第1643回 ヨーロッパリーグ グループリーグ (3) リヨンは首位突破、ボルドーは最下位敗退
一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リヨン、HNKリエカ相手に引き分け、首位から陥落
ボルドー、リヨンともに前半戦の最終戦に当たる第3節で初勝利をあげた。第4節は第3節と同じ相手と対戦することから、ここで一気に連勝して終盤に向けて上位浮上を狙いたいところである。ところが、ここでフランスから出場している2チームは第4節で不本意な結果となる。
まず、ベティス(スペイン)と並んで勝ち点5で首位のリヨンは負傷者を抱え、若手中心のメンバーで戦うことになった。11月7日のアウエーでのHNKリエカ(クロアチア)戦はGKは第3GKのマチュー・ゴルジュランがプロで2試合目となる先発出場、一方8月末以来負傷のため戦列を離れていたヨアン・グルクフも久しぶりに先発メンバーに戻ってきた。このグルクフの復帰が若いメンバーのリヨンを活性化する。リヨンは14分に20歳のアラサヌ・プレアが先制点をあげるが、21分に追いつかれてしまう。結局リヨンは勝ち越し点をあげることができず、最下位のHNKリエカ相手に勝ち点1の上積みにとどまる。一方、ベティスはポルトガルのギマラエス相手のロスタイムに勝ち越し点を奪い、リヨンは首位から陥落したのである。
■アポエル・ニコシアに敗れ最下位になったボルドー
そしてグループFでキプロスのアポエル・ニコシアとのアウエーゲームに臨んだボルドー、ボルドーは3位、アポエル・ニコシアは4位、2位のマッカビ・テルアビブ(イスラエル)と勝ち点1差のボルドーは勝利して2位以内に入り込みたいところである。しかし累積警告や負傷などでメンバーを欠くボルドーは先制点を献上してしまう。前半のロスタイムにラミヌ・サネが第3節に続く2試合連続ゴールで同点に追いついてハーフタイムを迎える。ところが、後半に入って55分、アポエル・ニコシアが勝ち越しゴールをあげる。ボルドーのフランシス・ジロ監督は選手を攻撃的な選手に次々と交代したが追いつくことができず、ボルドーは最下位に沈んだのである。
■リヨン、ベティスとともに決勝トーナメント進出
残り2試合となった第5節を迎えると、決勝トーナメント進出あるいは敗退が見えてくる。リヨンはホームでベティスとの対戦であるが、この試合に勝利し、ギマラエスがアウエーゲームでHNKリエカ相手に引き分け以下だと、決勝トーナメント進出が決まる。首位ベティスと2位リヨンの戦い、週の半ばの11月28日の木曜日の行われる試合で、その前後に国内リーグ戦も予定されているが、リヨンは重要な一戦ということでほぼリーグ戦と同じメンバーで戦う。ボール支配率は全く互角の戦いとなり、ややリヨンの方がゴール前にボールを運ぶ多い展開となった。前半はノーゴールで緊迫した試合となるが、66分に均衡を破ったのがグルクフからパスを受けたバフェタンビ・ゴミスであり、この試合唯一の得点をあげる。リヨンは天王山を1-0で制したが、もう1試合のHNKリエカ-ギマラエス戦はスコアレスドローとなる。この結果、リヨンはベティスとともに決勝トーナメント進出を決めたのである。
■攻勢のボルドー、終盤の一撃に沈み、最下位で日程終了
一方、最下位のボルドー、第5節のホームゲームでフランクフルト(ドイツ)相手に引き分け以下だと3位以下が確定し敗退が決定する。そしてもしも勝利した場合でも4点差以上で勝利することが必要で、マッカビ・テルアビブがアポエル・ニコシアに勝利した場合はボルドーの敗退が決まる。
後のないホームチームのボルドーは積極的に攻め続ける。しかしながらなかなか得点をあげることができないまま時計の針は動いていく。そしてもう1つの試合のアポエル・ニコシア-マッカビ・テルアビブ戦も無得点が続く。このままスコアレスドローで敗退とシャバン・デルマス競技場のファンは覚悟したが、ファンを落胆させるゴールが生まれたのは83分のことであった。途中出場のマルティン・ラニヒがゴールを決めて、フランクフルトが勝利し、ボルドーのグループリーグ敗退が決定したのである。
最終節でリヨンはギマラエスに勝利し首位通過、ボルドーはマッカビ・テルアビブに敗れ最下位と明暗が分かれたのである。(この項、終わり)
今年の入稿はこれが最後です。本年もご愛読ありがとうございました。読者の皆様よい年をお迎えください。