第1844回 フランス勢、準々決勝で沈む (1) 準々決勝の組み合わせ決定
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フランスから5年ぶりに2チームが準々決勝進出
チャンピオンズリーグは4月に入り、準々決勝が行われた。本連載の第1821回から第1823回と第1830回から第1833回でベスト8決定戦の模様を紹介し、フランス勢はパリサンジェルマンとモナコが8強に入った。準決勝にフランスから2チームが残るのは5年ぶりの快挙である。
この2チームは豊富な外国マネーによって近年は大型補強を行い、その結果としての今回の準々決勝進出である。ベスト8決定戦は両チームともアウエーゴール2倍ルールで勝ち抜き、昨年のスペイン勢同士の決勝に代わり、今年はフランス勢同士で決勝を戦うのではないかと期待する気の早いファンもいる。
■準々決勝に残った欧州の強豪チーム
準々決勝の組み合わせ抽選は3月20日に行われた。準々決勝以降の抽選はオープン方式で行われる。すなわち、これまでの成績や所属リーグに関係なく、対戦相手と対戦順が決まっていくことになり、5年前のボルドーとリヨンのように同一リーグのチームが対戦することもある。
ここで準々決勝に進出したフランス勢以外の6チームを確認すると、スペインからはレアル・マドリッド、アトレチコ・マドリッド、バルセロナの3チーム、ドイツのバイエルン・ミュンヘン、イタリアのユベントス、ポルトガルのポルトである。この中で、スペイン勢3チームとバイエルン・ミュンヘンは昨年に続く8強入りである。また、ユベントスは2年ぶりの準々決勝であり、ポルトは2009年以来6年ぶりの準々決勝である。アトレチコ・マドリッド以外の5チームはいずれもチャンピオンズリーグあるいは前身のチャンピオンズカップで優勝の経験がある。またアトレチコ・マドリッドも古くはカップウィナーズカップ、近年では2回のヨーロッパリーグの優勝経験がある。
これに対してフランス勢2チーム、3年連続の準々決勝となるパリサンジェルマンはカップウィナーズカップ優勝の経験があるが、チャンピオンズリーグ、チャンピオンズカップでの優勝経験はない。モナコは欧州のカップ戦での優勝経験はなく、準優勝した2004年以来11年ぶりの準々決勝である。
■グループリーグでも対戦したパリサンジェルマンとバルセロナ
組み合わせ抽選の結果、パリサンジェルマンはバルセロナと対戦、第1戦をホームで戦うことになり、モナコはユベントスと対戦、第1戦をアウエーで戦うことになった。またポルトはバイエルン・ミュンヘンと対戦、アトレチコ・マドリッドとレアル・マドリッドが準々決勝で戦うことになった。
アトレチコ・マドリッドとレアル・マドリッドのマドリッド勢同士の対戦は注目を集めたが、準々決勝4試合の中で、グループリーグで同じグループだったのがパリサンジェルマンとバルセロナである。本連載でも紹介しているが、昨年9月30日にパリで行われた試合はスペクタクルな展開となり、パリサンジェルマンが3-2と競り勝った。そしてグループリーグの最終戦となる12月10日のバルセロナでの戦いはバルセロナが2-1と逆転勝利、この勝利によってバルセロナはグループリーグを首位で通過している。
■クラブ史上最初の準決勝でユベントスに敗れたモナコ
久しぶりの準決勝進出となるモナコであるが、準決勝に進出したのは過去に2回だけある。準優勝した2003-04シーズンの前に1997-98シーズンも準決勝に進出している。この時の準決勝の相手がユベントスであった。またユベントスは伝統的にフランス人選手が多く、モナコを下したこの時もジネディーヌ・ジダン、ディディエ・デシャンが所属していた。
そして、ポルトとバイエルン・ミュンヘンのカードも忘れてはならない。両チームはチャンピオンズリーグの順潤化粧でこれまで2回対戦し、いずれもバイエルン・ミュンヘンが勝ち抜いているが、前身のチャンピオンズカップでは1987年の決勝でポルトが大番狂わせを演じて優勝している。
このように準々決勝の4カードのそれぞれが歴史を感じさせる。第1戦は4月14日と15日にキックオフを迎えるのである。(続く)