第1954回 ヨーロッパリーググループリーグ (2) マルセイユ、後半戦3連勝で決勝トーナメント進出
5年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フランス勢で唯一本戦に直接出場するマルセイユ
フランスからヨーロッパリーグに出場した4チームのうち、本戦に直接参戦したのはマルセイユだけである。それ以外の3チームがプレーオフなどを経由して本戦に参戦しているのと比較するとそれだけ負担が少ないと言えるであろう。例えば、前回紹介したモナコは8月にチャンピオンズリーグのプレーオフを戦い、に敗れたため、ヨーロッパリーグに転戦してきた。肉体的だけではなく精神的な負担も少なくなかったであろう。
また、マルセイユは組み合わせにも恵まれている。マルセイユはフランス勢で唯一第1シードに入り、強豪チームとの対戦を回避することができた。ブラガ(ポルトガル)、スロバン・リベレッツ(チェコ)、フローニンゲン(オランダ)とともにグループFに入った。
このように、日程的にも対戦チームとの力関係でも優位な立場であると目されたマルセイユであるが、前半戦は苦戦する。
マルセイユの初戦は第4シードのフローニンゲンとのアウエーゲーム、この試合はマルセイユがジョルジュ・ケビン・ヌクドゥ、ルーカス・オカンポス、ロマン・アレサンドリーニの得点で3-0と楽勝する。
■第2節と第3節で連敗を喫したマルセイユ
ところが、第2戦は第3シードのスロバン・リベレッツ相手にホームで0-1と取りこぼしてしまう。
中盤戦の第3節と第4節は第2シードのブラガが相手である。ブラガは第2シードの中では最上位であり、ここまで下位チーム相手に連勝しており、マルセイユにとっては正念場となる
まず第3節はブラガで行われた。この試合、両チームとも無得点で後半に入るが、61分にブラガが先制、さらに77分にも追加点をあげ、ブラガの勝利かと思われた。ところがマルセイユはここから奮起、84分にアレサンドリーニ、87分にミッチー・バシャウィのゴールが決まり、同点に追いつく。ところが88分にブラガのアランに決勝点を奪われてしまう。マルセイユは前半戦を終えて勝ち点3の3位、3連勝で勝ち点9の首位のブラガに大きく離されて後半戦に臨む。
■今季好調なミッチー・バシャウィが活躍
その後半戦最初の試合はブラガをベロドロームに迎える。ヌクドゥが39分に挙げた1点をマルセイユは守り切って勝ち点を6に伸ばし、2位のスロバン・リベレッツと勝ち点1の差で終盤戦を迎えることになった。
第5節でマルセイユは最下位のフローニンゲンとベロドロームで対戦する。ヌクドゥのゴールで先制するが、後半の立ち上がりに追いつかれ、勝ち点1の空気がベロドロームに流れる。しかし、試合の最後でベロドロームのファンを歓喜させたのはバシャウィであった。ベルギー代表として活躍しているだけではなく、今季はマルセイユでリーグ戦14試合で9得点、リーグの得点ランキングではズラタン・イブラヒモビッチに次ぐ2位である。バシャウィが88分に勝ち越し点を奪い、連勝した。
■最終節、スロバン・リベレッツとのアウエーでの直接対決に勝利
最終節を迎える段階で首位ブラガ(勝ち点12)、2位マルセイユ(10)、3位スロバン・リベレッツ(7)、4位フローニンゲン(1)となった。
そして最終戦の注目はスロバン・リベレッツ-マルセイユ戦である。アウエーのマルセイユは引き分け以上で決勝トーナメント、ホームのスロバン・リベレッツは勝利で決勝トーナメントという直接対決となった。
アウエーでの一戦、この試合もマルセイユを救ったのはバシャウィであった。14分に先制点をあげ、スロバン・リベレッツの戦意を奪う。その後もマルセイユは追加点をあげ、スロバン・リベレッツも2点を返したが、マルセイユが4-2と勝利する。
モナコとは逆にマルセイユは前半戦でもたついたものの、後半戦は3連勝、ブラガに次ぐ2位で決勝トーナメント進出を決めたのである。(続く)