第1524回 パリサンジェルマン、18年ぶり8強入り(2) エセキエル・ラベッシ、値千金の2試合連続ゴール

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■デビッド・ベッカムの移籍直後で注目の集まる1戦に

 グループリーグは2位突破とはいえ、首位のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とは同勝ち点のバレンシア(スペイン)、パリサンジェルマンにとっては決して侮れない相手である。パリサンジェルマンにとってはデビッド・ベッカムという超大物選手を獲得したばかりとあってファンの注目度の高い試合となった。
 第1戦はバレンシアの本拠地のメスタージャ競技場、バレンシアはグループリーグではリールと同じグループF、リール相手にはホーム、アウエーとも完封勝利している。さらにバレンシアはこれまで欧州カップで8回フランス勢とホームで対戦しているが、戦績は8戦全勝、パリサンジェルマンが勝てば歴史的勝利となる。
 注目のベッカムはベンチからも外れ、ブラジル代表主将のチアゴ・シウバとイタリア代表のチアゴ・モッタを欠くものの、パリサンジェルマンは豪華なメンバーでこの一戦に挑む。対するバレンシアには3人のフランス人選手がいるが、アリ・シソッコとジェレミー・マチューは負傷のためメンバーから外れ、フランス代表のストッパーのアディル・ラミだけが先発メンバーに名を連ねている。

■アウエーの第1戦、終了間際まで楽勝ペースだったパリサンジェルマン

 試合は立ち上がりから厳しいものになった。2分にはパリサンジェルマンのルーカスが強烈なタックルを浴びて倒れ込む。バレンシアの激しい戦いに対し、地力に勝るパリサンジェルマンは次第にゲームを支配していく。タックルで倒されたルーカスはピッチに戻り、10分にはゴールポストを直撃するシュート、このプレーの直後にハビエル・パストーレからのパスを受けたエセキエル・ラベッシが先制点を奪う。アルゼンチン代表コンビの活躍が、アルゼンチンが地元開催でワールドカップ初優勝した際の英雄であるマリオ・ケンペスが所属していたチームに対し、先制点を呼び込む。パリサンジェルマンはなおも攻め続け、前半終了間際にはルーカスからのパスをパストーレが決め、2-0とリードしてハーフタイムを迎える。後半に入ってもパリサンジェルマンの攻勢は続き、3点目、4点目が入ってもおかしくない展開であったが、ゴールチャンスをことごとく外し、追加点を奪うことができない。

■終了間際の失点、エースのズラタン・イブラヒモビッチが一発退場

 バレンシアにもゴールの気配は感じられなかったが、パリサンジェルマンにとって試合終了間際に2つのアクシデントが起きる。まず90分にパリサンジェルマンの守備陣の集中力が落ちたところにラミがゴールをあげる。そしてロスタイムに入ってズラタン・イブラヒモビッチがファウルで一発退場。
 第2戦は出場停止となるイブラヒモビッチを欠き、0-1で敗れれば敗退という厳しい状況でホームゲームを迎えることになった。

■守備的布陣で先制点を許すが、追いついたパリサンジェルマン

 パルク・デ・プランスでの第2戦、パリサンジェルマンはスコアレスドローを狙ったかのような慎重な試合展開、ボールを支配するのはアウエーのバレンシア、パリサンジェルマンはホームでの欧州カップで過去22試合負けなしという実績からくる自信であろうか。
 しかし、この試合運びが裏目にでる。後半に入って55分、ブラジル代表のバレンシアのジョナスがシュート、このシュートがブラジル代表で敵味方に分かれたパリサンジェルマンのアレックスに当たり、コースが変わってゴールに入る。パルク・デ・プランスのファンは凍てつく思いとなる。
 守備的な戦いにより失点を喫したパリサンジェルマンであるが、ファンの落胆は10分で終わった。カルロ・アンチェロッティ監督は攻撃的な布陣に変え、ケビン・ガメイロを投入する。65分にガメイロからのパスをラベッシがシュート、バレンシアのGKが一旦は防いだものの、跳ね返ったところを再びシュート、ラベッシの起死回生の一撃でパリサンジェルマンは1-1のタイスコアに持ち込み、2試合合計得点で2-1とバレンシアを上回り、1回戦を突破、準決勝に進出した1994-95シーズン以来18年ぶりの8強入りを決めたのである。(この項、終わり)

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