第1978回 パリサンジェルマン、チェルシーに先勝 (1) 3年連続でチェルシーと対戦

 5年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランス勢の中で最初に出場するパリサンジェルマン

 年が明けてからの本連載ではフランス国内のリーグ戦、フランスカップ、リーグカップを取り上げてきたが、2月の中旬になるとようやく国際試合がやってきた。2月中旬からチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの決勝トーナメントが始まる。チャンピオンズリーグにはパリサンジェルマン、ヨーロッパリーグにはサンテチエンヌとマルセイユが残っている。
 チャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出チームは16チーム、それに対してヨーロッパリーグは32チームによって決勝トーナメントが争われる。したがって、ヨーロッパリーグの方が1回戦(2試合)多い日程であるが、フランス勢の中で今年最初に欧州の舞台に上ったのはチャンピオンズリーグに出場するパリサンジェルマンであった。今回からこのパリサンジェルマンの決勝トーナメント1回戦の第1戦の模様を紹介しよう。

■グループリーグで2位にとどまったパリサンジェルマン

 昨年12月に決勝トーナメント出場チームが決まった直後に組み合わせ抽選が行われた。パリサンジェルマンはグループリーグでスペインのレアル・マドリッドと同じ組に入り、この強敵相手に1分1敗、白い巨人の後塵を拝し2位通過となった。グループ2位通過チームは決勝トーナメント1回戦はグループを首位で通過したチームと対戦し、さらに第2戦を相手の本拠地で戦わなくてはならない。パリサンジェルマンが決勝トーナメントで対戦する可能性があるグループ首位チーム(同一国同士の対戦、同じグループリーグから勝ち上がってきたチーム同士の対戦はない)はウォルフスブルク(ドイツ)、アトレチコ・マドリッド(スペイン)、マンチェスター・シティ(イングランド)、バルセロナ(スペイン)、チェルシー(イングランド)、ゼニト・サンクトペテルブルグ(ロシア)というメンバーである。

■過去3年間の決勝トーナメントで2回敗れているバルセロナ

 この中でパリサンジェルマンのファンにとって対戦したくないチームが2つある。それはバルセロナとチェルシーである。両チームとも強豪であるというだけの理由ではない。パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグでこのところ3年連続でベスト8に進出しているが、いずれも準々決勝で敗れている。この3回の準々決勝でパリサンジェルマンの壁となったのがバルセロナでありチェルシーである。
 バルセロナとは2013年と2015年の準々決勝で対戦している。2013年にパリサンジェルマンは18年ぶりにチャンピオンズリーグの準々決勝に進出する。第1戦はパリで行われ2-2の引き分けであったが、バルセロナでの第2戦でも1-1のドロー、アウエーゴールに泣いたパリサンジェルマンは18年ぶりの4強を逃す。
 そして記憶に新しい昨季の準々決勝、パリサンジェルマンはホームで1-3と敗れ、欧州カップでのホームでの敗戦は6年ぶりとなった。この敗戦を第2戦で挽回することができず、バルセロナでの第2戦も0-2と連敗してしまう。

■過去2年間、アウエーゴールで決着のついたチェルシー

 そしてこの2度のバルセロナ戦に敗れた間にパリサンジェルマンを阻んだのがチェルシーである。
 第1戦はパリでパリサンジェルマンが3-1、第2戦はロンドンでチェルシーが2-0と勝利し、アウエーゴールによってチェルシーが準決勝に進出した。パリサンジェルマンにとっては2年連続してアウエーゴール2倍ルールに泣いた。
 そして昨季はパリサンジェルマンはチェルシーと決勝トーナメント1回戦で対戦している。第1戦はパリで行われ、1-1の引き分け、そしてロンドンでの第2戦は終盤にチェルシーが先制したが、パリサンジェルマンは土壇場で追いつく。結局延長戦に突入し、ここでもチェルシーが勝ち越し点を奪うが、アウエーのパリサンジェルマンのチアゴ・シウバが114分にゴールを決め、2-2の引き分けとなるが、アウエーゴール2倍ルールによって今度はパリサンジェルマンが勝ち抜き、準々決勝に進んだが、先述の通りバルセロナに敗れている。
 ファンにとってはしびれる試合の多かったこの3年の決勝トーナメントであったが、2年連続対戦したチェルシーと今年も戦うことになったのである。(続く)

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