第1760回 チャンピオンズリーグ開幕 (2) モナコは勝利、パリサンジェルマンはドローでスタート

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■攻撃陣の移籍の穴を埋めることができず苦戦するモナコ

 チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場チーム数を決定するUEFAインデックス、ポルトガル、フランス、ロシアの3リーグが順位争いをしているが、前回の本連載で紹介した通り、チャンピオンズリーグに出場するモナコはグループCでポルトガルのベンフィカ、ロシアのゼニト・サンクトペテルブルクと対戦する。
 モナコはパリサンジェルマンより1日早くチャンピオンズリーグの第1節の試合を戦う。ホームにドイツのレバークーゼンを迎える。同日にベンフィカがゼニト・サンクトペテルブルクを迎え撃つ。ロシア人富豪の財力により大型補強で2部から1部に復帰し2位に入ったモナコであるが、ハメス・ロドリゲス、ラダメル・ファルカオ、エマニュエル・リビエールという攻撃陣を移籍で失い、その穴を埋める補強ができず、リーグ戦では1勝1分3敗と大苦戦、現在19位で2部降格の危機にある。

■1トップのディミタール・ベルバトフの活躍でモナコが勝利

 それまでは閑散としたモナコの本拠地ルイ二世競技場、大型補強で1部復帰した昨季は多くのファンが詰めかけた。しかし、今季はスター選手の放出と成績低迷でファンの期待も低くなり、客足も遠のく。チャンピオンズリーグの初戦、天候にも恵まれたが、わずか8,000人とかつてを思わせるスタンドの風景である。試合は互角の展開ではあったが、レバークーゼンが積極的にシュートを放つが、なかなか得点に結びつかない。そして攻撃陣の中で残留し、1トップを務めているディミタール・ベルバトフがこの日は機能する。61分、左サイドDFのレイバン・クルザワからのクロスをベルバトフがジョアン・モウティーニョにつなぎ、左足でシュートする。ワールドカップにも出場したポルトガル人選手のシュートが決まり、この試合唯一の得点となり、モナコは初戦を白星で飾ったのである。

■パリサンジェルマンとアヤックス・アムステルダムは初顔合わせ

 その翌日、パリサンジェルマンが初戦を迎える。今季も大型補強をつづけたパリサンジェルマンであるが、2勝3分と負けはないものの、順位は5位にとどまっている。モナコのファン同様この成績は不満であろう。パリサンジェルマンはアウエーのアヤックス・アムステルダム(オランダ)戦で今季の欧州での戦いをスタートする。
 意外なことにパリサンジェルマンはアヤックス・アムステルダムと公式戦で対戦したことがない。アムステルダム・アレーナには5万以上のファンが集まる。これまでチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)を4回制した名門も今世紀に入ってからは欧州の舞台では精彩を欠く。

■エディンソン・カバーニが先制するも終盤に追いつかれドロー

 パリサンジェルマンも今年は、国内のリーグ戦では昨年や一昨年のようなスタートダッシュには成功しておらず、チャンピオンズリーグで同じ轍は踏みたくない。パリサンジェルマンはアウエーのゲームであるがキックオフから積極的に攻める。その攻撃の起点となったのが右サイドのルーカスである。ルーカスからのクロスに中央のズラタン・イブラヒモビッチがターゲットとなるという構図であるが、ルーカスは果敢にペナルティエリア内にも攻め込む。
 最初のパリサンジェルマンのチャンスは8分であり、チアゴ・モッタからのパスをルーカスが膝に当て、これはクロスバーを越える。そして14分にルーカスからのクロスをイブラヒモビッチがシュート、ストッパーのヨエル・フェルトマンがクリアするが、エディンソン・カバーニがそのリバウンドをシュートし、先制ゴールとなる。カバーニはこれがチャンピオンズリーグで10得点目となる。
 パリサンジェルマンが優位に試合を進め、しばしば好機をつかむが追加点とはならない。アヤックス・アムステルダムは74分、好位置で得たFKをデンマーク代表のラッセ・ショーネが蹴り、直接ゴールを狙う。パリサンジェルマンのGKサルバトーレ・シリグはこのボールに触ることはできたが、ボールはゴールに吸い込まれ、同点ゴールとなる。
 パリサンジェルマンの初戦は1-1のドローに終わったのである。(続く)

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