第1458回 ヨーロッパリーグ第2節(1) リヨンはロスタイムに決勝点、ボルドーは苦手のイングランドで完敗

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■国内リーグで上位を占めるマルセイユ、リヨン、ボルドー

 前回と前々回の本連載ではチャンピオンズリーグ第2節のフランス勢の戦いを紹介したが、今回はヨーロッパリーグでのフランス勢の戦いを紹介しよう。
 ヨーロッパリーグに出場するフランス勢はマルセイユ、リヨン、ボルドーの3チーム、国内リーグでも好調でマルセイユは6勝1敗で首位、リヨンは4勝2分1敗で3位、ボルドーは3勝4分で5位である。2位のパリサンジェルマン以外は二桁順位のチャンピオンズリーグに出場している3チームとは対照的な成績である。

■格下相手にアウエーで苦戦したリヨン、グループ首位に

 欧州各地で10月4日に行われた第2節で、フランス勢の中で最初に出場したのはリヨンである。第1節でスパルタ・プラハを下したリヨンはアウエーとはいえ、第4シードのハポエル・キリヤット・シュモナ(イスラエル)相手に勝ち点3を奪い、ヨーロッパリーグでの序盤での戦いを優位に進め、国内リーグに注力し、順位をあげたいところである。
 ハポエル・キリヤット・シュモナは地元で意地を見せる。7分には先制点をあげる。その後、リヨンはゲイダ・フォファナが17分に同点ゴール、ルチアーノ・モンゾンが22分に逆転ゴール、さらにアントニー・レベイエールが31分に3点目をあげて突き放す。これで安全圏と思われたが、ハポエル・キリヤット・シュモナは後半に入って52分に1点返し、66分にはPKで同点に追いつく。リヨンにとっては思わぬ苦戦となったが、92分に先制点をあげたフォフォナのゴールで4-3と勝ち越す。連勝のリヨンはグループIで首位になる。

■半年間、無敗を続けるボルドー、欧州カップ100試合目のニューカッスル・ユナイテッド

 同じく第2戦がアウエーとなったグループDのボルドーはイングランドのニューカッスル・ユナイテッドと対戦する。第2節もまた訪日経験のあるチーム同士の戦いとなった。ボルドーは成績こそ5位であるが今シーズン国内外で無敗である。昨季もリーグ終盤は無敗を続けており、今年4月初めのカーン戦で敗れて以来、半年間負け知らずである。
 ボルドー名産のワインはこのイングランドの地で評価され、多くのボルドーワインが海を渡っている。そのワイン同様、無敗記録を続けるイレブンが海を渡りイングランドの地に乗り込む。
 この試合はニューカッスル・ユナイテッドにとって欧州カップ100試合目となるメモリアルマッチである。かつての名門もこのところ3年前には2部で1年間だけプレーするなど近年は思うような成績が残せず、欧州での戦いは2006-07シーズンのUEFAカップ以来6年ぶりとなる。第1戦はポルトガルのCSマリティモとアウエーでスコアレスドローとなったニューカッスル・ユナイテッドは久しぶりにセントジェームスパークに国外のチームを迎える。ニューカッスル・ユナイテッドの先発メンバーにはヨアン・カバイエとガブリエル・オベルタンという2人のフランス人選手が名を連ね、ベンチにはハテム・ベンアルファが控える。

■ボルドー完敗、苦手のイングランドで5連敗、いまだノーゴール

 試合を動かしたのはこのニューカッスル・ユナイテッドのフランス人選手たちであった。開始早々、カバイエがボルドーのゴールを襲う。そしてかつてボルドーに所属したオベルタンは右サイドをボールを持って駆け抜け、クロスを送る。このクロスを主将でアメオビ三兄弟の長男であるショラー・アメオビが決めて先制点。主将の先制点でニューカッスル・ユナイテッドは勢いづく。40分にもニューカッスル・ユナイテッドは右からのクロス、このボールがボルドーのDFに当たり、コースが変わり、オウンゴールとなり差が開く。後半に入ってもシェーン・ファーガソンの左サイドからのクロスをパピス・シセがゴールし、決定的な3点差となる。
 シュート数はニューカッスル・ユナイテッドが4本、ボルドーはその倍近い7本のシュートを放ったものの、終わってみれば0-3と完敗。実はボルドーはイングランドが大の苦手、これまでにアストンビラ、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、チェルシーと過去に対戦し4戦全敗でノーゴール、ワインとは逆に不名誉な記録を更新してしまったのである。(続く)

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