第2076回 欧州カップ開幕(6) 初戦はニースは黒星、サンテチエンヌは引き分け
平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。
■ニースとサンテチエンヌが出場するヨーロッパリーグ
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグに出場したフランス勢3チームの戦いを紹介してきた。最初に登場したリーグチャンピオンのパリサンジェルマンこそドローであったが、リヨンとモナコは勝利し、フランス勢は3戦して2勝1分、勝ち点7となった。フランス勢が3試合で勝ち点7をあげたのは実に2011年12月の最終節、リヨンがディナモ・ザグレブに7-1と勝利した時以来5年ぶりのことである。
さて、火曜日、水曜日とチャンピオンズリーグのグループリーグが行われ、木曜日の9月15日にはヨーロッパリーグのグループリーグ第1節が行われた。フランスから出場するのは昨季リーグ4位で本選出に直接出場するニースと、昨季リーグ6位で予備戦、プレーオフを勝ち抜いてきたサンテチエンヌである。
■第4シードのニース、第2シードのサンテチエンヌ
グループリーグは48チームが4チームずつ12のグループに分かれて行われ、チャンピオンズリーグ同様にシード分けされる。これまでのUEFA主催のヨーロッパカップの成績をもとに算出されたUEFAインデックスで4つのシードに分けられる。上位シードにはシャルケ04(ドイツ)、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)などチャンピオンズリーグの常連チームの名前もある。マンチェスター・ユナイテッドは前身のUEFAカップも含め、グループリーグには初出場となる。
3年連続で本戦に出場しているサンテチエンヌは第2シードに入ったが、1997-98シーズンのカップウィナーズカップ以来久しぶりの欧州カップの本戦出場となるニースは第4シードである。
8月末に組み合わせ抽選が行われ、サンテチエンヌはグループCとなった。このグループには第1シードからアンデルレヒト(ベルギー)、第3シードはマインツ(ドイツ)、第4シードからガバラ(アゼルバイジャン)となった。
ニースはグループIに入り、第1シードはシャルケ04、第2シードはレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)、第3シードはクラスノダール(ロシア)となった。
■両チームとも第1節はドイツ勢と対戦
そして第1戦は両チームともドイツ勢との対戦となった。サンテチエンヌはマインツとのアウエーゲーム、ニースはシャルケ04を迎えてのホームゲームである。マインツもシャルケ04も日本人選手が所属していることから日本の皆様は良くご存じのチームであろう。しかし、このドイツの2チームは昨季のリーグ順位こそシャルケ04が5位、マインツが6位と拮抗しているが、これまでの欧州カップに関しては対照的な戦績である。シャルケ04は1997年に当時のUEFAカップで優勝しているだけではなく、チャンピオンズリーグの常連で決勝トーナメントにもしばしば顔を出しており、UEFAインデックスは参加48チームの中で最高の数字を誇っている。一方のマインツはこれまでには予備戦への出場経験はあるが、本戦出場はクラブの111年の歴史で初めてのことである。
■新スタジアムの欧州初戦を飾れなかったニース、アウエーで引き分けたサンテチエンヌ
ニースのアリアンツ・リビエラは初めての欧州の公式戦を迎える。リーグ戦でも直前にマルセイユを破り、首位モナコと勝ち点10で並び、前日のモナコの勝利に引き続き、記念すべき勝利をあげたいところである。日本の内田篤人は負傷のためメンバーから外れる。ニースは強豪相手に耐え忍ぶ我慢のサッカーとなる。しかし、後半の75分に左サイドDFのガーナ代表のアブドゥル・ラーマン・ババがゴールを決め、ニースは初戦黒星となった。
サンテチエンヌはマインツでのアウエーゲームとなる。日本の武藤嘉紀はベンチスタートとなる。この試合はサンテチエンヌが優勢に進める。しかし、先取点を奪ったのはホームのマインツであった。後半の58分にCKから主将のストッパーのニコ・ブンガートがヘディングでネットを揺らす。しかし、サンテチエンヌは終了間際の88分にスロベニア代表のロベルト・ベリッチがスライディングしながらのシュートで追いつき、ドローとなったのである。(この項、終わり)