第1534回 パリサンジェルマン、バルセロナと第1戦はドロー(2) 選手の移籍の多いバルセロナと対戦

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■8チームのうち6チームに所属するフランス人選手

 チャンピオンズリーグの準々決勝はスペイン、ドイツ、イタリア、フランス、トルコの5か国のクラブが残ったが、いずれの国のリーグでも首位のチームが残っており、首位以外の3チームもスペインのリーガ・エスパニョーラの2位と4位、ドイツのブンデスリーガの2位という国内リーグでも上位のチームばかりが集まった。
 パリサジェルマンが準々決勝で対戦する可能性のある7チームであるが、ほとんどのチームにフランス人選手が所属している。スペインのレアル・マドリッドにはカリム・ベンゼマとラファエル・バラン、バルセロナにはエリック・アビダル、マラガにはジェレミー・トゥーララン、イタリアのユベントスにはポール・ポグバとニコラ・アネルカ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンにはフランク・リベリーがいる。フランス人選手のいないのはドイツのボルシア・ドルトムントとトルコのガラタサライだけである。以上紹介してフランス人選手は7人全員がフランス代表経験があり、そのうちの4人はスペイン戦にも出場している。

■対戦を避けたいチャンピオンズリーグ優勝経験チーム

 また、パリサンジェルマンはこれまでのチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどの欧州カップでマラガ以外の6チームとはすでに対戦した経験がある。
 これら7チームの中でも当たりたくない相手と、当たりたい相手がいるのは当然である。まず当たりたくない相手としては、バルセロナ、レアル・マドリッド、バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムントといった過去のチャンピオンズリーグで優勝した経験のあるチームである。ガラタサライ、マラガとはどのチームも対戦を望むであろう。

■準々決勝の注目カードとなったパリサンジェルマン-バルセロナ戦

 3月15日、組み合わせ抽選が行われた。準々決勝以降はシード順もなければ、同国のクラブが対戦しないようにするようなこともなく、オープンに抽選が行われた。
 その結果、パリサンジェルマンの準々決勝の相手はバルセロナ、最も対戦したくないチームとの対戦となってしまった。第1戦は4月2日にパルク・デ・プランスで行われ、第2戦は翌週の4月10日にカンプ・ノウで行われる。それ以外の組み合わせはバイエルン・ミュンヘン-ユベントス、マラガ-ボルシア・ドルトムント、レアル・マドリッド-ガラタサライとなり、準々決勝屈指の注目のカードとなったのである。
 注目の理由としては今世紀に入ってからチャンピオンズリーグで3回優勝しているバルセロナに対し、昨年、今年と大型補強を続けているパリサンジェルマンが挑戦するという構図だけではない。パリサンジェルマンの大型補強はカタール資本による財政的な裏付けがあるものであるが、バルセロナもカタール財団がスポンサーとなっており、両チームともカタールマネーがクラブの経営を支えている。

■多くの選手が両チーム間で移籍、ズラタン・イブラヒモビッチも出場へ

 パリサンジェルマンの最大のスター選手はズラタン・イブラヒモビッチであるが、イブラヒモビッチはかつてバルセロナに所属していた。パリサンジェルマンの現在のメンバーでチアゴ・モッタ、マクスウェルもバルセロナに所属した経験を持つ。
 一方のバルセロナにはパリサンジェルマンに所属した経歴のある選手はいないが、歴史をさかのぼれば、バルセロナ在籍中にバロンドールとFIFA最優秀選手のそれぞれに2回選出された経験のあるロナウジーニョはパリサンジェルマンから移籍してきた選手である。またリヨン7連覇の礎を作ったルドビック・ジュリーはリヨンからバルセロナを経由してパリサンジェルマンに移籍している。パリサンジェルマン時代はジョエル・バツ、ベルナール・ラマの控えであったリシャール・ドゥトルエルもスペイン遺跡で才能開花、バルセロナにも所属した。
 このようにパリサンジェルマンとバルセロナは多くの選手が移籍しており、その中でもビッグネームであるイブラヒモビッチは出場停止処分が軽減され、4月2日のパルク・デ・プランスでの試合に出場できることになったのである。(続く)

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