第475回 2005-06チャンピオンズリーグ組み分け決定

■モナコ、予備戦第1戦のロスタイムに痛恨の失点

 ワールドカップ予選の天王山とも言えるダブリンでのアイルランド戦にフランスが勝利し、10月のアウエーでのスイス戦が最後の決戦となる。フランス代表の試合はそれまでないが、クラブレベルで欧州の頂点を争うチャンピオンズリーグは9月の中旬からいよいよ始まる。
  フランスからチャンピオンズリーグに出場するのは昨季リーグ優勝のリヨン、2位のリール、そして3位のモナコである。このうちリヨンとリールは本戦からの出場であるが、一昨年のファイナリストであるモナコは予備戦を勝ち抜かなければ本戦に出場できない。モナコは予備戦3回戦からの出場となり、この戦いに勝てば3年連続となる本戦出場が決まる。予備戦とは言ってもマンチェスター・ユナイテッド、リバプール(以上イングランド)、インテル・ミラノ(イタリア)などの強豪チームも参戦している。モナコの予備戦3回戦の相手はスペインのベティス・セビリアであり、スペインリーグ6位としてモナコと同じく予備戦3回戦からの登場である。第1戦は8月9日にセビリアで行われた。この試合、ホームのベティス・セビリアが優位に試合を進めるが、モナコの守備陣、特にGKのフラビオ・ローマが大活躍する。試合は両チーム無得点のままで、時計の針は後半のロスタイム。モナコがアウエーの第1戦をスコアレスドローで守りきるかと思われた94分、3万8000人の地元慣習を歓喜させるゴールが生まれた。モナコ痛恨のロスタイムの失点であり、この1点を追って第2戦は23日にモナコのルイ2世競技場で行われた。

■第2戦はドロー、6年ぶりとなるフランスのクラブの予備戦敗退

 モナコは国内リーグでも不振であり、メンバーを入れ替えての第2戦となった。しかし、17分にモナコは先制点を許す。33分にナルシス・カポのパスをスペイン代表のジェラールがゴールを決めて同点、そして後半に入って63分にトワフィル・マウリダが勝ち越しゴールを決めるが、アウエーゴール2倍ルールがあるため、モナコはもう1点が必要である。しかし、モナコのファンが期待する次のゴールは75分、反対側のゴールに突き刺さる。結局1分1敗でモナコは予備戦で姿を消し、UEFAカップへと回ったのである。フランスのチームがチャンピオンズリーグの予備戦で敗れたのは1999年にリヨンがスロベニアのマリボーに敗れて以来、実に6年ぶりという不名誉なことである。

■第2シードのリヨンはレアル・マドリッドと同グループ

 フランスからの本戦出場が2チームだけというのも6年ぶりのことであり、本戦の組み合わせは8月25日にモナコで行われた。チャンピオンズリーグ出場を逃したクラブのある都市で抽選会が行われるのは皮肉なものであるが、決勝戦がスタッド・ド・フランスで行われることから、モナコでの抽選会となったのであろう。本戦に出場する32チームはこれまでの成績を勘案して8チームずつ第1シードから第4シードまでに振り分けられ、フランス勢はリヨンが第2シード、リールは第3シードとなった。4チームずつの8つのグループに分けられるが、書くグループは第1シードから第4シードまでの1チームずつで構成される。
  リヨンはグループFになり、このグループには第1シードからレアル・マドリッド(スペイン)、第3シードからオリンピアコス(ギリシャ)、第4シードからローゼンボリ(ノルウェー)が入っている。特に注目すべきはレアル・マドリッドとの対戦であろう。白い巨人、伝説のチームはこれまでフランス勢の前に大きく立ちはだかり、しかもフランス代表に復帰したジネディーヌ・ジダンがチームの主軸である。フランスのチャンピオンチームとしてスペインの2位チームには負けるわけにはいかない。

■スタッド・ド・フランスでホームゲームを戦うリール

 グループDのリールと対戦するのは第1シードのマンチェスター・ユナイテッド、第2シードのビジャレアル(スペイン)、第4シードのベンフィカ(ポルトガル)である。いずれも強敵であるが、チャンピオンズリーグ出場2度目のリールはこの抽選会の後で大きな驚きを与えた。それはグループリーグのホームでの3試合を決勝の場でもあるスタッド・ド・フランスで行うと発表したことである。
  フランス勢の初戦は9月13日、リヨンのジェルラン競技場に銀河系軍団を迎えるという注目の一番で始まる。地元での決勝と言う今季こそ、フランス勢の優勝を期待したいものである。(この項、終わり)

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