第1319回 チャンピオンズリーグ、グループリーグ序盤の戦い

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ラグビーワールドカップの陰に隠れたサッカー

 9月から10月にかけてフランスのスポーツファンの関心はニュージーランドで開催されたラグビーワールドカップに集中した。予選プールの時は不振だったフランスも決勝トーナメントに入ると生まれ変わり、決勝では地元のオールブラックスに敗れて3度目の準優勝となったが、試合内容では圧倒した。
 9月9日から始まり10月23日まで行われた楕円級の祭典のあおりを受けて、この期間に行われたサッカーの欧州カップや欧州選手権予選はその存在が陰に隠れてしまった。気が付けばすでに白い月の11月、グループリーグ6節のうち4節がすでに終了したチャンピオンズリーグにおけるフランス勢の戦いぶりを紹介しよう。

■リーグチャンピオンのリールは第3シード

 フランス勢でチャンピオンズリーグに出場しているのは昨季のリーグチャンピオンのリールと2位のマルセイユは本戦からの出場となり、3位のリヨンがロシアのルビンとのプレーオフを勝ち抜いて本戦に出場する。
 組み合わせは例年通りUEFAランキングによってシード順を決める。久しぶりのリーグチャンピオンとなったリールは近年の欧州での実績に乏しく、第3シードにとどまる。フランス勢は近年の欧州カップで実績を残しているリヨンとマルセイユが第2シードとなった。第1シード8チームのうちアーセナル(イングランド)とバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)はリヨン同様プレーオフからの参戦組であり、リヨンはプレーオフから出場したチームとしては3番目の評価を受けている。
 8月25日に行われた組み合わせ抽選の結果、リールはインテル・ミラノ(イタリア、第1シード)、CSKAモスクワ(ロシア、第2シード)、トラブゾンスポル(トルコ、第4シード)と同じグループB、マルセイユはアーセナル(イングランド、第1シード)、オリンピアコス(ギリシャ、第3シード)、ドルトムント(ドイツ、第4シード)、と同じグループF、リヨンはレアル・マドリッド(スペイン、第1シード)、アヤックス(オランダ、第3シード)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア、第4シード)と同じグループDとなった。

■第1節はマルセイユが勝利、リヨンとリールはドロー

 9月13日からグループステージが始まったが、フランス勢で最初に登場したのはマルセイユである。マルセイユはアウエーでのオリンピアコスとの試合となったが、後半の立ち上がりにアルゼンチン代表のルーチョ・ゴンザレスがあげたゴールを守りきり、1-0と幸先良いスタートを切った。
 翌日の14日にリヨンはアウエーでアヤックスと対戦し、スコアレスドロー、リールはホームでCSKAモスクワと対戦し、後半半ばまで2-0とリードしていたが、終盤にコートジボワール代表のセイドゥ・ドゥンビアの2ゴールで追いつかれた。ドゥンビアはかつては柏レイソルやボルティス徳島に所属し、代表デビューを豊田で行われた日本戦で飾ったことから、日本の皆様はよくご存じの選手であり、CSKAモスクワは日本でも人気チームとなっているであろう。リールはホームで2-2のドローとなったが、第1節でフランス勢は敗れることなく引き分け以上の成績を残した。

■第2節はマルセイユ首位キープ、リヨン初勝利、リールはまたも引き分け

 第2節もこのフランス勢の無敗は続いた。9月27日にリヨンはホームにディナモ・ザグレブを迎える。リヨンは直前の24日にリーグ戦でボルドーを迎え、3-1と完勝し、リーグ戦で首位を奪い返している。勢いに乗るリヨンは、代表に復帰したバフェタンビ・ゴミスが先制点、今季ギャンガンから移籍してきたバカリー・コネが追加点をあげ、2-0でチャンピオンズリーグのグループリーグでの初勝利をあげる。マルセイユはドルトムントをベロドロームに迎え、rゴールラッシュで3-0と勝利し、首位をキープする。リールはまたも先制しながら追いつかれてしまう。昨季のリーグ得点王であるムッサ・ソーが30分に先制点をあげたが、75分にPKを与えてしまい、1-1のドローとなる。国内リーグと合わせてこれで4試合連続の引き分けとなった。
 フランス勢は、9月に行われた2節を無敗で乗り切り、同じ相手と連戦する第3節、第4節を迎えたのである。(この項、終わり)

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