第792回 終盤を迎えたUEFAカップのグループリーグ

■ホームアンドアウエー方式ではない総当り方式のグループリーグ

 欧州サッカーシーズンは夏に始まり春に終わるが、年末年始が折り返し点となっている。チャンピオンズリーグ、UEFAカップと言う欧州カップも、年末年始が区切りとなり、年内にグループリーグを終え、年明けからは決勝トーナメントになっていく。チャンピオンズリーグに関しては本連載で紹介してきたとおり、リヨン、マルセイユとも最終節に決勝トーナメント進出をかけることになった。
 一方のUEFAカップについてはグループリーグにトゥールーズ、レンヌ、ランスが進出したことを本連載第777回と第778回で紹介したが。グループリーグは10月下旬から12月下旬にわたって行われる。UEFAカップのグループリーグは5チームずつの8つのリーグに分かれ、総当り方式のリーグ戦で行われるが、ホームアンドアウエー方式ではなく、いずれかの本拠地で1試合対戦するだけで、4試合の成績で順位を決定する。各グループの上位3チームが決勝トーナメントに進出し、チャンピオンズリーグのグループリーグで3位になったチームとともにもう1つの頂点を目指して戦う。

■第3節で早々と敗退が決まったトゥールーズ

 フランス勢の中で最も苦戦の連続となったのがグループEのトゥールーズである。10月25日の第1節でバイエル・レバークーゼン(ドイツ)にアウエーで0-1と敗れ、11月8日の第2節ではホームにスパルターク・プラハ(チェコ)を迎え、2-3と逆転負けを喫してしまう。11月29日の第3節はスイスのFCチューリッヒと戦うが、0-2と元気無く3連敗となってしまう。第3節を終了した時点でトゥールーズはグループリーグ敗退が決定してしまう。久しぶりの欧州カップ出場となったトゥールーズにとっては辛い結果となった。
 なお、第3節を終了した時点でグループリーグ敗退が決定してしまったのはトゥールーズ以外にはグループAのラリッサ(ギリシャ)だけである。逆にこの時点で決勝トーナメント進出を決めたのはグループBのパナシナイコス(ギリシャ)とグループHのヘルシンボリ(スウェーデン)の2チームである。

■最終節にわずかな望みをつないだレンヌ

 トゥールーズ同様、苦戦を強いられたのがグループDのレンヌである。グループDのレンヌは第1節でスイスのバーゼルで0-1と敗れ、ホームに戻ってきた第2節はノルウェーのブラン・ベルゲンと引き分けてしまう。そして第3節はドイツのハンブルガーSVとアウエーで対戦する。昨季リーグ7位のハンブルガーSVはかつてチャンピオンズカップ、カップウィナーズカップも獲得したことのある強豪であり、今回UEFAカップで優勝すれば三冠獲得となる。レンヌは前半の30分に先行を許し、その後は一進一退の攻防が続いたが、終盤に2得点を奪われ、0-3で敗れてしまった。第3節を終了した時点でレンヌは最下位、レンヌ自身に試合の無い第4節に、バーゼルとブラン・ベルゲンが引き分ければ、グループリーグ敗退となる。この試合はバーゼルが勝利し、レンヌは首の皮一枚つながって最終節のディナモ・ザグレブ戦を迎えることになる。レンヌは12月20日の最終戦で3点以上とって勝利すれば、決勝トーナメントに滑り込むことができる。レンヌはわずかな望みを託すことになった。

■グループリーグで4戦4勝を狙うボルドー

 唯一フランス勢で好調であったのが、グループHのボルドーである。同じグループのヘルシンボリは第3節で決勝トーナメント進出を決めたと先述したが、これはヘルシンボリは第3節まで全ての節で試合があったからであり、もしボルドーが第3節に試合をしていればボルドーにもチャンスがあったかもしれない。ボルドーは第1節でトルコのガラタサライにホームで2-1と勝利し、続く第2節ではオーストリア・ウィーンにアウエーで2-1と逆転勝ちをおさめる。第3節は試合がなく、一番乗りのチケットをヘルシンボリに譲ったが、第4節ではそのヘルシンボリを地元シャバン・デルマス競技場で2-1と勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。
 ボルドーの最終節は12月19日、相手はギリシャのパニオニオスである。この試合で勝てば4連勝となるが、ボルドーのほかに4戦4勝を狙うチームはグループAのエバートン(イングランド)、グループBのパナシナイコス、グループDのハンブルガーSVの3チームがある。すでに決勝トーナメント進出を決めているチームの4連勝への挑戦も最終節の見所である。(この項、終わり)

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