第1926回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ(2) 明暗の分かれたパリサンジェルマンとリヨン
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第2シードのレアル・マドリッドと同グループになったパリサンジェルマン
今年からのシード国の決定方法の変更によって第1シードとなったパリサンジェルマン、第1シードに入ったという喜びもつかの間のものとなってしまった。
ランキングで9位以下のチームが第1シードに入るということはその逆にランキングが上位で第2シードに甘んじているチームもあることを意味している。第1シード8チームのうち、パリサンジェルマンよりもUEFAクラブインデックスが上位のチームはバルセロナ(スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、チェルシー(イングランド)、ベンフィカ(ポルトガル)の4チームであるが、第2シードにはレアル・マドリッド、アトレチコ・マドリッド(以上スペイン)、ポルト(ポルトガル)、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド(以上イングランド)5チームも控えている。願わくばこれらの有力リーグのチャンピオンを逃したビッグクラブとの対戦は避けたいところである。
しかし、パリサンジェルマンはグループAに入り、第2シードからはレアル・マドリッドが同じグループに入ることになった。第3シードからはシャフタール・ドネツク(ウクライナ)、第4シードからはマルメ(スウェーデン)が入った。パリサンジェルマンは本来であれば第2シードの実力であり、グループリーグで第1シードの力を持つチームと同居することは覚悟はしていたが、まさかレアル・マドリッドと同じグループに入るとは予想はしていなかったであろう。
■組み合わせに恵まれた第3シードのリヨン
昨季のフランスリーグ2位で本戦に出場するリヨンは第3シードとなった。リヨンはグループHになる。第1シードからはロシアのゼニト・サンクトペテルブルク、第2シードはスペインのバレンシア、第4シードからはベルギーのゲントが入ってきた。第1シードに関しては恵まれ、第2シードもバレンシアも強豪であることは否定できないが、第1シードの力を持つチームではない。
組み合わせ抽選の段階で明暗の分かれたフランス勢であるが、リーグ戦の成績も好対照である。組み合わせ抽選が行われた8月下旬の段階でリーグ戦は第3節まで消化し、パリサンジェルマンは3連勝し、首位を快走していたが、リヨンは1勝1分1敗で12位、中位をうろついている。
■中盤で強敵と対戦する両チーム
さて試合日程であるが、チャンピオンズリーグのグループリーグでは折り返し点の第3節と第4節で同じチームと連戦する。パリサンジェルマンはレアル・マドリッド、そしてリヨンはゼニト・サンクトペテルブルクといずれも最大の強敵と対戦することになった。逆に言えば、第1節と第2節でしっかりと勝ち点を稼ぎ、難敵相手となる中盤戦を迎えたいところである。
■完勝したパリサンジェルマン、まさかのドローとなったリヨン
フランス勢2チームは別の日に登場するようにスケジュールが組まれ、第1節はパリサンジェルマンが9月15日、リヨンが16日に登場する。パリサンジェルマンはホームでマルモ、リヨンはアウエーでゲントと対戦する。いずれも第4シードのチームであったが、両チームのリーグ戦での勢いの差が出た。リーグ戦4勝1分と負けなしのパリサンジェルマンは開始早々の4分に新加入のアンヘル・ディマリアが先制点をあげ、その後も一方的に試合を支配する。次々とマルモのゴールに向かってシュートを浴びせる。後半に入ってもエディンソン・カバーニが追加点をあげて、2-0と勝利、得点差こそあまりつかなかったが、完勝であり、満員のパルク・デ・プランスのファンを喜ばせる。
一方のリヨンはゲントとのアウエーゲームで思わぬ結果となる。前半終盤の41分位ゲントは退場者が出てリヨン端数的有利になる。優位に試合を進めるリヨンは58分に後半から出場したクリストフ・ジャレが先制点、ゲントも68分に追いつくが、試合の終盤にドラマは起こった。87分にゲントはまた退場者が出て9人となる。そしてこのファウルにはPKが与えられ、アレクサンドル・ラカゼットが蹴るが、これを失敗する。リヨンにとっては痛いドローとなったのである。(続く)