第476回 リヨン、銀河系軍団に大勝
■過去のチャンピオンズリーグで今ひとつのリヨン
前回の本連載では今季のチャンピオンズリーグの組み分けについてご紹介したが、来年5月の決勝に向けて、9月13日にグループリーグが始まった。フランス勢はリーグチャンピオンのリヨンと2位のリールがビッグイヤーに挑戦する。
リヨンは国内では4連覇中であるが、チャンピオンズリーグには1999-2000シーズンに予備戦3回戦で敗れたが、2000-01シーズンから連続して本戦に出場し、今年で本戦に6年連続出場となり、常連メンバーとなっている。しかし、この5年間の本戦での成績を見ると2000-01シーズンは2次リーグで敗退、2001-02シーズンと2002-03シーズンは1次リーグで敗退、ようやく成績を残すようになったのは2003-04シーズンからであり、準々決勝に進出した。しかし、本連載の読者の皆様ならばよくご存知の通り、この大会のフランス勢の主役は決勝に進出したモナコであり、リーグチャンピオンとしての面目を保てなかった。そして昨季も準々決勝でPSVアイントホーフェンとホーム、アウエーとも同スコアの末、PKで涙を飲んでいる。リーグ4連覇中のリヨンにとってそろそろ欧州での好成績を期待したいところである。
■リヨンは国内リーグ無敗のままチャンピオンズリーグに参戦
リヨンは今季も国内リーグでは快調であり、リーグ戦で無敗を続け、首位をキープしている。チャンピオンズリーグ開幕直前にはモナコと対戦する。一昨年のチャンピオンズリーグのファイナリストであり、今季のチャンピオンズリーグでは予備戦で敗れたモナコはリーグでは中位であるが、意地をかけてジェルラン競技場に乗り込んできた。しかし、勢いに乗るリヨンはブラジルからチームに合流したばかりのフレッドが2得点を先取、モナコの反撃を1点に抑え、リーグ戦無敗のままで、チャンピオンズリーグ開幕を迎えたのである。
■大黒柱を欠き、国内リーグのホーム初戦を落としたレアル・マドリッド
その開幕戦の相手はスペインリーグ2位のレアル・マドリッド、世界中からスターを集結させた銀河系軍団である。これまでのフランス勢との欧州カップでの対戦成績は9勝2分4敗と大きく勝ち越している。スペインリーグは8月末に開幕し、レアル・マドリッドは開幕戦をアウエーで飾ったが、第2戦をホームで落とし、チャンピオンズリーグ開幕を迎える。また、エースのジネディーヌ・ジダンは前々回の本連載で紹介したワールドカップ予選のアイルランド戦で負傷退場し、復帰までに時間がかかり、リヨン戦には出場できない。
■わずか10分間に立て続けに3ゴール
このように上り調子のリヨンと低迷気味のレアル・マドリッドの対戦は、予想もしない一方的な展開となった。立ち上がりこそリヨンが優勢であったが、次第にレアル・マドリッドが試合の主導権を握る。ところが、20分からの10分間、試合はまったく違う展開となった。21分に蹴り直しとなったジュニーニョのFKがヨン・カルーに当たり、先制点をリヨンがあげる。そして26分には再びジュニーニョのFK。35メートルと距離はあったが、リヨンは追加点をあげた。そして31分、今度はセットプレー以外の展開から得点が生まれた。アントニー・レベイエールのセンタリングをシルバン・ビルトールがボレーで決める。試合開始30分でリヨンは3-0と大きくリードしたのである。
試合は残り60分あったが、フランス代表の正GKを務めるグレゴリー・クーペが好守を見せて、レアル・マドリッドは沈黙する。結局そのままの3-0という誰もが予想しなかったスコアでリヨンは好発進したのである。歴史を振り返れば、レアル・マドリッドが前回フランスのチームと戦ったのは2003-04シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝のモナコ戦。この時、モナコは大逆転でレアル・マドリッドを倒している。そのモナコの勝利の立役者はスペイン代表のフェルナンド・モリエンテスであった。今回はフランス代表のジダンを欠くレアル・マドリッドが、またもフランスのチームに敗れたのである。(この項、終わり)