第1608回 チャンピオンズリーグ開幕(2) グループリーグの組み合わせ決定
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州で6番目のリーグとなったフランスリーグ
前回は昨季のリーグ戦3位で予備戦3回戦からチャンピオンズリーグに参戦したリヨンがプレーオフでスペインのレアル・サラゴサに敗れたことを紹介した。フランスリーグ3位のチームは昨年まではプレーオフからの参戦であったが、UEFAインデックスでフランスはポルトガルに抜かれて6位となったために、フランスの3番手のチームはプレーオフの1つ前の予備戦3回戦からの出場となったのである。このUEFAインデックスはUEFAの主催する欧州カップ、すなわちチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグでの国ごとのクラブの成績を指数化したものである。そういう点ではこの欧州の舞台に立ったクラブはまさに国の代表としてその国のサッカーの浮沈を握ると言っても過言ではない。
■本戦から参戦するパリサンジェルマンとマルセイユは第2シード
リヨン以外にフランスからチャンピオンズリーグに出場しているのは昨季リーグ優勝のパリサンジェルマンと2位のマルセイユで、ともに本戦のグループリーグからの参戦となる。欧州カップでは好成績を残している両チーム、将来のフランスサッカーのために上位進出したいところである。
リヨンがレアル・サラゴサに敗れた日、グループリーグに出場する32チームが決まった。32チームのうち10チームはプレーオフを勝ち抜いてきたチームで、それ以外の22チームは所属するリーグでの順位に応じて本戦に出場する。
32チームが出そろった翌日の8月29日にモナコで抽選会が行われた。グループリーグに出場する32チームはUEFAインデックスにより4つのシードに分けられた。フランス勢の2チームはいずれも第2シードに入った。ちなみに第1シードはイングランド3チーム(チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル)、スペイン2チーム(バルセロナ、レアル・マドリッド)、ポルトガル2チーム(ポルト、ベンフィカ)、ドイツ1チーム(バイエルン・ミュンヘン)という顔ぶれである。
■過去の欧州での実績が有利に左右する組み合わせ
ここで注意したいのはプレーオフを勝ち抜いてきたチームが必ずしも下位シードばかりではないということである。第1シードに入ったアーセナルは昨季リーグ4位であり、プレーオフから参戦している。また第2シードではACミラン(イタリアリーグ4位)とシャルケ04(ドイツリーグ4位)がプレーオフからの勝ち抜き組である。
逆にイタリアのナポリは昨季リーグ2位であり、グループリーグからの参戦であるが、第4シードになっている。リヨンに勝利したレアル・ソシエダも第4シードであるが、もしもリヨンがレアル・ソシエダに勝利していれば第2シードの座は約束されていた。
欧州で実績のあるチームが国内でそれなりの成績を残すことができないとプレーオフや予備戦から戦うことになるが、勝ち抜けばグループリーグではよいシード順を得ることができる。逆に欧州で実績のないチームが国内リーグで好成績を収めてグループリーグから参戦することになっても、欧州での実績を基にしたシード順では下位に押しやられてしまう。
このように欧州でのこれまでの実績がものをいう仕組みになっており、20年前まではチャンピオンズカップと呼ばれ、強豪国も弱小国も1リーグ1チームしか出場できなかったが、今大会のグループリーグ出場32チームのうちリーグチャンピオンは18チームである。
■パリサンジェルマンはグループC、マルセイユはグループF
フランス勢の抽選結果であるがパリサンジェルマンはグループC、第1シードはベンフィカ、第3シードはオリンピアコス(ギリシャ)、第4シードはアンデルレヒト(ベルギー)となった。そしてマルセイユはグループF、第1シードはアーセナル、第3シードからボルシア・ドルトムント(ドイツ)、第4シードはナポリと厳しい組み合わせになったのである。(続く)