第1533回 パリサンジェルマン、バルセロナと第1戦はドロー(1) 高レベルのチームがそろった8強
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■スペイン勢3チーム、イングランド勢は全滅
スペインのバレンシアを破り、チャンピオンズリーグで18年ぶりに8強入りしたパリサンジェルマン、フランス勢で唯一、欧州カップに勝ち残っているチームとなってしまった。チャンピオンズリーグの準々決勝の組み合わせ抽選は3月15日に行われた。ここで準々決勝に残ったチームの確認してみよう。まず、8チーム中3チームを占めるのがスペインのリーガ・エスパニョーラ勢であり、バルセロナ、レアル・マドリッド、マラガの3チームである。ドイツのブンデスリーガからは2チーム、バイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムント、イタリアからはユベントス、トルコからガラタサライという顔ぶれである。近年、チャンピオンズリーグの上位に多数のクラブを送り込んできたイングランドのプレミアリーグ勢は今季は早くも姿を消してしまっている。
■所属リーグの首位チームが勢ぞろい
さて、フランスを含め5か国のクラブが残っているわけであるが、これら5か国のリーグの首位チームが勢ぞろいし、それ以外のチームも首位争いをしていることは注目すべきことであろう。まず、スペインのリーガ・エスパニョーラではバルセロナが首位、レアル・マドリッドが2位、そしてマラガが4位である。ドイツのブンデスリーガではバイエルン・ミュンヘンが首位、ボルシア・ドルトムントが2位である。そしてベスト8に1チームだけが残っているイタリアのセリエAの首位はユベントス、トルコのトルコリーグではガラタサライが首位、そしてフランスのフランスリーグではパリサンジェルマンが首位である。
近年、チャンピオンズリーグにおける上位チームが国内リーグでは必ずしも好成績を残していないようなケースも少なくなかったが、今季は国内リーグで成績の良いチームがチャンピオンズリーグでも上位に進出している。しかも、国内リーグで首位にあるチームはいずれも2位以下に差をつけて独走態勢に入っている。この理由としては資金力のあるチームがターンオーバーのメンバーも含めて選手をそろえていること、国内のタイトルと国外のタイトルの日程が調整されていることなどがあげられるであろう。
■グループリーグでも好成績を残し、決勝トーナメントへ
そしてこれら8チームの今季のチャンピオンズリーグでの戦いぶりであるがこれまた見事である。8チーム中6チームがグループリーグを首位で通過している。ベスト8決定戦はグループリーグで首位のチームが2位のチームと対戦するが、例外となったのは勝ち残った方ではガラタサライとレアル・マドリッドである。ガラタサライはグループHでマンチェスター・ユナイテッドに次いで2位となり、ベスト8決定戦でグループBの首位のシャルケ04を破った。レアル・マドリッドはグループDではボルシア・ドルトムントに次ぐ2位であり、ベスト8決定戦はマンチェスター・ユナイテッドという難敵と対戦したが、ホームの第1戦を引き分け、アウエーの第2戦で2-1と勝利している。
■接戦の多かったベスト8決定戦
決勝トーナメントの初戦であるベスト8決定戦はホームアンドアウエーの2回戦制で争われるが、2連勝したのはスコットランドのセルチック・グラスゴーを一蹴したユベントスだけである。パリサンジェルマン、ガラタサライ、レアル・マドリッド、ボルシア・ドルトムントは1勝1分で8強入りした。マラガ-ポルト(ポルトガル)、バルセロナ-ACミラン、バイエルン・ミュンヘン-アーセナル(イングランド)戦は1勝1敗で通算得点の争いとなった。すなわち、欧州レベルでこの段階になるとそれほど力の差の離れた対戦は少ないが、それらのチームが国内では圧倒的な強さを誇っており、まさに欧州一を決めるにふさわしい高いレベルのチームがそろったと言えるであろう。(続く)