第1847回 フランス勢、準々決勝で沈む(4) パリサンジェルマン、バルセロナでも完敗

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■第1戦と登場順が逆になるフランス勢

 チャンピオンズリーグ準々決勝の第1戦はモナコはアウエーでユベントス(イタリア)に0-1と惜敗、パリサンジェルマンはホームでバルセロナ(スペイン)に1-3と完敗、フランス勢は第2戦での逆転に望みをかけることになった。
 第1戦は火曜日にモナコ、水曜日にパリサンジェルマンが登場したが、第2戦は逆に火曜日にパリサンジェルマン、水曜日にモナコという順で登場する。

■難攻不落のノウ・カンプでのバルセロナ

 第1戦を1-3と落としたパリサンジェルマンはバルセロナの本拠地、カンプ・ノウ競技場で最低3得点をあげなくてはならない。今季のバルセロナ、国内のチーム相手のリーグ戦、カップ戦、そして国外のチーム相手のチャンピオンズリーグをあわせた公式戦をカンプ・ノウ競技場で24試合戦い、22勝2敗と圧倒的な成績を残している。そして今季バルセロナが本拠地で3点奪われたのは1試合だけ、2月1日のビジャレアル戦で2-3で負けただけである。過去10年間、ノウ・カンプのバルセロナ相手に今回のパリサンジェルマンが目標とする3-0以上のスコアで勝利したチームは1チームだけ、2年前のチャンピオンズリーグ準決勝でのバイエルン・ミュンヘンが3-0と勝利した1回だけである。
 一方のパリサンジェルマンもこれまでの欧州カップでのノックアウトステージで第1戦に敗れ第2戦で逆転して勝ち抜いたことはあるが、それはいずれも第2戦をホームのパルク・デ・プランスで戦った場合であり、第2戦アウエーでの逆転勝利ということはない。
 そして欧州カップ全体の歴史を見てもホームの第1戦を1-3と落としたチームがアウエーの第2戦で逆転したケースは3回しかなく、そのいずれもがUEFAカップでのことであり、チャンピオンズリーグ、チャンピオンズリーグでのアウエーでの大逆転劇は一度もない。
 このように過去の数字だけを見れば、バルセロナの準決勝進出に疑いの余地のないところであるが、何が起こるかわからないのがサッカーの世界である。

■ズラタン・イブラヒモビッチの復帰も得点にはつながらず

 ノウ・カンプでの第2戦、パリサンジェルマンにはズラタン・イブラヒモビッチが戻ってきた。第1戦を累積警告で出場停止となったエースが、キャプテンマークをつけて白いユニフォームに身を包む。エディンソン・カバーニと2トップを組み、トップ下にはハビエル・パストーレという陣容で大逆転にかける。
 しかし、試合は前週のパリでの戦い同様、バルセロナがボールを支配し、ゲームを圧倒する。14分にはアンドレス・イニエスタがドリブルでパリサンジェルマンの選手を次々とかわし、ネイマールにパス、ネイマールはブラジル代表の僚友のダビド・ルイスをかわし、GKのサルバトーレ・シリグの届かないところにシュート、先制点をあげる。
 さらに34分にバルセロナは追加点をあげる。右サイドを攻め上がったダニエウ・アルベスが同じブラジル代表のパリサンジェルマンの左サイドDFのマクスウェルを抜き去り、クロスをあげる。このクロスはダビド・ルイスとグレゴリー・ファンデルビールのマークを振り切ったネイマールがヘディングでシュート、シリグも及ばず、バルセロナは2-0とリードを広げる。2試合通算得点は5-1、パリサンジェルマンは守勢の中でシュートを放つが、得点をあげることはできず、0-2と敗れてしまう。

■パリサンジェルマンにとって歴史的な連敗

 この結果、パリサンジェルマンは20年ぶりの準決勝進出はならず、バルセロナはこの8年間で7回目の準決勝進出となった。
 パリサンジェルマンがチャンピオンズリーグで同じ相手に連敗するのは2004-05シーズンのグループリーグのチェルシー(イングランド)戦、CSKAモスクワ(ロシア)戦以来のことである。そしてノックアウトステージではクラブ史上最高の成績である20年前の1994-95シーズンの準決勝のACミラン(イタリア)戦以来となったのである。(続く)

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