第2135回 パリサンジェルマン、バルセロナに大勝 (2) 10試合目の対戦となる両チーム
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ユベントスよりはバルセロナとの相性がいいパリサンジェルマン
前回の本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントのフランス勢の対戦相手について紹介したが、最も注目を集めるのはパリサンジェルマンとバルセロナの対戦である。両チームの対戦は今年のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパカップで最初の日に行われるとあって、フランス国内だけではなく、欧州全体の注目を集めた。パリサンジェルマンが対戦を避けたかったのはバルセロナとユベントスであったが、ユベントスとはこれまで欧州カップで8戦して2分6敗と勝ち星がないが、バルセロナとは9戦して2勝3分4敗であり、劣勢ではあるが十分に勝機はある。
■最初の対戦以外パリサンジェルマンを下したバルセロナ
パリサンジェルマンとバルセロナは2010年代に入って3回(6試合)対戦している。2014-15シーズンにはグループリーグに加え、準々決勝でも対戦している。国内の相手でも年間に4試合戦うことは珍しいが、この4試合の結果はパリサンジェルマンの1勝3敗である。唯一の勝利は9月に行ったグループリーグのホームでの試合である。その前の対戦は2012-13シーズンの準々決勝である。この時は2試合とも引き分けであったが、アウエーゴールの差でバルセロナが準決勝に進出している。
その前の対戦は1997年のカップウィナーズカップの決勝である。前年にフランスのチームとして初めて欧州三大カップで優勝したパリサンジェルマンは連覇を狙ったが、オランダのロッテルダムでの試合はロナウドの一撃でバルセロナが優勝している。
パリサンジェルマンがバルセロナを下したのは最初の対戦だけである。1994-95のチャンピオンズリーグ準々決勝で対戦、第1戦はバルセロナでドロー、第2戦はパルク・デ・プランスで2-1と逆転勝利をあげ、パリサンジェルマンが準決勝に進出している。
このようにこれまでの戦績はバルセロナが優位であるが、欧州の頂点に立つためには乗り越えなくてはならない壁である。
■対戦相手に特別な思いを持つ両チームの監督
今季からパリサンジェルマンの指揮官となったウナイ・エメリ監督、バルセロナで3シーズン目を迎えるルイス・エンリケ監督はいずれもスペイン人である。エメリ監督は昨季までセビリアの監督であり、それまでもスペインの他のクラブで監督の経験があるが、バルセロナには1回しか勝利したことがなく、通算成績は1勝6分16敗、ただし、唯一の勝利は昨季あげたものであり、この勝利に導いた手腕もパリへの道を後押ししている。バルセロナのルイス・エンリケ監督は選手時代はバルセロナ、レアル・マドリッドという二大クラブに所属している。レアル・マドリッド所属時代にパリサンジェルマンと2回対戦し、1992-93シーズンのUEFAカップ準々決勝では歴史に残る大逆転負けを喫し、その翌年の1993-94シーズンのカップウィナーズカップ準々決勝でも1分1敗で敗れており、パリは鬼門である。
■ほぼベストメンバーがそろい、キックオフ
両監督にとっても特別な思いのある試合、パリサンジェルマンの先発メンバーはGKケビン・トラップ、DFはトマ・ムニエ、マルキーニョス、プレスネル・キンペンベ、レイバン・クルザワ、MFはアドリアン・ラビオ、マルコ・ベラッティ、ブレーズ・マツイディ、FWはアンヘル・ディマリアとユリアン・ドラクスラーが左右に並び、中央はエディンソン・カバーニである。出場停止となっているのがチアゴ・モッタ、負傷欠場がチアゴ・シウバであり、ハビエル・パストーレ、マクスウェルはベンチスタート、ベストメンバーに近い布陣でバルセロナを迎える。
一方のバルセロナはGKはトラップと同じドイツ人のマルク・アンドレ・テア・シュテゲン、DFはロベルト、ジェラール・ピケ、フランス代表のサミュエル・ウムティティ、ジョルディ・アルバ、MFはアンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ、アンドレ・ゴメス、FWは右にリオネル・メッシ、左にネイマール、中央にルイス・スアレスという豪華メンバー。主要メンバーで欠けているのは負傷しているハビエル・マスチェラーノ、アレイクス・ビダルくらいである。
2月14日20時45分、全欧州が注目する中で試合はキックオフされたのである。(続く)