第2221回 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ開幕(1) 組み合わせに恵まれたフランス勢
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リーグチャンピオンを優先する第1シード
前回までの本連載では8月末と9月初めに行われたフランス代表のワールドカップ予選について紹介した。9月中旬になるとチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグが開幕する。
チャンピオンズリーグにフランスからはモナコ(昨季リーグ優勝)、パリサンジェルマン(同2位)が出場する。8月24日にグループリーグの組み合わせ抽選が行われた。32チームを4つのシードに分ける作業から始まる。このシードはUEFAインデックスで決定されるが、チャンピオンズリーグの組み合わせ抽選については特別なルールが適応される。それがチャンピオンチームの優遇である。すなわち第1シードはUEFAのリーグランキングで1位から8位までのリーグ優勝チームが並ぶ。ただし、昨季のこのタイトルの優勝チームはスペインのレアル・マドリッドであるため、昨季のスペインリーグの優勝チームであるバルセロナは第2シード以下に回る。
第1シードは昨季優勝のレアル・マドリッド、ドイツのバイエルン・ミュンヘン、イングランドンチェルシー、イタリアのユベントス、ポルトガルのベンフィカ、フランスのモナコ、ロシアのスパルターク・モスクワ、ウクライナのシャフタール・ドネツクとなる。
■実力派ぞろいの第2シード
第2シード以下はそれ以外の出場チームのUEFAインデックス順に並ぶ。UEFAインデックスは過去の欧州カップでの戦績が反映されているため、この第2シードには第1シードに勝るとも劣らぬ強豪チームがそろう。UEFAインデックス順に第2シード勢を紹介するとバルセロナ、アトレチコ・マドリッド(以上スペイン)、パリサンジェルマン、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)、セビリア(スペイン)、マンチェスター・シティ(イングランド)、ポルト(ポルトガル)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)というメンバーである。第1シード勢のうち、モナコ、スパルターク・モスクワ、シャフタール・ドネツクの3チームは、第2シードで最下位のマンチェスター・ユナイテッドにUEFAインデックスで及ばない。
そして第4シードになると欧州での実績がほとんどないチームも出場し、ドイツのライプチヒ、アゼルバイジャンのカラバフの2チームはチャンピオンズリーグのグループリーグに初出場である。ライプチヒは昨季初めて1部昇格、いきなり2位になりチャンピオンズリーグへの出場権を獲得した。
■モナコもパリサンジェルマンも恵まれた組み合わせ
モナコはグループG、第2シードはポルト、第3シードはベシクタシュ(トルコ)、第4シードのライプチヒとかなり恵まれたグループに入ることができた。
一方のパリサンジェルマンは第1シードはバイエルン・ミュンヘン、第3シードはベルギーのアンデルレヒト、第4シードはスコットランドのセルチック・グラスゴーとなった。2位以内を現実的な目標とするのであれば悪くはない組み合わせである。
このところ、厳しい組み合わせの続いていたフランス勢であるが。モナコもパリサンジェルマンも年明けからの決勝トーナメントを照準にチームマネジメント行うであろう。
■リヨンでの決勝を目指すリヨン、マルセイユ、ニース
他方、ヨーロッパリーグにはフランスから3チームが出場する。今年の決勝はリヨンで行う。昨季リーグ4位のリヨンは第1シードでグループEでエバートン(イングランド)、アタランタ(イタリア)、アポロン・リマソル(キプロス)と戦う。
フランス勢で2番目にシード順が高いのが昨季リーグ5位で予備戦3回戦から勝ち抜いてきたマルセイユであり、第2シードになった。グループIで第1シードはレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)、ビトーリア・ギマランイス(ポルトガル)、コンヤスポル(トルコ)というメンバーがそろう。
昨季リーグ3位でチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れて転戦してきたニースも第2シード、グループKで第1シードはラツィオ(イタリア)、ズルテ・ワレヘム(ベルギー)、フィテッセ(オランダ)と近隣諸国のチームと戦うのである。(続く)