第1468回 欧州カップ第3節(2) パリサンジェルマン、マルセイユ、ボルドー、リヨンの戦い
昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■パリサンジェルマン、アウエーで完勝
前々回の本連載で紹介したとおり、フランスリーグではパリサンジェルマンとマルセイユが首位争いをしているが、この第3節では明暗が分かれた。
まず開幕戦でディナモ・キエフ(ウクライナ)に勝利し、第2戦でアウエーでポルト(ポルトガル)に敗れたパリサンジェルマン、中盤の連戦の相手はクロアチアのディナモ・ザグレブである。ディナモ・ザグレブは第1節、第2節と連敗している。第4シード相手にパリサンジェルマンは連勝して、一気に首位を奪還したいところである。
ザグレブのマクシミール競技場で行われた試合、地元ファンはもう諦めたのか1万人に満たない観客数である。試合はパリサンジェルマンが力の違いを見せつける。開始早々にパリサンジェルマンはズラタン・イブラヒモビッチがGKと1対1になるがこれはゴールならず。しかし優勢に試合をすすめるパリサンジェルマンのリードは時間の問題であった。33分にイブラヒモビッチがもう1人の2トップのジェレミー・メネスとパスを交換し、最後にイブラヒモビッチがチャンピオンズリーグ30得点目となるゴールで先制点をあげる。さらに43分にはハビエル・パストーレからのパスを受けたメネスが2点目をあげる。後半に入ってもパリサンジェルマンが一方的に攻める。追加点こそ奪うことができなかったが、2-0と勝利、ポルトでの敗戦を取り戻した。一方のディナモ・ザグレブは元気なく、3連敗。これで通算9連敗となり、今季も決勝リーグ進出は難しそうである。
■マルセイユ、ボルシア・メンヘングランドバッハに敗れる
さて、リーグ戦ではパリサンジェルマンのライバルであるマルセイユはヨーロッパリーグを戦っている。グループリーグではここまで1勝1分と無敗であり、中盤戦はドイツのボルシア・メンヘングランドバッハとの連戦となる。マルセイユは先手を取られる。33分にマルセイユはシャルル・カボレが自陣ペナルティエリア内で痛恨のハンド、これをボルシア・メンヘングランドバッハのフィリップ・ダエムスが決めて先行される。さらに後半にも途中出場のペニエル・エムラパのシュートにスティーブ・マンダンダは触ったものの追加点を許す。第1節のフェネルバフチェ戦では2点を先行されながら終盤に追いついたが、この日のマルセイユにはアンドレ・ピエール・ジニャックがおらず、直前の国内リーグ戦ではトロワに敗れ今季初黒星、このような状況下でマルセイユは惜しい得点シーンもあったものの無得点、0-2で敗れ、2週間後にベロドロームで再戦するボルシア・メンヘングランドバッハと勝ち点で2位に並んだのである。
■伏兵のゴールで引き分けに終わったボルドー
第2節でイングランドのニューカッスルに敗れたボルドーはアウエーでの試合が続く。第3節はポルトガルのマリティモとの対戦である。マリティモはここまで1分1敗と未勝利である。ボルドーはここで連勝してニューカッスルを逆転したいところである。その期待通り、ボルドーは試合開始から積極的に攻め、マリティモのゴールを脅かす。そしてボルドーの先制点は30分、ブノワ・トレムリナのセンタリングをヨアン・グフランがゴール、これで一気に流れに乗りたいところであったが、伏兵に足をすくわれる。パリ近郊で生まれ、フランスではギャンガン、パリサンジェルマンでプロ契約を結べず、ギリシャのアリス・テッサロニキでプロとなり2年前にポルトガルにやってきたフランス人ストッパーのバランティン・ロベルジュが36分に同点ゴール、ボルドーはその後も攻めるが勝ち点1どまり、2位のままである。
■3連勝で折り返したリヨン
そしてフランス勢で3連勝を果たしたのがリヨンである。中盤戦の相手はスペインのアスレチック・ビルバオ、まずはジェルランでのホームゲームである。前半は両チーム無得点、最初の得点は54分、リサンドロ・ロペスがヘディングで豪快に決める。攻勢のリヨンがこのまま逃げ切るかと思ったが、78分にアスレチック・ビルバオはイバイ・ゴメスが同点ゴール。しかし、リヨンは86分にジミー・ブリアンが決勝点をあげて2-1と勝利する。
折り返し時点での3連勝はチャンピオンズリーグでは4チーム、ヨーロッパリーグではリヨンを含め3チームだけ、後半戦に期待したい。(この項、終わり)