第1677回 フランス勢、決勝トーナメント1回戦を突破

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■第2戦をホームで迎えるリヨンとパリサンジェルマン

 本連載第1668回ではフランスからチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出したパリサンジェルマンとリヨンの初戦の模様を紹介した。チャンピオンズリーグを戦うパリサンジェルマンはアウエーでドイツのレバークーゼンに4-0という大勝をしたが、ヨーロッパリーグに参戦しているリヨンは試合から遠ざかっているウクライナのチョルモレッツ・オデッサにスコアレスドローであった。
 決勝トーナメントの1回戦は参加チーム数の多いヨーロッパリーグは2月27日に行われ、リヨンがチョルモレッツ・オデッサを本拠地のジェルランに迎える。リヨンはスコアレスドローに終わった第1戦の3日後に行われたリーグ戦のリール戦もスコアレスドロー、この試合では攻撃陣に期待したいところである。

■フランス代表に選ばれなかったアレクサンドル・ラカゼット

 試合が行われた2月27日の午後、前回まで紹介して来たオランダ戦のメンバーが発表された。リヨンからフランス代表に選出されたのはクレマン・グルニエだけである。昨年6月の南米遠征で代表入りし、ウルグアイ戦とブラジル戦に出場したアレクサンドル・ラカゼットは今回もまた声がかからなかった。南米遠征で代表入りしたのはラカゼット以外に3人、グルニエ、エリアキム・マンガラ、ジョシュア・ギラボギであるが、グルニエとマンガラは代表入りし、ギラボギもアントワン・リオ・マブーバの負傷により追加招集されている。四人組からただ1人、声のかからなかったラカゼットであるが、このチョルモレッツ・オデッサ戦では大活躍であった。

■薄氷の試合展開、80分にラカゼットが決勝ゴール

 ウクライナリーグが冬季の休みにあるチョルモレッツ・オデッサは1週間前の第1戦よりも動きがよくなり、前半は0-0で折り返す。後半に入るとリヨンのファンの肝を冷やすシュートが放たれる。52分のべルガーのヘディングシュートはポストに当たり、ノーゴール。チョルモレッツ・オデッサは76分に退場者が出てリヨンは優位に立ったものの、その直後にはアンダーソン・ミネイロのシュートをリヨンのGKのアントニー・ロペスがかろうじてクリア。そのような厳しい展開となったが、80分にはグルニエからのパスをラカゼットがゴールする。今季18ゴール目であるが国際試合では初のゴールとなった。このラカゼットのゴールでリヨンは1-0とチョルモレッツ・オデッサを下し、ベスト16に進出したのである。

■先制点を許したが、逆転勝利したパリサンジェルマン

 また、チャンピオンズリーグの1回戦の第2試合は3月12日に行われた。アウエーでの第1戦で4-0と大勝しているパリサンジェルマンは余裕の第2戦となる。メンバーを大幅に入れ替えた布陣でホームゲームに臨むが、汚名返上と大逆転を狙うレバークーゼンの攻撃陣が経験の少ないパリサンジェルマンの守備陣を振り切り、シドニー・サムが6分にヘディングシュートで先制点を奪う。
 しかし、ここで一方的に引き下がるパリサンジェルマンではなかった。パリサンジェルマンは13分にヨアン・カバイエのCKからマルキーニョスがゴールを決めて、同点に追いつく。レバークーゼンも攻め続け、27分にはペナルティエリア内でクリストフ・ジャレの反則を誘い、PKを獲得し、勝ち越しのチャンスを得るが、主将のシモン・ロルフェスのキックをパリサンジェルマンのGKサルバトーレ・シリグがストップ。前半は1-1のまま終了する。
 もちろん、このままのスコアで勝ち抜くことができるパリサンジェルマンであるが、ファンはホームで勝利して準々決勝進出を期待している。後半に入って53分、前週のオランダ戦で代表にデビューしたばかりのルーカス・ディーニュがアシストし、エセキエル・ラベッシが勝ち越しゴールをあげる。
 フランス勢のリヨン、パリサンジェルマンとも決勝トーナメントの1回戦を突破、リヨンはベスト16入り、パリサンジェルマンはベスト8入りしたのである。(この項、終わり)

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