第1467回 欧州カップ第3節(1) 元気のないリール、モンペリエは黒星

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■グループリーグ突破のカギを握る中盤戦

 10月下旬から11月初めにかけて、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグは一つの山場を迎える。グループリーグはホームアンドアウエー方式で3つの相手と6試合行われるが、この時期に行われる第3節と第4節は同じ相手と中2週間あけて対戦する。チームの相性もあり、ここで連勝すればグループリーグ突破に大きく前進し、逆の結果が出ると厳しい終盤戦を迎えることになる。
 チャンピオンズリーグ第3節は10月23日と24日、ヨーロッパリーグ第3節は25日に行われた。フランス勢はチャンピオンズリーグでは23日にグループFのリール、24日にグループAのパリサンジェルマンとグループBのモンペリエが登場、ヨーロッパリーグは25日にはグループCのマルセイユ、グループDのボルドー、グループIのリヨンがそろって登場した。

■バイエルン・ミュンヘンに敗れたリールは3連敗

 前半戦最後の試合の先鋒を務めたリールであるが、ホームにバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を迎える。第1シード相手となったが、この連戦で勝ち点3はほしいところである。そして新装なったホームでグループリーグ初の勝利をファンは期待している。グループリーグでは連敗中ということでリールはメンバーを入れ替えて臨むが、やはり相手は欧州屈指のクラブであり、国内リーグで首位を独走し、3シーズンぶりのタイトルを目指している。立ち上がりからバイエルン・ミュンヘンが試合を押し気味に進める。19分、リールのルーカス・ディーニュがペナルティエリア内でバイエルン・ミュンヘンのフィリップ・ラームを倒してしまう。PKを蹴るのはエースのトーマス・ミュラー、フランス代表に復帰したリールGKのミカエル・ランドローの守るゴールネットを揺らし、リールは先制を許す。リールはその後も反撃のチャンスをつかむことができず、重い1点となり、0-1で敗れてしまう。これでリールは前半戦は3連敗。国内のリーグ同様、低空飛行が続き、エデン・アザールの抜けた穴の大きさを感じながら後半戦に望みをつなぐことになる。

■未勝利同士の戦いとなったモンペリエ-オリンピアコス戦

 そして、国内リーグではリール同様苦戦しているのがモンペリエである。チャンピオンズリーグでは第1節でアーセナル(イングランド)に敗れ、第2節ではシャルケ04(ドイツ)に追いつき、現在1分1敗、第3節と第4節の相手はギリシャのオリンピアコス。昨季のギリシャリーグのチャンピオンであるが、経済危機の余波を受け、外国人選手が離脱し、苦しい陣容で今季を戦う。チャンピオンズリーグではシャルケ04とアーセナルに連敗、いまだに勝ち点ゼロ。モンペリエとオリンピアコスは未勝利戦であるが、この戦いで連勝すれば、同時に行われるアーセナル(2勝)とシャルケ04(1勝1分)の戦いで脱落してきたチームを抜いて2位以内に入ることができる。地元ラモッソン競技場で第3節を戦うモンペリエは先手を取って連勝したいところである。

■試合を支配しながらロスタイムの失点で敗れたモンペリエ

 モンペリエは立ち上がりから攻撃に人数を割き、オリンピアコスを攻めたてる。決定的なチャンスをオリンピアコスに与えるが、得点を許さず、0-0のまま前半を終える。リールがイングランドのチェルシーに移籍したアザールの抜けた穴で苦戦しているのと同様、モンペリエもアーセナルに移籍したオリビエ・ジルーの後のストライカーが課題である。ポスト・ジルーとして2部のアンジェからガエタン・シャルボニエを獲得、リーグチャンピオンチームがエースストライカーの後任を2部から求めなくてはならないという点はフランスリーグの現在を象徴している。
 モンペリエは49分にそのシャルボニエのゴールで先制する。ところが73分に同点ゴールを許す。そして長いロスタイム、オリンピアコスはカウンター攻撃。コンスタンティノス・ミトログル、移籍した外国人選手の後釜として国内のアトロミトスから移籍してきたギリシャ代表選手が、ゴールを決める。試合を圧倒していたモンペリエは、ホームで停滞敗戦となったのである。(続く)

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