第1903回 本戦出場をかけたプレーオフ(1) モナコ、アウエーの第1戦でバレンシアに敗れる
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州6番手のフランスリーグ
国内の戦いであるフランスリーグは8月上旬に始まり、来年5月までの長丁場を争うことになる。一方、欧州の戦いであるチャンピオンズリーグ、欧州リーグという欧州カップは9月からグループリーグが始まるが、8月の末にグループリーグへの最後の関門、プレーオフが行われる。本連載でも取り上げてきたとおり、現在のフランスリーグはスペイン、ドイツ、イングランド、イタリア、ポルトガルについて欧州で6番目のリーグである。チャンピオンズリーグや欧州リーグへの各国のリーグからの出場チーム数、そして各チームが参戦する段階についてはこのリーグの力を表すUEFAインデックスで決定する。
欧州で6番目のリーグであるフランスリーグの3位チームであるモナコは予備戦3回戦、プレーオフを経由して本戦に相当するグループリーグに参戦することになる。また欧州リーグに関しても同様であり、リーグ5位のサンテチエンヌ、6位のボルドーは予備戦3回戦、プレーオフを勝ち抜かなければ、本戦に出場できない。
本連載第1891回と第1892回で紹介した通り、予備戦3回戦に出場したフランス勢3チームはいずれも勝ち進み、8月下旬のプレーオフに進出した。
■プレーオフでバレンシアと対戦するモナコ
チャンピオンズリーグのプレーオフは中堅以下のリーグのリーグチャンピオンと上位リーグでチャンピオン以外のグループに分けて行われる。モナコは後者に相当し、ラツィオ（イタリア）、バイエル・レバークーゼン（ドイツ）、マンチェスター・ユナイテッド（イングランド）、ブルージュ（ベルギー）、スポルティング・リスボン（ポルトガル）、CSKAモスクワ（ロシア）、バレンシア（スペイン）という相手と対戦する可能性があったが、その中でバレンシアと対戦することになった。
■2年連続でプレーオフで敗れているフランスリーグ3位チーム
フランスリーグの3位チームがチャンピオンズリーグの予備戦3回戦から参戦するようになって今年で3年目であるが、昨年はリールがポルト（ポルトガル）に敗れ、一昨年はリヨンがレアル・ソシエダ（スペイン）に敗れており、今年もイベリア半島勢との戦い、モナコは不名誉な記録にピリオドを打ちたいところである。
しかしながら、モナコはジョフレイ・コンドグビアがインターミラノ（イタリア）へ移籍、ヤニック・カラスコもアトレチコ・マドリッドへ移籍し、戦力ダウンは否めない。さらにジョアン・モウチーニョも負傷により4週間以上戦線から離脱し、レイバン・クルザワも負傷している中でバレンシア相手の戦いは厳しい。
バレンシアは、かつてマリオ・ケンペスを擁し訪日したこともあることから日本の皆さまはよくご存じであろうが、チャンピオンズリーグの本戦から2シーズン遠ざかっている。シンガポールの富豪がオーナーとなり、昨季はスペインリーグで4位、第1戦はバレンシアの本拠地メスタージャ競技場で行われるが、昨季のバレンシアは本拠地では強く、15勝3分1敗、唯一の敗戦はリーグ戦のバルセロナ戦である。
唯一モナコに勝機があるとすれば、スペインがリーグ開幕前であり、モナコはすでにリーグ戦を2試合（1勝1分）戦っていることであろう。
■いったんは追いつくも突き放されたモナコ
しかし、試合は立ち上がりからバレンシアペースで展開される。4分にバレンシアはロドリゴが先制点、モナコもビッグチャンスがあったもののバレンシアのGKマチュー・ライアンのスーパーセーブに阻まれ、1点のリードを許してハーフタイム。モナコは後半立ち上がりの49分、マリオ・パシャリッチのゴールで追いつく。
ここからバレンシアは底力を見せる。59分に主将のダニエル・パレホが勝ち越し点を奪う。モナコもバレンシアの攻撃を耐え、何とか1点差で1週間後にルイ二世競技場に戻りたいところであったが、86分に痛恨の追加点を奪われる。追加点を奪ったのはバレンシアに所属するフランス生まれのアルジェリア代表選手、ソフィアン・フェグーリであった。
2点のビハインドのモナコ、第2戦は8月25日に行われるのである。（続く）
