第1953回 ヨーロッパリーググループリーグ (1) 後半失速したモナコはグループリーグで敗退
読者の皆様、あけましておめでとうございます。連載を開始して15回目の新年を迎えました。
5年前の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
本年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。
■優勝経験のあるトットナム・ホットスパーとアンデルレヒトに引き分けたモナコ
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグのグループリーグの終盤戦を紹介してきたが、今回からはもう1つの欧州の頂点を目指すヨーロッパリーグのグループリーグについて紹介しよう。
今季のヨーロッパリーグにフランスからはモナコ(昨季リーグ3位でチャンピオンズリーグのプレーオフで敗退)、マルセイユ(昨季リーグ4位で本戦に出場)、サンテチエンヌ(昨季リーグ5位でプレーオフを勝ち抜き)、ボルドー(昨季リーグ6位で予備戦3回戦、プレーオフを勝ち抜き)の4チームが出場した。
モナコはグループJでトットナム・ホットスパー(イングランド)、アンデルレヒト(ベルギー)、グラバグ・アグダム(アゼルバイジャン)と戦う。モナコは第3シードであり、第1シードのトットナム・ホットスパーと第2シードのアンデルレヒトは優勝経験のある強豪であり、かなり厳しいグループであると言えるであろう。
モナコは第1戦はアウエーでアンデルレヒト、第2戦はトットナム・ホットスパーとホームで対戦する。モナコは優勝経験のある強豪相手に2試合とも引き分け、悪くないスタートを切る。
■前半戦を首位で折り返したモナコ
中盤戦は第4シードのグラバグ・アグダムとの連戦となる。本連載の読者の皆様にはなじみの薄いチームであるが、昨季のアゼルバイジャンリーグのチャンピオンである。チャンピオンズリーグの予備戦3回戦に出場し、敗れたためヨーロッパリーグのプレーオフに回り、プレーオフを勝ち抜いたチームである。第2節ではアンデルレヒトに勝利している。
まず第3節はモナコのホームで戦い、後半のラシナ・トラオレのゴールで1-0と勝利し、モナコはグループ首位で折り返す。
しかし、第4節以降モナコは失速してしまう。第4節はアウエーのバクーでの試合、モナコは前半に先制され、終盤にイバン・カバレイロのゴールで追いつくのが精一杯であった。
終盤戦はアンデルレヒトとトットナム・ホットスパーという強敵との連戦になる。11月26日に行われる第4節のアンデルレヒト戦を迎える段階のモナコの順位は勝ち点6で2位、首位は勝ち点7のトットナム・ホットスパー、3位のグラバグ・アグダムと4位のアンデルレヒトが勝ち点4で追う。
■ホームのアンデルレヒト戦、猛攻も実らず敗戦
前回の本連載で紹介した通りリヨンはゲントに前々日の24日に敗れており、フランス勢としては雪辱を果たしたいところである。モナコはアンデルレヒト戦に勝利し、もう1つの試合でトットナム・ホットスパーがグラバグ・アグダムに勝利すれば、モナコは2位以内を確定し、決勝トーナメント進出が決定する。
モナコのホームゲームであるが、11月13日に発生したパリでの同時多発テロの犯人グループがブリュッセルのモランビーク地区に潜伏していたということもあり、厳戒態勢の中で試合が行われる。アンデルレヒトはこの同時多発テロの影響を受けて試合が中止になり、11月8日のスタンダール・リエージュ戦以来久しぶりの試合となる。
決勝トーナメント進出が目前のモナコは試合を支配し、次々とアンデルレヒトのゴールを脅かす。ルイ二世競技場に集まったファンもモナコの猛攻に拍手する。ところがゴールネットを揺らすことはできず、次々とチャンスを無駄にする。一方のアンデルレヒトは前半のロスタイムに先制点をあげ、後半も追加点をあげて、モナコは0-2と敗れてしまう。
最終戦を迎える段階のグループJの順位であるが、首位トットナム・ホットスパーは決勝トーナメント進出を決め、2位はモナコを下したアンデルレヒトが勝ち点7、勝ち点6のモナコは3位に転落し、自力でのグループリーグ突破がなくなった。
■トットナム・ホットスパーに最終戦で大敗
12月12日、モナコはロンドン北東部のホワイトハートレーンに乗り込む。この試合で勝利することが条件のモナコであったが、前半からミスが続き、前半だけでエリック・ラメラのハットトリックを許し、0-3とリードされる。結局、1-4と大敗し、グループリーグで敗退となったのである。(続く)