では先制点をあげながら、追いつかれてドロー、しかし、ホームではコートジボワール代表のボナペントウル・カルー、ジンバブエ代表のベンジャニ・ムワルワリのゴールで2-0と勝ち、グループリーグへ進出した。
■ワールドカップ予選の前哨戦を制したリール
また、インタートトカップという夏場の争いをくぐりぬけてUEFAカップ挑戦となったリールはアイルランドのシェルボーンと対戦した。10月にワールドカップ予選でフランスとアイルランドが対戦することから、ワールドカップ予選の前哨戦ということで注目の一戦となった。相手のシェルボーンはアイルランドのリーグチャンピオンであり、チャンピオンズリーグの予備戦3回戦でスペインのデポルティーボ・ラコルーニャに敗れてUEFAカップに出場してきたチームである。リールはフランスリーグで2桁順位であり、インタートトカップ組ではあるが、アイルランド勢には負けるわけには行かない。両チームとも代表入りしている選手はいないが、熱気にあふれる対戦となった。ダブリンで行われた第1戦、リールは前半にマシュー・ボドメル、クリストフ・ランドランのゴールで2点を先行する。しかし、シェルボーンに救世主が現れた。66分に交代出場してきたグレン・フィッツパトリックが80分、83分に連続ゴールを決め、同点に持ち込んで、ドーバー海峡を渡ることになったのである。第2戦はリールが近郊のビルヌーブ・ダスクにシェルボーンを迎えた。リールは17分にスロベニア代表のミレンコ・アシモビッチが先制点、CFのマット・ムシルーが追加点、ホームでの勝利により、フランス勢が1回戦を突破したのである。
■唯一不覚を取ったシャトールー
1回戦で唯一不覚を取ったのがシャトールーであった。1回戦でベルギーのクラブ・ブルージュと対戦。水の都での第1戦でフランスカップのファイナリストは多くのゴールを浴びる。18分に先制点を奪われ、前半終了間際にはPKで2点目を許す。後半に入って無得点が続いたが、終了直前に致命的な2失点を喫し、0-4と初戦を落とす。地元での第2戦も先制点を許し、一旦は追いつくが、すぐに勝ち越し点を奪われ、1-2と連敗する。
この結果、ソショー、オセール、リールの3チームがグループリーグへ進出したのである。(続く)